ども、けろです。
ジャンプ本誌での最新143話で虎杖の母となるポジションの女性が登場し、その額に傷跡があったことで衝撃が走りました。
脹相の「お前の父親の額にも縫い目が〜」が完全にミスリードという結果になり、僕たち読者は度肝を抜かされました。
そこで出てきた一つの可能性として、「香織と呼ばれていたあの女性は、もしかしたら特異体質だったのではないか?」という説について、今回は検証していこうと思います。
恐らくですが界隈初出の考察になります。先を越されていたらすみません。
1.仮説の提示
本項における仮説は以下の通りになります。
仮説①:虎杖の母は呪霊との子を孕む特異体質である
仮説②:「加茂憲倫が手をかけた女性」と「香織」は同一人物である可能性
②に関してはややトンデモな気がしますが、一つの可能性として検討していきたいと思います。考察は当たり外れではなく、その過程・行為を楽しむものですので。
2.「呪霊との子を孕む」特異体質の存在
まず前提として、呪術廻戦の世界には「呪霊との子を孕む」という特異体質を持った人間の存在が明言されています。
単行本第7巻、第60話にて以下のように述べられています。
明治の初め、呪霊の子を孕む特異体質の娘がいた。
呪霊と人間の混血、異形の子(以下略)。
明治の初めですので今からおよそ150年前になりますが、彼女は呪霊との子を作ることができ、それが偽夏油の目に止まり実験材料にされてしまったというわけです。
その結果生まれたのが脹相ら呪胎九相図ということです。
3.子供を持つことができなかった虎杖の父
次に今週の第143話にて開示された、虎杖の父と祖父の会話を振り返ってみましょう。
父「悠仁の前で変な話はやめて下さい。案外覚えているそうですよ、赤ん坊の記憶」
祖父「オマエが子供を欲しがっていたことも、香織との間にそれが叶わなったことも知ってる」
この会話の中で虎杖の祖父(以下倭助)が「それ(=子供を持つこと)が叶わなかった」と述べていることから、虎杖の父(以下仁)が妻香織との間に子を持ちたいと思っていたこと、それを試行錯誤していたことが分かります。体外受精にせよ人工授精等ですね。
これを単に香織か仁の生殖機能的に子を持つことができなかったと解釈するのが一番シンプルですが、ここでは少しひねって考えてみましょう。
4.特異体質を逆説的に考える
4-1.「人の子を孕めない」という逆説
前述の特異体質は「呪霊との子を孕む」というものでした。
これを逆説的に考えてみると、「人との子を孕めない特異体質」という可能性が浮上してきます。前者の体質が必ずしも直接的に後者の体質を裏付けるわけではありませんが、「人間の子を産めない」代償に「呪霊との子を孕む」体質を獲得していたとすると、"縛り"的にも足し引の辻褄は合います。
もし仮に、母香織がこの特異体質と同様だったとすると、彼女は単に「(先天的・遺伝的理由などで)子供を産めない体」だったわけではなく、「呪霊を孕む体質であったが故に人の子を産めなかった」可能性が出てきます。
これが「香織=明治時代の特異体質の娘」と考えるか、「香織=特異体質の娘の家系」と考えるかは後述します。
4-2.解消される疑問点
そう考えると解消される疑問点がいくつか存在します。
一つは「何故偽夏油があの女性を肉体として選んだのか」という必然性に関する問いです。偽夏油が器として選ぶ肉体全てに何かしらの必然性があると考えると、それは虎杖の母も例外ではありません。現時点で判明している偽夏油の器は加茂憲倫・香織・夏油傑の3人ですが、その内2人は「その人物でなければならなかった必然性」が明確に存在しています。
であるなら香織も「偽夏油の器として選ばれた理由」があってもおかしくありません。その理由が体質だと考えると、少し合点がいきます。
二つ目は「何故脹相は虎杖を弟だと認識しているのか」です。僕たち読者は当初、「加茂憲倫は自らの血を脹相らに混ぜており、その加茂憲倫が時を超えて虎杖を作ったから」だと思っていましたが、冷静に考えるとそれは少しおかしいです。
何故なら九相図作成に用いた血は「加茂憲倫の血液」であり、「偽夏油本人の血液」ではないからです。彼が肉体を転々としているということは、その肉体によって血液の情報は異なるはずなので、仮に脹相が加茂憲倫の血をベースにして虎杖を弟だと認識しているのであれば、そこにも何かしらのギミックがあるはずです。
発想を逆転させてみましょう。
脹相の「オマエの父親の額にも〜」発言がちょうどミスリードであったように、「父親ではなく母親繋がりで虎杖と兄弟である」可能性です。これは「香織=特異体質の娘」である前提にある程度立脚していますが、そうだとするとかなりスッキリしますね。
5.獄門疆を用いた可能性
ではまず、「香織=特異体質の娘」である可能性についてです。
これが一番脹相の弟認識を説明する上で都合がいいので。
ここで登場するのはやはり実質タイムマシンこと特級呪物・獄門疆です。
あれは内部の物理時間が流れていませんから、封印してしまえばそのままの姿で何年もの月日を時間旅行させることができます。
そう考えると「特異体質の娘」が現代まで生きていることの説明にもなりますし、彼女にまつわる一切の記録が破棄されていることに対する説明もつきます。
ただこの説は少し無理があって、1.現代で目覚めた娘がどういう経緯で仁と知り合い、結婚するに至ったのか(そもそも戸籍がどうなっているのか)、2.香織=特異体質の娘であるとするなら何故偽夏油は150年前にその肉体を乗っ取らなかったのか、が解決されませんね。
6.血筋として生まれていた可能性
では次に、「香織」と「特異体質の娘」に血縁関係があるという可能性についてです。
現時点で開示されている情報がほぼないので考察し放題になってしまうのであまり深くまで掘り下げることはできませんが、「特異体質の娘」の親戚筋の人間の子孫が「香織」であるなら、術式が受け継がれるように体質が受け継がれていてもおかしくはありません。
150年前は実験材料として使うだけだったが、今回は自らがその肉体を使ってみる、という考えで偽夏油が肉体を乗っ取ったのだとすると少し説明がつきそうです。
ただこれに関しても、「ただ血縁的に繋がっていた」というだけで脹相が虎杖を兄弟と錯覚するのかという問題が残されます。
獄門疆を使った場合も、子孫を使った場合も、どちらにしても少し説に無理が出てきてしまうので今回はこの辺で。
ただ、虎杖の母が「子を成せなかった」ということと、脹相らの母親が「呪霊との子を孕む特異体質だった」ということが、脹相と虎杖が兄弟である時点で全く無関係ではないのでは?というのもまた事実です。
ちょっと異色な考察でしたね。
それではまた。
よしなに。