けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】宿儺が既に魔虚羅を調伏済みの可能性について考える【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 『呪術廻戦』最新219話、いつにも増して地獄の展開でしたね。

 宿儺と万、平安の世から時を超えて蘇った二人の術師の戦いの決着。その戦いは宿儺の勝利で終わり、それはつまり万の肉体の器である伏黒津美紀の死を意味しています。

 

 もとより受肉した時点で器の自我は消失してしまうので、津美紀が助かる可能性は限りなく低かったのですが、これにより完全な死が確定してしまいました。

 伏黒恵に対する作者の歪んだ寵愛(類義語:『進撃の巨人』のライナー、『水星の魔女』のグエル等)をひしひしと感じるわけですが、今回はそんな宿儺vs万の一戦から"ある描写"を切り出し、そちらについて考察していこうと思います。

 

 それでは久しぶりにやっていきましょう、呪術廻戦考察回です。

 



 

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1.魔虚羅の召喚

 

 まずは最新話のおさらいから。

 最新219話、万の領域展開「三重疾苦」に対し、宿儺は十種影法術の中でも最強の式神、「魔虚羅」を召喚して迎え撃ちました。

 

引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社

 

 「あらゆる事象への適応」というチート性能を持つ魔虚羅は既に万の構築術式に対して適応を終えており、これにより万は敗北することになったわけです。

 作中二度目となる魔虚羅の登場。そのあまりに暴力的な力は、まさしく「最強」の名を冠するに相応しい強さでした。

 

 この時点で注目したいのは、「呼び出された魔虚羅が宿儺を襲わず、万のみを攻撃した」という点です。

 後述しますが、渋谷事変で召喚された調伏前の魔虚羅は、範囲内にいる者であれば術師本人であっても構わず襲いかかる式神であり、そこに敵味方の区別はありません。

 これだけで既に「宿儺は魔虚羅を調伏している」と言えるかもしれません。

 

2.調伏の儀

 

 次に振り返りたいのが、渋谷事変にて召喚された際の描写です。

 伏黒恵によって呼び出されたこの時の魔虚羅は調伏前の状態であり、魔虚羅を調伏していない伏黒は「自滅覚悟の奥の手」として魔虚羅を呼び出しました。

 伏黒は範囲内にいた重面春太を巻き込んで「調伏の儀」を強制的に実行する形で魔虚羅を顕現させたわけですが、この状況を鎮めたのは虎杖の肉体を乗っ取った宿儺であり、その方法も「魔虚羅を倒すこと」でした。

 

引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社

 

 伏黒本人も「複数人での調伏はその後無効になる」と言及していましたし、この調伏の儀に意味はありません。

 ここで注目したいのは「調伏の儀の終了方法」についてです。

 

 作中では乱入した宿儺が魔虚羅を倒すことで強制的に調伏の儀を終了させていましたが、元々伏黒は自分自身と重面春太を巻き込んで調伏の儀を始めました。つまり伏黒は「魔虚羅を倒せずとも調伏の儀は終わる」という確証があったことになります。

 

 現にその場に駆けつけた宿儺は下記のように言及しています。

 

 「恐らく道連れの形で調伏の儀に巻き込んだのだろう。

  このゴミが死ねば儀式終了。伏黒恵の死も確定してしまう」

芥見下々『呪術廻戦』第14巻第117話より

 

 これらのことから「調伏の儀の終了条件」には以下の2つがあると考えられます。

 

 ①調伏の儀参加者全員の死亡

 ②魔虚羅本体の撃破(術師本人であるかは無関係)

 

 そりゃそうだろとなる条件な気がしますが、一方で第219話を見返すと、魔虚羅は倒されるわけでもなくいつの間にか消失しています。宿儺が魔虚羅を倒す様子もありませんでしたし、魔虚羅が宿儺を襲う様子もありませんでした。

 つまり第219話で呼び出された魔虚羅は、「調伏の儀によって強制的に呼び出された」訳ではなく、術師の意思によって召喚され、同じく術師の意思によって消失したと考えられるわけです。

 

 これもまた、宿儺が魔虚羅の調伏を既に終えていると言える根拠となります。

 

3.頭上の法陣

 

 魔虚羅の調伏の可能性は、何もいきなり登場したわけではありません。

 遡ること2話分。第217話のラストで構築術式により異形の姿へと変貌した万に対し、宿儺は「慣らし運転には丁度いい」という意味深なセリフを発し、その頭上には「魔虚羅の法陣」が顕現していました。

 

引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社

 

 この法陣は「完全な循環と調和」を意味し、これにより魔虚羅は「あらゆる事象への適応」というどう考えても少年漫画で登場してはいけない性能を持っているわけです。

 

 第219話で宿儺はこの法陣を自らの影の中に落とし、そこから魔虚羅を呼び出していますから、頭上にあった法陣は単なる飾りや何かの象徴といった類のものではなく、純粋に「魔虚羅の一部」ということになります。

 

 

引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社

 

 しかも顕現した魔虚羅はなぜか宿儺が受けたはずの万の構築術式(より正確には構成する物質である液体金属と虫の鎧)に対する耐性を獲得しており、本来なら触れることができないはずの「真球」を破壊することに成功していました。

 

 仮にこの時点の魔虚羅が調伏前のものだとしたら、宿儺がその肉体の一部である法陣を出現させることができたことに説明がつきません。

 

 考察、というよりも「これまでの描写と今回の展開を一つずつ積み重ねるとこういう結論になるよね」というお話な気がしますが、作中ではまだ断定されていないため一応記事タイトルは「考察」とさせていただきます。

 

 個人的に気になるのは、圧倒的な攻撃力と領域展開、そして汎用性の高い十種影法術に加え、魔虚羅というぶっ壊れ装備を手にした宿儺を一体どうやって倒すねんという前読者が胸に抱いている特大のツッコミです。

 これ仮に五条が復活しても太刀打ちできなくない……?まして主人公の虎杖はどうやって戦うの……?

 

 考えれば考えるほど全員死亡のアンハッピーエンドまっしぐらな気がしてしまう今日この頃ですが、作中で誰かが曇らせられれば曇らせられるほど面白さが増していくというのがジレンマですね。

 

 最近は仕事の方もやっっっっっっっっと落ち着きつつあるので、これからまたゆるりとブログの方も頑張っていこうと思います。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。