けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】天元の正体に関する再考_第5回【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 今週のジャンプ第17号にて長らく謎に包まれていた「天元」が遂にその正体を現しました。

 

 まさか実体を持つ存在であり、こちらと明確な意思疎通が可能だとは思いませんでした。これにより過去にあげた考察の一部の答え合わせができそうですが、新しい謎が浮上しました。

 

 今回はそれに関して取り上げていこうと思います。 

 

 

1.これまでの説の整理と仮説の提示

 

 僕はこれまでに4回、天元に関する考察記事を書いてきました。

 

【考察】BLEACHとの相関から見る天元様と御三家の関係性_第1回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】術式から考える、天元様の異質性_第2回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】九十九の発言・語句から再考する天元の正体_第3回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】偽夏油と天元様の対比_第4回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

 その中で特に僕が強調していたのは、「天元は生きた人間ではなく、呪物化した人間か、"縛り"によって抑留された人間なのでは?」「天元の術式が不死というのはブラフで、本当の術式はもっと別なのでは?」ということでした。

 

 今週号で天元が意思疎通可能な実体を持った存在であることが明かされ、前者に関しては若干薄くなってしまいました(ただあの人外的な見た目は何かしら裏がありそうです)が、後者に関しては依然考察の余地がありそうです。

 

 そこに加え、本項で検証する仮説を提示しておきます。

 

仮説:天元の術式が「不死」というのはブラフである。

 

2.最新144話における九十九の発言

 

 第144話にて出てきた九十九の発言を再度見てみましょう。

 

「天元は現に干渉しないが、六眼を封印された今なら接触が可能だと踏んだんだが、見通しが甘かった」

 

 ここで気になったのが「六眼を封印された今なら」天元に接触ができるだろうと九十九が判断している点です。

 これを逆に考えると、「六眼持ちが現役の時には接触できない」ということになります。

 

 六眼に関する設定は公式できちんと述べられているわけではありませんが、作中の描写から「対象を視認することでその術式情報を読み取ることができる」ものであることが読み解けます。

 

 宿儺を受肉した虎杖を見て「混ざってるよ」と断言していたのも、過去編で本体を入れ替えることができる呪詛師と相対した時に「便利な術式」と看破していたのも、彼の目には術式がはっきりと"視え"ているということになります。恐らく呪力の流れ等で感覚的に術式を認識しているということでしょう。

 

 その六眼が現役であれば天元が接触しないということは、「六眼で見られると困ることがある」なのではないでしょうか。

 

 作中で語られた天元の設定は「不死の術式を持っている」ということでしたが、ここにこの考察を当てはめてみると「不死の術式を持つとされる天元だが、それを六眼で視認すると異なる情報が入ってくる」という可能性が浮上します。

 

 常々怪しいと思ってきた天元でしたが、ここにきてその怪しさが増してきました。

 

3.過去編の夏油の発言を振り返る

 

 ただ、そうなると過去編で星漿体・天内理子の護衛任務に夏油と五条が任命されたのが引っかかります。

 

 これに関しては薨星宮本殿に理子を連れた夏油の台詞によってある程度解決できそうです。

 

「階段を降りたら門をくぐって、あの大樹の根本まで行くんだ」 

 

 ここで彼が「行こう」ではなく「行くんだ」と命令口調なのは、「僕はその先には行けない」可能性が大きいです。

 天元の隠す結界が天元本人にも左右していることが第144話で判明したので、この可能性は高いと思います。

 つまり、本殿までは誰でも行くことができるが、そこから先の天元が座す領域に入ることが許される(≒天元が接触を許可する)のは限られた人間だけである、ということです。

 

 であるなら六眼を持つ五条が護衛任務を任されていたとしても、それはあくまで「薨星宮本殿に連れて行くまで」であって、そこから先に関しては関係ないと考えることができますし、整合性は取れます。

 

 

 天元の正体がどのようなものかはまだ考察の余地がありますが、天元が六眼持ちの術師と接触したくなかった理由はきちんとありそうです。

 それを逆説的に考えると、「天元の術式が不死である」という前提そのものが嘘である可能性がより強まります。

 

 

 天元関係はこれから先も○回と称して続けていこうと思います。

 

 それではまた。

 

 よしなに。