けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】サブタイトルの意味_2巻編【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 以前、単行本第1巻のサブタイトルの意味考察をやりました。

 今回はその続き、第2巻におけるサブタイトルの考察・解説回になります。

 それではやっていきましょう。いつかBLEACHもやります。全74巻ありますが。

 

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1.第8、9話『呪胎戴天』

 

 これに関しては1巻の続きとなるサブタイトルですので、ここでは深い考察はしません。

 ただやはり、この言葉には本来の四字熟語「不倶戴天」の意味が込められていると思っています。

 

 それはつまり、「人間と呪霊は、同じ天の下では生きていけない」ということです。作中でも人間と呪霊というのは常にどちらが生き残るかという生存競争を繰り広げる関係であり、それ以上でもそれ以下でもありません。そこにあるのは、純然たる殺意と同族嫌悪だと、僕は思います。

 

 だからこそ、この話で「人間」である伏黒は生き残り、「呪物を受肉した」虎杖は死んだ。そういう意味もあるのでは、と。

 

2.第10話『雨後』

 

 少年院編で降り続いていた雨が止み、場面は転換。

 特級呪霊を引き連れてファミレスに現れた夏油傑、伏黒・釘崎の前に現れる東京校2年生の面々

 

 「雨後」の意味は文字通り「雨上がり」です。

 物語における「雨上がり」というのは、「新たな物語の始まり」を意味する舞台装置としての側面があります。

 現実世界でも雨上がりというのはどこか晴れやかな気持ちというか、これまでとは異なる気分を齎しますから、それを象徴するサブタイトルと言えそうです。

 

 物事が相次いで現れることの例えとして「雨後の竹の子」という言葉もありますしね。

 

3.第11話『ある夢想』

 

 この回は、2話前で死んだ虎杖が早くも復活するというスピーディーな回でした。

 「夢想」とは「夢に見ること」を意味し、ありもしない(=現実反した)ことを思い描くことです。

 

 第11話で登場した「夢」とは、恐らく宿儺の描く「契闊」のことでしょう。現実問題、虎杖に受肉したままでは野望を達成できない宿儺が、虎杖との"縛り"をその足掛かりにした、という意味でしょうか。

 

 もう一つ考えられるのは、偽夏油と漏瑚との会話で出てきた「五条悟の封印」も指していると考えられそうです。

 五条悟は公式チートですから、その封印と試みるというのは確かに「夢想」と言えますね。

 

4.第12話『邁進』

 

 復活した虎杖が五条の下修行を開始する回。もっと強くなろうと邁進する彼の姿勢を表しています。

 

 また、虎杖のことを死んだと思っている伏黒達もまた、己を鍛えるために邁進しています。

 それぞれのキャラが現状を打破してより強くなることを志す、各キャラの心情を表したサブタイトルです。

 

 余談ですが、この物語の冒頭で登場した「バイトバックれお兄さん」も新しいバイト先で邁進しているようですね。頑張ってほしい。

 

5.第13話『映画鑑賞』

 

 虎杖の修行方法として選ばれたのは、学長特製の呪骸を持ちながら映画鑑賞をするという、ジャンプの中でも特異な方法でした。

 この映画三昧の日々が後ほど彼の交友関係にも関わってくるので、因果だなぁと感じます。

 

 このサブタイトルに関しては特段大きな意味はないと思われます。映画鑑賞がんばれ虎杖。

 

6.第14話『急襲』

 

 一方で、五条悟の前に現れた特級呪霊・漏瑚。獄門疆を蒐集に加えるため自ら五条を殺そうと動いた彼と、特級術師・五条の一戦を描いた回です。

 

 といっても五条と漏瑚の実力に差がありすぎて勝負というか一方的な殺戮でしたが、それでも漏瑚は頑張ったと思います。お疲れ漏瑚。

 

7.第15話『領域』

 

 端的にこの話を表しているサブタイトルだと感じました。

 特級呪霊・漏瑚の領域展開、特級術師・五条悟の領域展開という、互いの術式の極地のぶつかり合い、呪術戦の頂点

 

 物語序盤の中でも屈指の盛り上がり回だと思います。

 この回はアニメで超美麗な作画で描かれ、Twitterで話題になりました。

 

 やっぱり五条悟の領域展開「無量空処」はどう考えてもチートすぎるし、サブタイトルとしての「領域」はまさにそれを冠したものと言えるでしょう。

 

8.第16話『情』

 

 2巻最終話となる第16話。

 瀕死の重傷を負った漏瑚を特級呪霊・花御が救出に来ることを表したサブタイトルだと言えます。

 加えてこの回は新たな特級呪霊・真人の登場、伏黒・釘崎の目の前に京都姉妹校の変態ゴリラ東堂・禪院真依が現れました。

 

 単行本の第2巻というと序盤の締めくくりとしての位置付け的な側面がありますから、その最終話で次々と新たな展開を詰め込んでくるのはとても良いと思います。

 

 これは第3巻以降で明らかになったことですが、この「情」というサブタイトルは東堂のことも表していると言えます。

 好きな女のタイプを伏黒に訊ねた東堂ですが、彼はそのことについて以下のように述べています。

 

「一目見た時から分かってた。あぁコイツは退屈だと。でも人を見た目で判断しちゃあいけないよな。

 だからわざわざ質問したのに、オマエは俺の優しさを踏みにじったんだ」

 

 この台詞を要約すると「問答無用でぶっ飛ばしてもよかったが、せめてもの情け・礼儀を払う必要がある」ということになります。

 これがまともかどうか、妥当かどうかは置いておくとして、これは東堂なりの「情」の向け方</span.であることが分かります。

 

 仲間である漏瑚を助けようとした花御と、同じ呪術師である伏黒をぶっ飛ばそうとする東堂。どっちが人間らしい行動かは賢い読者の皆さんならわかると思います。

 

 

 

 2巻のサブタイトルの意味考察については以上となります。

 3巻以降はこれまた難しいサブタイトルもありますから、そのうちやっていこうと思います。

 

 それではまた。

 

 よしなに。