けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第317話_なりてぇもんちゃんと見ろって感じのデク!【僕のヒーローアカデミア】

Hatena

 ども、けろです。

 今週のジャンプは呪術廻戦がお休みだったので精神的に楽〜と思っていた日曜夜の自分をぶん殴りたいです。『ドクターストーン』は今安定期だし『アオのハコ』はキュンキュンさせてくれるし、『マッシュル』は王道でアツいし、『ブラッククローバー』は反転攻勢だし、まじで今週のジャンプは安心して読めるな〜と思っていた僕は完全に忘れていたのです。ヒロアカという最大の伏兵を。

 

 というわけでやっていきましょう、ヒロアカ感想回です。

 

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1.コスチュームを脱いでいくベテランヒーロー達

 

 これが一番リアルでしんどかったです。

 おじいちゃんヒーローのヨロイムシャの引退等、既に現役ヒーローの引退というのは描かれていたんですが、彼はある種承認欲求のためにヒーローを続けていた側面があるので、「まぁそういうヒーローもいるよね〜」という感想が強かったわけですが、今回はちょっと重さが違いましたね。

 

 デステゴロ。

 実は第1話から登場しているプロヒーローなんですよ。

 先の戦争では裏切り者のヒーローに睨みをきかせる等の描写があり、目立った活躍はそこまでないけれどヒロアカの世界にはいてほしいヒーローでした。

 

 そんな彼が"コスチュームを脱いだ"

 しかもその理由が「1の罵声が10の声援に勝る」という精神的摩耗。

 

 彼自身、「応援も届いてる」と留意しつつ、それでも奔走し続けていた彼が、遂に折れてしまったんだなぁと。

 ヒーローが批判に晒されるというのは当たり前のことです。国から免許を与えられ、暴力を振るうことを正当化され、人を救けることを至上命題とされた職業ですから、その結果に対して批判が寄せられるのは当たり前っちゃ当たり前なんですよね。

 でも今回はちょっと質が違うなぁと。

 だって混沌を極める社会の中で、それでも秩序をなんとかしようと奔走するヒーローの行動は、真に市民を救おうとする人物像なわけで、そんな彼らに罵声を浴びせるのはもう「真っ当な批判」とは呼べないだろう、と。

 

「どうやら俺はヒーローじゃなく、人間だったみてぇだ」

 

 デステゴロが少しずつコスチュームを脱ぎ捨て、スーツに袖を通していく姿がしんどかったですね。あぁ、彼はもう"ヒーロー"には戻れないんだなぁと。

 

2.オールマイトの想い、デクの眼差し

 

 オールマイトの「ご飯食べてないだろ」という心配の言葉と差し出されたお弁当に背を向けて、「もう大丈夫です、付いてこなくて」と返してしまうデク。

 

 これ、別に闇堕ちとかじゃないんですよね。デクはいつだって人々のためを思って行動しているし、力を失ったオールマイトを危険から遠ざけたい一心での発言だというのは彼の「だから心配しないで」というセリフからも伝わってきます。

 

 

 でもそうじゃないだろう……

 

 

 オールマイトがかけてくれた言葉に背を向け、差し伸べられた手を振り切って駆け出すデクは、確かに強くなったけれどまだ10代の子供で、だからこそ正しく導いてくれる大人の存在が近くに必要なはずなんですよ……

 

 

 そしてオールマイトが最後に「頑張るな」「休んでいい」と言葉をかけてあげられなったのは、その言葉自体オールマイトが過去に顧みなかった言葉だからなんですよね。

 かつてナイトアイが「ふかふかのベッドで休んでいい」と気遣ってくれた言葉を振り切って"平和の象徴"として活動し、困っている人がいたら己の活動限界を顧みずに救け続けてきた彼だから、同じ道を歩みつつあるデクに言葉をかけられなかったんだなぁと。

 

 そう考えるとこの二人の関係性が本当にしんどい。最後に映った、雨に打たれるお弁当の姿が何よりもキツい……

 

3.笑顔を無くしたその姿は"ヒーロー"なのか

 

「音もなく現れるんだって」

「色んな"個性"を持ってるって聞いたよ」

「それってAFOの能力じゃないの…?脳無かしら…!?」

「でも助けてくれるらしいよ。噂じゃ傷だらけの上に血と泥でーーー」

 

 

「とてもヒーローには見えないんだって」

 

 

 デク〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 お前笑顔はどうした〜〜〜〜〜〜!!!!

 

 「笑顔で助けるオールマイト」に憧れたお前はどこにいっちまったんだよ……

 「止まれ」の道路標識を踏み越えていくデクの姿、完全に鬼神と化していて、これは確かに闇堕ちとは違うんだろうけど、それでもその姿は彼がずっと憧れていた「ヒーロー」の姿とは程遠いだろう、と。

 コスチュームはボロボロで、そこから覗いている眼光は鋭く、ただただ人を助けながらオール・フォー・ワンの情報を集めているデクの中にあるのは、「オール・フォー・ワンを討つ」という使命感だけなのかなと……

 

 

 確かにヒロアカの物語は「デクが最高のヒーローになるまでの物語」だと第1話で明言されているので、今後A組のクラスメイトにぶん殴られたりして元に戻るんだと思うんですけど、それでもそれまでの物語を読まないといけないのはしんどいですね……

 

 

 来週以降、このデクがどうなってしまうのか心が痛いです。

 

 

 それではまた来週。

 

 

 よしなに。