ども、けろです。
ジャンプ本誌での展開が佳境を迎えている「呪術廻戦」。
本編では五条vs宿儺の一進一退の攻防が続いており、五条勝つか!?と思った次の週では五条負けるか!?という展開を繰り返しているので、情緒が富士急ハイランドのジェットコースターに乗っている気分がここ数週間ずっと続いています。本当に心臓に悪い。
というわけで今回は、以前書いた記事のパワーアップ版兼最新版になります。
kero-entame-channel.hatenablog.com
すでに巷で囁かれている「ミゲル最強説」について、大真面目に与太考察をやっていこうと思います(秒で矛盾する日本語)。
悪ふざけやトンデモ考察ではなく、作中で描かれた描写を一つずつ振り返りながら大真面目に考えていきます。作品を馬鹿にする意図や特定のキャラクターを貶す意図は一切ありません。
というわけでやっていきましょう、ミゲル回です。
1.はじめに〜ミゲルって誰だっけ〜
このブログに辿り着いている時点で「ミゲル」というキャラクターを知らない人はほとんどいないと思いますが、0巻未読の方・アニメ未視聴の方向けにミゲルという人物について軽く解説しておきます。
「呪術廻戦 0巻」にて登場し、夏油一派の術師として五条達の前に立ちはだかった異国の術師。
一度目にしたら忘れない強烈なキャラデザの彼は、現時点(第228話)では0巻でのみ登場し、本編には未登場です。
原作では五条に「ボビー・オロゴンみたいな喋り方しやがって」と言われていましたが、流石に映画ではそのまま使うわけにはいかず、「僕の1秒の方が勝ってる」という台詞に改変されていました。当然っちゃ当然。
そんな彼の0巻での活躍は、夏油が引き起こした新宿と京都の百鬼夜行のうち新宿側に参戦し、最強の術師・五条悟を10分強(映画では12分強)足止めする、という極めてシンプルなものでした。
ただ、彼の活躍はそのシンプルさがゆえにその後散々こすられることになり、巷では「呪術廻戦最強ランキングの第3位はミゲル(1位五条、2位宿儺)」とまで言われる始末です。
ちなみに作者は0巻のあとがきで「1,2巻を既に読んでる人はなんとなく気付いてるかもしれませんが、百鬼夜行MVPはミゲル」と述べており、キャラブックのミゲルの紹介ページには「強い」と書かれていました。一応作者は0巻軸から目を背けているわけではないようです(言い方)
2.「五条の足止め」という偉業
さて、0巻でミゲルが成し遂げた「五条悟の足止め」という活躍ですが、それがどれほどの偉業だったのか改めて振り返りましょう。
2-1.特級呪霊2体+特級呪物受肉体ですら圧倒される
まずは五条の特異さが遺憾なく発揮された渋谷事変から。
羂索が引き起こした渋谷事変は、事変そのものが五条悟の封印を目的としたものであり、羂索はそのために動いていました。
結果として羂索は、五条を獄門疆に封じるために2体の特級呪霊・漏瑚と花御、受肉した特級呪物「呪胎九相図」の1番・脹相をけしかけ、獄門疆の封印条件である「半径4メートル以内に対象を1分間とどめる」を満たさせようとしていました。
この「1分間」は実際の時間ではなく「封印対象者の脳内時間」なのですが、まぁ五条の前でそんなのは些細な違いでしかありません。
結果的に五条は特級呪霊2体を苦もなく相手どり、単純な呪力操作と術式のみで花御を祓いました(漏瑚についても片腕を捥ぐ傷を負わせていました)。
その後は0.2秒の領域展開という離れ技で漏瑚達を完全に圧倒し、彼の目の前に現れた(かつての親友の肉体を操る)羂索に呆気を取られて封印されるまでの間、五条は実質無敵と言ってもいい実力を発揮していました。
漏瑚の名誉のために言っておくと彼は決して弱い呪霊ではなく、渋谷事変では特別1級術師である禪院直毘人、1級術師・七海建人、天与呪縛のフィジカルギフテッド・禪院真希の3人をほぼ一方的に瞬殺しており、曲がりなりにも「特級」に位置付けられています(確かに直毘人達は特級呪霊・陀艮との戦闘直後でしたが、五条を除いて最速と言われていた直毘人ですらほとんど反応できていませんでした)
2-2.宿儺の付き人・裏梅がワンパン
話数は少し飛んで死滅回游編。
虎杖ら高専側の術師の活躍により獄門疆から解放された五条はまっすぐ羂索・宿儺の元に向かいました。
その場で宿儺に対して煽り散らかした際、宿儺の付き人・裏梅が「貴様っ!!」と激昂しましたが、五条はそんな裏梅をただの突きで一蹴。文字通りワンパンで裏梅を戦闘不能に追い込み、裏梅に(反転術式で治癒してもなお痛みが残る)傷を負わせました。
2-3.五体満足で生還したミゲル
特級呪霊2体相手に圧倒し、裏梅をワンパンで沈めた五条。
作中では五条と互角に渡り合っている術師は宿儺以外におらず、羂索ですら五条を倒すことは最初から視野に入れておらず、「封印」によって戦闘不能に追い込むことに全力を注いでいました。
そんな五条と相対し、瞬殺されるわけでも四肢を欠損するわけでもなく、純粋に戦って五体満足で生還したミゲル。
映画では原作以上に五条vsミゲルの戦いが濃密に描かれており、街中をギュインギュイン飛び回るシーンが追加されていました。
しかもミゲルの戦闘方法は、己の肉体と手にした特殊な呪具「黒縄」というシンプルさ。「黒縄」には「あらゆる術式効果を乱し相殺する」という効果が付与されており、これによりミゲルは五条の術式・無下限呪術を相殺しながら立ち回っていました。
だとしても、です。
少なくともミゲルは、「呪術界最速である五条の攻撃」を「術式等の効果に頼ること」もなく、「目で見て黒縄を当てている」わけで、この時点でミゲルの反射神経・反応速度は作中で二番手とされる禪院直毘人の投射呪法を上回っている可能性があります。
なんならその投射呪法は(使用者が直毘人ではなく直哉でしたが)、亜音速に加速した状態の攻撃を天与呪縛が覚醒した真希に見切られており、真希と同格と思われる天与呪縛・伏黒甚爾は当時高専2年生だった五条に敗れています。
つまり(術式・術師間の相性を無視した)作中の描写だけを評価するのであれば
五条>甚爾=真希≧直毘人≧直哉
という序列になるのではないかと思われ、五条の攻撃に「目で見て反応」している以上、ミゲルの序列も高くなるはずです。
仮にミゲルの反応速度・攻撃速度を直毘人と同格かそれ以上と仮定した場合、少なくとも「(反応・攻撃の)速さ」という点のみに関しては以下のような序列になると思われます(甚爾・真希は本来得るはずだった術式・呪力を全て捨てることで常人離れした肉体を手にしていますが、ミゲルは素の肉体でそれと並んでいる可能性があります)。
五条>ミゲル=甚爾=真希≧直毘人≧直哉
既に頭が痛くなってくる下馬評ですが、作中描写を純粋に評価するとこうなってしまうので……
また肉体の頑強さに関しても、一撃で戦闘不能にされた裏梅や、全く反応できずボコボコにされた漏瑚以上であることはほぼ間違いありません(劇場版「呪術廻戦0」で五条の近接攻撃ラッシュを十数秒受け続けたにも関わらず「今ノハヤバカッタ」と苦笑するだけだったので)
3.領域展開会得済み説
さて、直毘人や甚爾以上の反応速度、漏瑚や裏梅以上の頑強さを兼ね備えていると思われるミゲルですが、実は彼にまつわるとある説が囁かれています。
それが「ミゲル、領域展開会得済み説」です。
頭が痛くなってきましたか?奇遇ですね、僕もです。
3-1.五条に素手で殴りかかる=領域展延の伏線?
まず0巻、および劇場版におけるミゲルの立ち振る舞いを振り返りましょう。
「黒縄」をメインウェポンとして立ち回っていたミゲルですが、決して「黒縄」に頼りきりというわけではなく、時にはその拳で五条相手に肉弾戦を挑んでいるシーンが描かれていました。
ここで思い出していただきたいのが、「五条は常に無下限呪術を発動しており、近接戦闘で五条に触れることはできない」という設定です。
漏瑚との初の戦闘では彼の攻撃の一切が五条には届いておらず、過去編でも五条相手に投擲されたナイフは全て彼に届く前に動きを止めていました。
つまり、五条のことをよく知る者であれば彼の術式に関する情報は把握しているはずであり、かつて親友だった夏油に与するミゲルであれば、夏油経由で五条の術式の特性については聞いているはずです(足止め役なら当然その辺りの情報が命綱になるはずです)。
にも関わらず、ミゲルは五条相手に肉弾戦を挑んでいました。
いくら足止め役とはいえある程度本気で戦わなければ五条に殺されてしまいます。
「黒縄」を当てるためのフェイントの可能性もありますが、映像で確認する限りフェイントというよりはかなり本気で殴りにいっているように見えるので、ミゲルは「五条のことを殴れるつもりで殴りにいっている」と考えてもよいと思います。
素手では触れることすらできない五条を殴る方法。
それが「領域展延」です。
術式効果を付与しない領域を自身の肉体に薄い膜のように纏うことで相手の術式効果を中和する技術であり、渋谷事変で漏瑚・花御はこれを用いることで五条の術式を中和しようとしていました。
※領域展延については過去に解説記事を書いていますので、よければそちらをご覧ください。
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「領域展延」であれば相手がたとえ無下限呪術の使い手であったとしてもその術式効果を中和し、直接攻撃をヒットさせることが可能になります。
五条に対して直接攻撃を試みたミゲルですが、この描写が彼が既に「領域展延」を発動していたことの伏線だったと考えれば、彼の行動にも説明がつきます。
そして「領域展延」とは下記のようなものであると本編で説明がなされています。
「渋谷で漏瑚や花御が見せた「展延」は、必中必殺の術式を搭載できるだけの領域に、あえて術式を付与しないことで容量を空け、五条の術式を流し込ませ無下限を中和した」
つまり「展延」を発動している時点で、その術者は既に「必中必殺の術式を搭載できるだけの領域を発動できる実力者」ということになり、作中で「展延」を披露している人物が軒並み「領域展開」の会得者であることを考えると、ミゲルが既に「領域展開」を会得した術師であったとしても何もおかしくないわけです。おかしくないわけです(迫真)。
3-2.呪具「黒縄」により術式が使えなかった?
ですがこの説を確固たるものにするためには、まだ解消しなければいけない疑問点が存在しています。
それが「ミゲルが領域展開を会得しているのなら、何故彼は五条戦で自らの生得術式を使わなかったのか」です。
0巻のミゲルは徹底して「黒縄」と己の肉体、あとは夏油が放った呪霊のみを使っており、自身の術式を発動しているシーンは描かれませんでした。
ただ、これには意外と簡単に答えることができます。
それが「触れた者の術式効果を見出す「黒縄」の特性は、使用者にも作用する」という可能性です。
「黒縄」はただの呪具であり、触れているのが「使用者(=ミゲル)」なのか「使用者が攻撃したい相手(=五条)」なのかを判別することはできないと考えられます(少なくとも「黒縄」の形状を見る限り「持ち手」のような部位は確認できず、その上ミゲルは縄の端を自身の腕にがっちりと巻きつけていました)。
このことから「黒縄」の持つ効果は使用者にも作用すると考えられ、だとすると「「黒縄」を使っている間は使用者も術式効果を乱され、術式を発動することができなくなる」と言い換えることができます。
つまりミゲルは自身の術式を使わなかったのではなく、「黒縄」を握っているが故に使うことができなかったのです。
この理由については、「五条と術式対決をするよりも、自分と五条が術式を使えない状態の方がマシ」だからだと思われます。
何故なら五条は六眼+無下限呪術という最強の抱き合わせの上、呪力量も桁違い。
身体能力も極めて高いので、そんな五条と正面から術式対決を挑んだとしても(まぁミゲルなら大差ないかもしれませんが)あまりに分が悪く、ならばたとえ自身の術式が封じられたとしても五条の術式を使用不可にできるのならお釣りがくるのでしょう。
だとしても単純な呪力操作・フィジカル面でも他を圧倒する性能の五条相手なのでミゲルの身体能力がいかにバグっているのかがわかるかと……
まとめると「ミゲルは自身が持つ「黒縄」のせいで自らの術式が使えなかったが、五条に直接攻撃を繰り出そうとしている描写を見る限り「領域展延」を会得している可能性が高く、必然的に「領域展開」も使える可能性がある」となります。
ちなみに「領域展延」は「生得術式を搭載しない領域」なので、理論上は「黒縄」を握った状態でも発動できると思われます。
4.ミゲルvs宿儺/羂索
再登場が心待ちにされている作中最強格の術師・ミゲルですが、個人的には何かの間違いで(言い方)最終決戦に参戦してくれないかな……と淡い期待を抱いています。
五条とほぼ互角の領域対決を繰り広げている宿儺に対してフィジカルで圧倒するミゲルが見たいですし、なんなら「領域展開」で宿儺に一泡吹かせてほしいとすら思っています。
(このファンアートでゲラゲラ笑いました)
ただ、個人的には夏油の肉体を乗っ取っている羂索と戦ってほしいと結構真面目に思っています。
ミゲルが夏油の下についた理由はファンブックにて明かされており、「夏油を王にしたかったから」と言われています。
自らが王の器だと信じた夏油の肉体が、死した今羂索という術師によって弄ばれている。そんな状況に義憤を感じたミゲルが最終決戦のvs羂索戦に参戦するのは少年漫画的にアツい展開です。
そして参戦時の第一声は「祟リニキタゾ、夏油!」だと嬉しいです。
0巻では「(お前のせいで俺が)死んだら祟るぞ」という意味で使われていた台詞が、「(オレ達を残して一人で勝手に)死んだら祟るぞ」と意味が180度変わるので激アツですし、夏油を王にしたかった男の矜持として最高に燃えるので本当に本当にやってほしい。
再登場したら絶対に盛り上がるし、再登場せずに作品が完結したらそれはそれで美味しいし、どっちに転んでも得しかしないので本当にずるい男だと思います、ミゲル。
今回は大真面目にミゲルの実力を考えてみました。
おかげで頭痛がひどいです。
それではまた。
よしなに。