けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】虎杖が高専に出戻りしてもバレなかった理由【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 ジャンプに呪術廻戦が載っていないというだけで一週間の心持ちが大分違いますね。これは良い意味と悪い意味の二つがあります。毎週の楽しみがないという悲しさと、怒涛の展開に心を掻き乱されない安堵感という、複雑心境のまま週半ばを生きています。

 

 というわけで久しぶり(?)の考察パートです。

 

 ジャンプ16号第143話にて、虎杖に高専に戻るよう進言した伏黒が、以下のように述べていました。

 

「今高専の結界は緩んでる。直接顔を見られない限りオマエが戻っても問題ねぇ」

 

 当たり前のように語られていて多くの方がスルーしてしまったのではないでしょうか。

 以前第143話についての感想記事の方でも軽く触れましたので、この機会におさらいしておこうかなと思います。

 

1.高専の結界の役割

 

 そもそもの前提として、「高専の結界」とはどのような役割を果たしているのでしょうか。

 「高専の結界」の役割に関して、本編及び公式ファンブックにおける描写をそれぞれ抜き出してみましょう。

 

姉妹校交流会にて、侵入者の気配を察知した教員達のシーン

夜蛾「未登録の呪力でも札は赤く燃える」

歌姫「外部の人間…侵入者ってことですか」

冥冥「天元様の結界が機能してないってこと?」

 

ー芥見下々『呪術廻戦』第6巻、p.28より

 

天内理子を高専に連れてきた五条達のシーン

夏油「高専の結界内だ」

(中略)

夏油(馬鹿な!!ここは高専結界の内側だぞ!!)

 

ー芥見下々『呪術廻戦』第8巻、p.189-191より

 

夏油の呪霊操術に関する補足ページ

「高専結界内で未登録の呪力が発生するとアラートが鳴ります」

ー芥見下々『呪術廻戦』第9巻、p.26より

 

呪術高専に関するファンブック説明

「東京都都内某所ながら、都内とは信じがたい程の奥地、"筵山麓"。山間を抜けると、大きな山2つ分の敷地内に立ち並ぶ荘厳な寺社仏閣に目を奪われる事だろう。これが東京都立呪術高専の敷地である。

 しかしながら前述の寺社仏閣は、そのほとんどがハリボテ。そして天元の「結界術」によって、日々配置を替えている」

 

ー芥見下々『呪術廻戦公式ファンブック』p.129

 

 ファンブックの説明に関しては本編でも語られたので、そちらの抜粋は省略します。

 

 上記の情報をまとめると、高専に張られた結界というのは、

1.特定の呪力を感知し、アラートを鳴らす

2.危険度の高い呪具や天元の鎮座する薨星宮への道を隠す

 の2点の役割があることが考えられます。

 

 今回はこの1点目、呪力感知がメインになります。

 

2.高専の結界の担い手

 

 ここはサラッとしたおさらいになりますが、高専の結界というのは天元によって張られ、管理されているものになります。

 

 この点に関してはファンブックでも取り上げられており、

 

「呪術高専を始めとする国内主要結界、その他多くの「結界術」全てが、天元の力によって強度を底上げされている(後略)」

 

ー芥見下々『呪術廻戦公式ファンブック』p.127より

 

 と明確に述べられています。

 国内主要結界や補助監督の結界等に関してはここでは触れませんが、呪術高専の結界もまた天元によって張られ、管理されていると考えていいでしょう。

 

 また、前述の抜粋では「未登録の呪力」に対してアラートが発動する仕組みでしたが、この仕組み自体は恐らく変更できると思います。どの呪力を登録し、どの呪力を登録しないのかについては結界が張られた時点でどうこうできるものではないため、感知させる呪力については高専側が任意で選べると思われます。

 

3.渋谷事変以後の結界の現状

 

 さて、となると死刑執行猶予が取り消されている虎杖もまた、高専側からしてみれば処刑対象であり、高専に立ち入らせてはいけない存在です。

 そうなれば彼の呪力を探知した高専の結界はアラートを鳴らしてそれを高専上層部に伝えるでしょうから、通常彼は高専に出戻ることはできません。

 

 ただ、伏黒は「結界は緩んでる」と言いました。「解けている」ではなく「緩んでいる」とはどういうことなのか。

 

 話を少し前に戻して、ジャンプ9号第137話、壊滅した東京の情景を背景に多くの人々の声が次々に寄せられるシーンを見てみましょう。

 

「明治に張り直した皇居を中心とした結界と、幕末に東京遷都候補地だった薨星宮直上を中心とした結界、これらを無理矢理県境まで拡張する

 

 個人的には「明治に張り直した」という文言も気になるところですが、今回のメインはその後、「薨星宮の結界を県境まで拡張する」です。

 

 県境、つまり東京と他県の境目までこの結界を広げるということです。

 

 「薨星宮直上の結界」が「高専の結界」と同一のものかはわかりませんが、仮に同一のものだとするならその目的は「呪霊を東京都外に出さないようにするため」ですし、同一のものでなかったとしても「都外からの侵入を阻む」等が考えられます。

 

 どちらにせよ、「天元によって安定供給されている結界を、人間が無理矢理手を加えて拡張する」ということになります。

 

 天元は(作中描写を見る限り)万能の術師のようですが、全能の術師というわけではなさそうです。

 

 「結界を無理矢理県境まで拡張する」ことにより、その効力に何かしらの影響が出ても不思議ではありません。

 簡単に例えるなら、「大きさの決まっているザルの目が、引き伸ばされたことにより粗くなってしまった」でしょうか。こう考えるとスッキリします。

 

 つまり現在の高専の結界が緩んでいる背景には、東京都全域に放たれた呪霊の対処のために薨星宮直上の結界を無理矢理県境まで拡張したことが起因していると考えられます。

 

 だから現在の高専の結界では虎杖一人の呪力を感知することができない、と考えれば疑問点はおおよそ解消されるのではないでしょうか。

 

 

 考察というより設定同士を繋げて考える整理回でしたね。

 

 こういうフランク寄りな記事も書いていこうと思います。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。