ども、けろです。
原作派の皆さんは既にご存知かと思いますが、アニメ派の方は十種影法術の式神の全体像や能力って完全に把握してますでしょうか?
以前御三家の術式として赤血操術と無下限呪術について取り上げ、なるべく分かりやすい解説をしてみました。
というわけで今回は御三家術式シリーズ第三弾、十種影法術編です。
やっていきましょう。一応ですがネタバレ注意です。
1.術式の基本性能
まず十種影法術の基本性能についてですが、影を媒体にした式神を顕現させるものです。他の式神術と違う点は、札等の実体を媒体として必要としないため、どこでも呼び出すことができます。
手で影絵を作り、対象の式神名を呼び出す術式になります。おしゃれ。
2.現時点で判明している式神
次に現時点で判明している式神たちについて、その特徴も交えながら解説していきましょう。
2-1.玉犬・白/黒/渾
まずは作中で最も使用頻度の高い犬の式神。玉犬です。これはベースとなる白と黒の他に、片方が破壊された場合その力を受け継ぎ、「渾」として生まれ変わることがわかっています。ちなみに「渾」とは玉犬にだけ使われる名称ではなく、「特定の式神の力を別の式神に引き継がせること全般」を指す言葉だと思われます。
十種影法術使いが一番先に与えられる式神となります。
おそらく犬っぽいことはできるようで、匂いで対象を探したり牙や爪で攻撃したりといった性能を有しています。かわいい。
2-2.蝦蟇
文字通りカエルの姿をした式神で、舌で敵を拘束したりそのまま攻撃したりが可能。敵の攻撃から逃れる際の緊急脱出としても使えるので戦場においておくと使い勝手が良さそうですね。個人的にカエルはかわいくて好きです。
2-3.鵺
玉犬と同じくらい登場頻度が多い式神で、仮面を付けた大型鳥の式神。
背中に乗って空中戦を行うこともできるし、本体の翼が帯電しているのでそれを用いて敵の行動を一時的に制限したりできる。玉犬と並んで働き者。お疲れ様。
2-4.大蛇
文字通り巨大な蛇の式神で、その口で敵を捕食したり味方を助けたりできる。
作中では少年院編で虎杖の肉体を一時的に乗っ取った宿儺の動きを封じるために登場したものの、完全に破壊されてしまいました。
2-5.脱兎
うさぎの式神。しかも一体ではなく膨大な数のうさぎが飛び出す。本体の攻撃力は弱いので陽動や撹乱、目隠しが主な役目だと思われます。何体破壊すれば「完全破壊」になるのかが気になるところですね。
2-6.満象
ピンク色(アニメ由来)の象の式神。その巨大な質量で敵を押し潰したり、鼻から膨大な質量の水を放って攻撃する。伏黒曰く「呪力消費が大きい」とのこと。
2-7.拡張術式・不知井底
伏黒が考案したオリジナルの式神で、前述の「鵺」と「蝦蟇」をベースに作り出した式神。羽の生えたカエルのような見た目で、何体でも出せる。
拡張術式であるため、ベースとなった鵺と蝦蟇が完全破壊されない限り何度でも顕現できる。が、弱いのでよく様子見のために召喚される。こいつも苦労してんなぁ。
2-8.(八握剣異戒神将)魔虚羅
未だ謎多き式神。「魔虚羅」は仏教における神々「十二神将」の一体「魔虚羅大将」が由来とされ、カタカナでの「マホーラガ」は「偉大な蛇」の意味らしく、以前破壊された大蛇が神格化した姿では?とも言われている。
歴代の十種影法術師の中でこれを調伏できた術師はいないらしく、現時点では最強の式神。手にした剣には呪霊に特効となる正のエネルギーを纏っている。
また「最強の後出し虫拳(≒ジャンケン)」が可能な式神であり、自身が見た・喰らった攻撃の類に完全に適応するチート性能。倒すには「初見の技で一撃で屠る」しかないというまさにクソゲー。
3.領域展開
領域名は「嵌合暗翳庭」。足元に液体のように影が広がり、そこから夥しい数の式神が顕現する領域。つよい。おまけに術師の姿を影と同化させることもできるので、撹乱にはもってこい。
作中で登場した際はまだ未完成で必中効果が付与されていなかったので、この領域の必中効果がどんなものなのかすごく気になりますね。
4.式神調伏の儀について
術師といえど初めから十種全ての式神を使役できるわけではなく、最初に与えられるのは玉犬(白・黒)の一種二匹のみ。
「調伏の儀」のために呼び出した式神を玉犬を使って調伏することで使役可能になり、手持ちの式神を増やしながら調伏を進めていくという流れ。
調伏の儀においてわかっていることは以下の通り。
・儀は術師一人で行わなければならない。
・複数人での儀を行うことは可能だが、その後調伏そのものが無効になる。
・調伏のためなら術師の残存呪力量に関わらずいつでも当該式神を呼び出すことができる。
これを逆手に取ると、「未調伏の式神を呼び出し、敵との間で強制的に調伏の儀を始めさせる」という搦め手が可能。つまり自爆特攻のバグ技。厄介。
5.術式の解釈
本来十種影法術は「式神術」ですが、術式の解釈は人によって様々で、伏黒恵はその解釈を応用して「無形の影の中に呪具を格納する」ということを可能にしました。
これは多分「形が定まっていない影であれば奥行きはいくらでも増やせる」ということかと。要するに四次元ポケットです(他作品の力を借りる)。
6.使用術師
作中で登場したのは伏黒恵のみ。歴史上の人物として描かれた者もいたものの、ネームドではありません。
禪院家相伝の術式であり、そのせいもあって彼は禪院家に売られそうになっていました。
7.モチーフに関する考察
十二神将には「魔虚羅大将」がおり、十種神宝には「八握剣」があるためです。
そのことから十種影法術は「十種の式神を、それらに対応した神将に神格化させる」能力があるのではと考えられています。
8.完全破壊にまつわる法則
今まで散々「完全破壊」という言葉を使ってきましたが、十種影法術における式神が「完全に破壊された」場合、その式神は二度と顕現することができなくなる。
式神によってどの程度破壊されたら「完全破壊」となるのかは左右すると思われますが、まぁ多分全身を細切れにされたら完全破壊なのかなぁと。
破壊された式神は顕現することはできないが、その術式と力は他の式神に引き継がれ、引き継ぎ先の式神が強化されます(玉犬の場合それが「渾」になります)。
この「引き継ぎ」には一定のルールがあるらしく、どの式神がどの式神に引き継がれるかは決まっているようです(無作為/適当に引き継げるわけではない)。
ずいぶん長くなってしまいましたが、十種影法術に関しては以上となります。
術式解説は僕自身も作品の復習になってありがたいので、今後も定期的にやっていきます。
それでは。
よしなに。
*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』第14巻、集英社、p288-289