けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【解説】これで分かる九相図の全容【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 最近恒例になりつつある解説回、早速やっていきましょう。

 今回はアニメでも登場した呪胎九相図の元ネタ、九相図に関してです。

 

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1.呪胎九相図の各キャラクター紹介

 

 まず呪術廻戦において登場した特級呪物・呪胎九相図1〜3番について紹介します。

 彼らは最悪の呪詛師・加茂憲倫が明治時代に作り出した呪霊と人間のハーフであり、それが呪物化した後に現代で受肉し顕現しました。

 

1-1.脹相

 

 本誌組の中ではもうすっかり癒し系キャラとしての立場を確立したお兄ちゃん、脹相

 ネタキャラとしての色が強くなっていますが、赤血操術を扱うその実力は本物で、一時は虎杖に瀕死の重傷を負わせました

 登場した3人の中では最も強く、また最も人間の原型を保っていました。

 原作最新142話では彼の操る「超新星」が彼のオリジナル技であることが明かされ、脹相が呪物化してからの150年間をどんな思いで過ごしてきたのかを窺い知ることができました。

 

 彼の放った「俺には手本がない。何度も何度も間違える。それでも弟の前を歩き続けなければならん。だから俺は強いんだ」というのは本当にかっこいい名言でしたね。

 

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*2

 

1-2.壊相

 

 めちゃくちゃ先鋭的なファッションセンスをしたキモゴリラ(褒め言葉)、壊相

 使用する術式は「蝕爛腐術」という、分解を司る術式。おまけに奥義である極ノ番も使えるんだから相当強い。

 ただやっぱり裸蝶ネクタイとそのファッションセンスはやばすぎません?

 

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*3

 

1-3.血塗

 

 血塗くん、三兄弟の中では一番人外のフォルムをしています。

 この理由についてはファンブックで「呪物としての力が弱く、器となった人間の面影が残った」と述べられており、口が二つある理由はそれですね。上の口が器になった人間のものです。

 こんな見た目してるくせに意外とコミカルなところがあります。本人に術式が宿っているかは定かではありませんが、彼が吐きかけた血液を元に壊相が蝕爛腐術を発動させていることから、少なからず繋がりはあると考えられます。

 

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2.元ネタとなった九相図の意味

 

 この呪胎九相図ですが、その名の通り仏教絵画の九相図が元ネタとなっています。

 元は屋外に打ち捨てられた死体が朽ちていく経過を九段階に分けて描いたもので、美女も腐って骨になることから仏僧の色欲を断つことが目的とされたようです。

 実在する九相図の中には「小野小町九相図」「檀林皇后九相観」といったものが作られました。冷静に考えて歴史上の美女や皇后の死後の腐敗の様子を描くって正気じゃねぇな。そりゃ仏僧も萎えますわ。

 

 腐敗の段階全てに名前がついており、初期段階から順に

 

  1. 脹相(ちょうそう) - 死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。
  2. 壊相(えそう) - 死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。
  3. 血塗相(けちずそう) - 死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。
  4. 膿爛相(のうらんそう) - 死体自体が腐敗により溶解する。
  5. 青瘀相(しょうおそう) - 死体が青黒くなる。
  6. 噉相(たんそう) - 死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。
  7. 散相(さんそう) - 以上の結果、死体の部位が散乱する。
  8. 骨相(こつそう) - 血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。
  9. 焼相(しょうそう) - 骨が焼かれ灰だけになる。

 

 となっています。壊相の蝕爛腐術はこの「皮膚が破れ壊れ始める」に着想を得た術式だと思われます。また脹相が一番人の原型を留めているのも、これが死んだ直後の人の死体をモチーフにしているからと考えると合点がいきますね。

 血塗以降の兄弟の名前も恐らくこれに則していると考えられ、ジャンプ本誌11号の第138話にて脹相が「俺も焼相達の亡骸を回収したいしな」と述べていることからも兄弟の名前も実際の九相図由来であることが確定しました。

 

 ただ、脹相が「亡骸」と言っており、漫道コバヤシ内での「呪胎九相図の3人は母親が元気なうちに生まれてきたから生きている。残り6体はほぼ死んでいる」という発言があったことからも膿爛以降の九相図は呪物化はしているもののそこに脹相たちのような意識は存在していないと考えていいでしょう。

 

 

 こうしてみると芥見先生は色んなところから着想を得ているんだなぁと感心します。

 ファンブックでの対談で、BLEACHの東仙要の卍解、清虫終式・閻魔蟋蟀にも九相図ネタが使われていることが明かされ、僕もめちゃくちゃ驚きました。

 こういう発見ができるとより一層楽しくなりますねぇ。

 解説記事は調べたりする作業がとても楽しいので、これからも続けていきます。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。 

*1:引用元サイト:

小野小町も死んだらドクロ。彼女の遺体が腐乱していく姿を描いた衝撃的な「九相図」の意味とは? | アート ライフスタイル 日本画・浮世絵 - Japaaan

*2:引用:芥見下々『呪術廻戦』第8巻、集英社、p23

*3:引用:芥見下々『呪術廻戦』第7巻、集英社、p102

*4:引用:芥見下々『呪術廻戦』第7巻、集英社、p88

【感想】第142話_お兄ちゃーーーーーんッ!!【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 毎週恒例のジャンプ感想回、早速やっていきましょう。

 

 

 

1.兄としての脹相、弟としての直哉の対比

 

 もう直哉の登場はこのためだけだったんじゃないかと思うほど鮮やかで綺麗な対比でしたね。

 脹相は長兄として常に後ろを歩く弟たちの手本であり続けようとし、それが彼の矜持でした。

 「兄が道を謝ったなら弟はその道を避ければいい、兄が正道を歩んだのなら弟は後をついてくればいい」はその矜持を体現した台詞であり、彼の信念の強さを感じました。

 初登場のイメージとは一転、完全に優しく強いお兄ちゃんとしてのポジションを確立させてきた。

 

 この「兄としての矜持」、奇しくもBLEACHの主人公・黒崎一護と同じなんですよね。

 彼の物語序盤での名言に「兄貴ってのがどうして先に生まれてくるか知ってるか?後から生まれてくる弟や妹たちを守るためだよ」というのがあります。一護にとっても「兄」というのは弟たちの先に立ち、導くための存在というわけで、それが脹相とも被るというかリフレインしました。

 

 それに対し、直哉というのはどこまでいっても兄という存在を見下しており、「弟よりデキの悪い兄なんか居る意味ないやろ」と侮辱しています。逆に言えばデキがいい兄だったら彼なりに尊敬していたのかなぁとか考えてしまいますが、彼のことですから「なまじデキがいい兄が居ると邪魔やねんな、俺が当主になれへんやん」とか言いそうです。

 

2.お兄ちゃんの意地

 

 投射呪法を駆使する直哉に対して赤血操術を全開にし立ち向かう脹相

 血を煙幕のように展開し、その奥から「苅祓」を飛ばし、それをブラフに「百斂」で血液を圧縮し、超新星を炸裂させて直哉を倒しました。

 

 単行本12巻あたりでは戦闘経験が浅いと言われていましたが、伊達に150年間自分の術式と向き合ってきてないですね、術式を使った搦め手は段違いに上手い。

 直哉はこれを「穿血」だと読んで動いたようですが、「超新星」は彼オリジナルの技なので完全に不意打ち。

 お兄ちゃんの意地を感じさせた一戦でした。

 

3.魔王乙骨、背後からの臨戦

 

 死亡フラグを回避した!!と思ったらその後ろからぬるっと現れた、魔王乙骨

 あなたが片手で引きずってるその彼、体重80キロくらいあるんですけど。

 

 振り返った脹相をワンパンでダウンさせるの、不意打ちとはいえ強すぎません?

 

 登場の仕方も背後から音もなく現れるし、完全に魔王というか闇の雰囲気を纏ってる。

 先週の終わり方が意味深だったので個人的には乙骨は味方じゃないかと思っているんですが、彼の真意が語られるまでは安心できません。

 

 次週がどういう展開になるのかちょっと読めませんね。

 虎杖は死亡か瀕死、直哉は超新星をモロに喰らって(脹相の血液の毒性により)しんどそう、脹相もダウンしているので、この状況で乙骨とまともに戦える戦力はいなさそう。

 

 となると宿儺登場か伏黒現着あたりが物語を動かす上で必要になってくると思うんですがどうなんでしょうか。

 

 

 個人的には「辛そうですね直哉さん」のセリフが、「まぁ僕は辛くなかったですけど」っていう副音声が含まれているような気がしてツボでした。

 

 

 そんなわけで来週を楽しみに待ちましょう。

 

 それでは。

 

 よしなに。

 

【解説】産土神信仰とは何なのか【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 今回は作中でその単語が一度出たきりの設定、「産土神信仰」についての解説回です。

 僕自身調べながらの解説になりますので不十分な箇所もあるとは思いますが、呪術廻戦読者の皆さんに分かりやすく説明できるよう心がけたので温かい目で読んでいってください。

 

0.はじめに〜灰原の命を奪った呪霊〜

 

 作中で登場したのは第9巻のワンシーン。任務から帰投し、傷だらけの七海が級友・灰原の遺体の前で苦虫を噛み潰すように言い洩らすこのコマです。

 

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 これ以降「産土神」という単語は出てきませんし、特におまけページでの説明もありませんでした。唯一あったのは七海の「アレは土地神でした」という発言。

 

 ここで何となくぼんやりと「ああ土地神なのか」といったイメージを持って読み進めた方が多いと思います(僕もそうでした)。

 恐らく『結界師』を読了している方だと「土地神」という単語を難なく理解できると思いますが、そうでなければなんとなく漠然としたイメージのまま、という場合もあるのではないでしょうか。

 

1.産土神とは何なのか

 

 ではそもそもの「産土神」とはなんなのか。

 例の如く勉強の強い味方、wikipedia大先生のお力を借りましょう。

 

産土神は、神道において、その者が生まれた土地の守護神を指す[1]。その者を生まれる前から死んだ後まで守護する神とされており、他所に移住しても一生を通じ守護してくれると信じられている[1]。産土神への信仰を産土信仰という。

産土神 - Wikipedia

 

 生まれた土地に住まう神、つまり土地神のことを神道では「産土神」と呼称するようです。

 ここで大事になってくるのは、地縁、つまり住む土地に基づく縁故関係がこの信仰のベースになっているという点です。

 というのも昔の人々は生まれたとちから動くことはほとんどなく、誰もが生まれた村・地域で一生を過ごすことが当たり前でした。

 その土地で生まれ、育ち、結婚や仕事等のライフステージを同じ土地で過ごす、という過程の中で生まれたのが、「人々の日々の営みを見守ってくれる神様」としての産土神です。

 

 同じ土地・地域で生まれた人々が、共通の信仰対象として祀る神が産土神ということになります。

 これと対になるのが、次項で説明する「氏神」です。

 

2.氏神との違い

 

 この氏神、現代では上述の産土神と同様の意味で用いられ、「今あなたが住んでいる地域を守る神様」のことを指すそうです。

 ただ本来の意味はそうではなく、その名の通り「同じ氏族の守り神」という意味を持つ神様でした。

 これは同じ苗字、つまり親戚等の血縁関係をベースとした信仰のことで、それぞれの氏が祖先を神社に祀ることで神とする。それが「氏神」の本来の意味です。

 

 例えば藤原氏の氏神は春日大社源氏の氏神は八幡神社といった風に、それぞれの氏・血縁を重んじて祀られた神のことですね。

 

 産土神と氏神の違いは、信仰のベースが「土地」であるか「血縁」であるかです。

 昔の庶民は正式に苗字を名乗ることができなかったので、共通の氏というものを信仰の対象にしづらかったという背景があります。従って庶民の間でその土地由来の信仰としての産土神信仰が広まっていった、ということですね。

 

 ただ、近代化していくに従って人々は苗字を持ち、往来もより流動化していきました。その流れで徐々に氏神と産土神の意味するところが混ざり合い、現在ではほぼ同じ意味を持つようになった、ということです。

 

3.呪術廻戦における産土神とは

 

 では翻って呪術廻戦における産土神について考えてみましょう。

 七海が産土神に遭遇したのは作中の時間軸でおよそ2006年頃。この時点で人の往来はとても流動的ですから、これは都市部での話ではなさそうです(都市部では"神様"を共通化したイメージとして持つことが難しいからです)。

 

 であるなら人の移動が少なく、閉鎖的なコミュニティ、田舎部で発生した呪いであると考えるのが正確でしょうか。

 

 田舎における神様、というとイメージがしづらいかもしれませんが、寺社仏閣等の神聖な場所・空間に対する祈りや願いをベースにすれば分かりやすいかもしれません。

 

 例えば豊作を天に祈ったり、子供や家族の健康を願ったり、あるいは伝承としての「〇〇様」を子供たちに伝えたり(『ひぐらしのなく頃に』のオヤシロ様とかですね)。子供を躾けるときに親が「悪い子にしてると○○様が罰与えるよ!」と叱ったりする光景を思い浮かべてください。

 

 閉鎖的な空間における、共通化された"神としてのイメージ"と、それに向けられる"人々の想い"。これが綺麗なものだけならいいでしょうが、誰かに対する恨みであったり自然に対する畏怖であったりした場合、これらの負の感情は転じて呪霊に変化します(特級呪霊・花御と似た成り立ちです)。

 

 こうした流れで生まれるのが、「産土神信仰」としての呪霊なのかなと思われます。

 そこに住む人々のイメージが折り重なって生まれた呪霊なんだからそりゃ強いわっていう。

 一応作中では、「都会と田舎じゃ呪いのレベルが違う」と明言されていますが、それは下級呪霊の話で、こうした土地神クラスの呪霊に関しては別なのだと思われます。

 

 

 現時点での情報から推察できるのはこの辺りまででしょうか。

 呪術廻戦には私たちには聞き馴染みのない単語がちょくちょく登場しますから、これからもこうして解説記事等を書いていこうと思います。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』第9巻、集英社、p141

【感想】第22話_おどろおどろしく新章突入【呪術廻戦アニメ】

 ども、けろです。

 週末恒例の呪術廻戦アニメ感想回、早速やっていきましょう。

 

1.一年生ズ、仲良く任務へ

 

 虎杖伏黒釘崎の3人が仲良く車に乗っているシーン、とても好きです。

 掛け合いが平和的だし、基本的に重たい雰囲気を纏っている呪術廻戦の中で数少ないほっこりシーンなので。

 

 個人的にこのシーン、初期の少年院編を彷彿としました。

 あの任務も一年生3人での合同任務でした。その任務で虎杖は一度命を落としてしまうわけですが、そこから身も心も強くなった3人がまた同じように任務へ赴くというのは、少年漫画的でとても熱いなぁと。

 

2.ホラーテイスト強めのエピソード

 

 エピソードの中心は、呪殺された青年たちの死因の解明

 異なる場所で同様の死に方をした3人の青年の共通の知り合いを訪ねようと、補助監督の新田ちゃんと遠征した虎杖たちでしたが、運悪くその知り合いも既に呪殺された後でした。

 

 ここで登場したのが八十八橋という、その地域では有名な心霊スポット

 自殺の名所と言われるこの橋でバンジージャンプをするという度胸試しの存在を知り、犠牲者4人がその昔この橋に出向いていたことを用務員から聞く虎杖たち。

 

 ここまでの話の流れと設定が、めちゃくちゃホラーテイストに仕上がっていて個人的にめちゃくちゃ好きです。元々呪術廻戦は呪いや呪術といったオカルトっぽさをベースにしている作品なので当たり前と言えば当たり前ですが、心霊スポットやそれにまつわる逸話なんかが出てくると、一気にテイストが強まりますね。

 

 おまけに伏黒の姉・津美紀もこの心霊スポットに肝試しにいったことが明らかになり、これまで落ち着いていた伏黒に焦燥感が走るところも、オカルト話を静観していたはずが気づいたら自分も巻き込まれていたという、滲みよる恐怖感を演出していて好きです。

 

3.血塗が思ったよりキショい

 

 所定の手順を踏んで八十八橋に踏み込んだ3人の前に、呪いの正体である呪霊が登場。

 それと同じくして乱入してきたのが、今回冒頭で真人によって受肉した特級呪物・血塗

 ジャンプ本誌の方でキービジュアルは公開されていましたが、こうして着色されて動きがつき、声が充てられるとそのキモさが際立ちますね。

 声優は「名探偵コナン」で工藤新一役や「ONE PIECE」でウソップ、「DEATH NOTE」でLを演じている山口勝平さん。ちょっとコミカルで砕けた演技が血塗の不気味さをより演出しています。

 

 本来の任務である呪殺の元凶の呪いを払うことに加え、突如乱入してきた血塗との乱戦に巻き込まれる……というところで今週は終わり。

 

 

 いやー、めちゃくちゃいい引きで終わりましたね。

 次回予告で挟まれた虎杖と釘崎のカット、それに血だらけの伏黒

 原作勢からしてみれば来週は垂涎モノの回になることが確定していますから、MAPPAの作画力であのシーンがどう映像化するのか、今からとても楽しみです。

 

 

 また来週、きっとクソデカ感情を爆発させているでしょうから、その時にでも。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

【解説】これで分かる「反転術式」と「術式反転」【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 

 さて、時折挟む解説シリーズ、今回はアニメ勢や原作初見勢にとって特に難解な「反転術式」「術式反転」について取り扱います。 なるべく分かりやすく説明していきます。

 

 

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 このちょっとイカれた目してる五条めちゃくちゃ好き。

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

 

追記(2022/02/25):本記事更新から約1年が経ち、新たな情報も増えてきましたのでアップデート記事を書きました。こちらの方が包括的な内容になっていますのでよければどうぞ。

 

0.はじめに〜呪力の基本のキ〜

 ではまず、呪術廻戦の世界における基本を復習します。

 術師、呪霊、そのどちらもが戦闘の際に使用する基本となるエネルギー、それが「呪力」です。 エネルギーですから、電気のようなものだと思ってください。

 

 個人的には「呪力」=「電気」とするのも分かりやすいですが、その前段階としての「発電の仕方」も念頭においていただけるとより理解が進むかと思います。要するに、「どのようにしてどの電気を生み出すのか」という点が、本解説において重要になってきます。

 

 この「呪力」は怒りや恥辱、怨嗟や憎悪といった負の感情をベースに増幅されたもので、エネルギーの性質としては「負」ということになります。

 「負のエネルギー」としての呪力を肉体に刻まれた「生得術式」に流し込むことで各々の術式が発動し、呪術戦というのが可能になるわけです。

 

 「負の感情」を元に「タービン」を回し、それによって生まれた「電気(=呪力)」を「家電(=生得術式)」に流すことで術式が発動する、という流れを頭の片隅に置いておいてください。

 

1.「反転術式」とは〜反転させる術〜

 ですがこの「呪力」というのは「負のエネルギー」ですので、肉体を治すということはできません。

 何故か軽く考えてみたんですが、やはりモノを生み出す」ということが正の性質を持った行動・現象だからとしか言いようがありません。

 定規で考えると分かりやすいですね。ゼロを起点に正の方向が生産、負の方向が破壊です。

 

 「反転術式」というのは本来マイナスである呪力をプラスのエネルギーに変換することを指します。

 といってもこれは原作で解説されていたので前述の「発電機」を例に出すと、本来回転させる方向とは逆方向にタービンを回して発電する、ということです(まぁ現実ではタービンを逆回転させたからといって別質の電力が生まれたりはしませんが……)。

 

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 本来の方向に回転させると生まれるのが呪力(負のエネルギー)であるのに対し、逆回転させることによって生まれるのが正の力になり、これを作中では「反転術式」と呼ぶわけです。

 

 作中ではこのことを「負の力同士を掛け合わせて正の力を生む」と説明されていましたが、上記の解釈の方が理解の程度としては分かりやすいかなと思います。

 

 風力発電であれば風=感情、それによって生まれる電気が呪力です。

 

 ここでよくある間違いが、「反転術式」は名前に「術式」とありますが生得術式の類ではなく、どちらかというと呪力操作の応用・派生です。

 見出しにもある通り便宜上「(呪力を)反転させる術」としました。漢字の修飾関係の読み解きですね。

 

 この「反転術式」によって初めて可能となるのが、「肉体の治癒」です。正のエネルギーを肉体に流すことで、傷ついた部位を活性化・再生させることができるわけですね。

 当然ですが反転術式を扱えることが治癒の前提条件になりますから、高度な技術が要求されます。

 

2.「術式反転」とは〜術の反転〜

 ではこれとよく似た響きを持つ「術式反転」とは何でしょうか。

 先ほど僕は「感情をベースにタービンを回し、それによって電力を発生させる一連の流れが「呪力出力」である」としました。

 

 反転術式はこのタービンを逆回転させることによって正の性質を持ったエネルギーを生み出します。これを肉体に刻まれた生得術式、つまり家電に流し込むとどうなるか。

 

 文字通り、術式の効果が反転します。

 家電に例えてしまうとやや分かりづらいですが、掃除機を例に考えてみましょう。

 

 掃除機(術式)は「電気(呪力)」を流すことで「吸い込む」という術式効果を発揮します。ここではモーターとかファンとかそういう機構のことは忘れてください。

 ではこの術式に対して、真逆の効果を齎す「正の力」を流し込んで術式の効果を反転させると、「吐き出す」という効果になるわけです。

 

 灼熱になる冷蔵庫空気を汚す空気清浄機キンキンに冷えるコタツ、そんな感じです。

 

 要するに本来その家電が持っていた効果と真逆の効果になるとだけ思っていただければ問題ないでしょう。

 つまり文字通り「術式を反転させる」というわけですね。

 

 作中最強・五条悟の術式「無下限呪術」は本来であれば「吸い寄せる力(術式順転・蒼)」ですが、これを正の力によって反転させることで「弾く力(術式反転・赫)」となるわけです。

 詳しくは下の記事で解説しています。

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

 

3.使用可能キャラクター

 そんな便利な「反転術式」と「術式反転」ですが、誰でも使えるものではありません。そもそもベースとなる「反転術式」がべらぼうに高度な技術を必要とするため、作中で使用できるものはごく数名です。

 

 ・家入硝子

 ・五条悟

 ・裏梅

 ・両面宿儺

 ・偽夏油

 ・乙骨憂太

 

 作中・ファンブック等で明らかになっている、反転術式が使用可能なキャラクターは現時点(単行本15巻)で上記の6名のみです。味方陣営に限って言えばわずか3名。

 しかも反転術式を用いて「他人の治癒」が可能なのは家入、乙骨、宿儺の3名に絞られますから、どれほど貴重な人材かがみてとれます。

 

 ちなみに高専医の家入さんは派手な怪我した術師が軒並み彼女の元に担ぎ込まれてくることから中々ハードな毎日を送っているそうです(ファンブック情報)。

 

 

 

 今回の解説は以上となります。

 単語が似ているので作中でもかなりややこしく、それこそアニメで数度登場しただけだと分かりづらいと思います。

 

 この記事が少しでも参考になれば嬉しい限りです。

 

 そういえば最近質問箱を始めてみたので、「こんな記事が読みたい」「あのキャラの解説してほしい」「あの設定って結局何なの?」等があれば気軽にぽいぽいっと投げてもらえると泣いて喜びます。

 http:// https://peing.net/ja/jinmen_kaeru

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

 

*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』第9巻、集英社、p76

【解説】これで分かるキャラクター紹介_伏黒甚爾【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 そういえばこのブログ、ジャンプ最新号の感想やらニッチかつコアな考察記事をダラダラと書いていましたが、幸運なことに色々な方が読者になってくださったりPVがいい感じに安定してきたりと、開設1ヶ月くらいの伸びとしては個人的にめちゃくちゃ嬉しいです。

 そもそも飽き性かつ三日坊主癖のある僕がここまで一つのことを続けられたこと自体驚きなので、これからもゆるく続けていきます。

 

 というわけで今回から不定期でやっていきます、キャラクター解説記事です。

 これを読めば本編読む時にも捗るぞ!という、キャラクターの全容を浅く広くきちんと取り上げようかなと。まぁただキャラクター像を箇条書きにしてもWikipediaと同じなので、僕の感想とかも交えてやっていきます。

 

 といっても作中でまだ底が知れないキャラを取り上げても後々追記が必要だったりするので、対象は選びながらやっていこうと思います。

 

 前置きが長くなりましたが、初回は原作勢みんな大好き、パパ黒こと伏黒(禪院)甚爾です!

 

 以下目次です。

 

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1.プロフィール

 伏黒甚爾。旧姓禪院甚爾。

 誕生日は12月31日(BLEACH浦原喜助と同じですね)。

 趣味・特技はギャンブルらしいですが、作中で競馬をしている時に「お前が勝ってるところ見たことねぇよ」と言われているのでどう考えても「特技」ではない……。

 

 好きな食べ物は肉とモツらしく、まぁそうだろうなと。あのガタイでベジタリアンだったらだいぶ面白いし、家族でBBQとか焼肉行ったら骨つき肉にかぶりついてそう。

 

 逆に苦手なのは酒。理由が全く酔わないかららしいですけど、むしろザルだったら飲み会とか長く楽しめそうだから好きになりそうですよね。と考えると彼が酒を嫌いなのは味とか体質とかではなく、周囲が酔って楽しそうにしているのに自分はシラフなのが嫌、とかなのかなと。かわいい。

 

2.人柄

2-1.家系

 彼は呪術界御三家の一角、禪院家の出身です。高専勢だと真希や真依と同じ家系ですね。

 禪院家は御三家の中でも現時点での登場人物がかなり多い上になかなか旧態依然とした価値観を内包している一族なので、その点でも彼の旧姓が禪院だと分かった時は衝撃でした。

 

2-2.血縁関係

 禪院家に関する家系図は以前まとめたものがあるのでそちらを再掲します。

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 愛称がパパ黒ということもあり、彼は伏黒恵の父です。

 加えて父が現当主の直毘人の兄であることがファンブックで明かされ、原作での描写と整合すると彼は真希・真依の従兄弟でもあります。だいぶ歳は離れてますが。

 ただ彼女たちと甚爾に面識はないです。

 

3.術式と使用呪具

3-1.術式

 ありません。彼は天与呪縛によって先天的に一切の呪力を持たない代わりにフィジカルギフテッドを得たという特殊な生い立ちです。

 真希は一般人並みの呪力の代わりに人間離れした身体能力を獲得しましたが、甚爾はその比ではありません。

 呪力の一切を捨て去ったにも関わらず、彼は五感で呪霊を知覚することができた他、呪いへの耐性も獲得しました。

 

 加えて目にも止まらぬ速さで動くことができ(術式なしの単純な走力で、です)、死角からの不意打ちを見てから反応することが可能であり、当たり前のように水面を走って牙突を放ちます。どう考えてもゴリラ。

3-2.使用呪具

 作中で彼が使用した武器は主に4つ。

3-2-1.推定5億円の刀

 これは過去編にて乱入し、夏油が放った呪霊に喰われた際、呪霊の体を切り裂くために使用した呪具です。正式名称は不明、等級も不明。

 ただおまけページで価格にして5億円であることが明かされており、後述の游雲が同等の値段であることからこれもまた特級相当の呪具なのではと推察できます。

3-2-2.特級呪具・天逆鉾

 六眼+無下限呪術という、当時で既にチート性能だった五条悟の喉を裂き、致命傷を与えた特級呪具。

 付与された効果は、発動中の術式の強制解除。流石にチートすぎるので何かしらのデメリットもあるだろうとは思います。例えば刃だけではなく呪具全体に術式効果が付与されている(=呪具の使用者も術式が使えなくなる)とか。

 元ネタは日本の中世神話から。

ja.wikipedia.org

3-2-3.万里ノ鎖

 等級は不明。ただし、片方の端を観測されなければ無限に伸び続けるという不思議な効果が付与されている。

 作中ではこれに前述の天逆鉾を組み合わせることで、本来であれば近距離限定である天逆鉾のリーチを伸ばしていました。彼の長所は近距離での圧倒的ゴリラ戦闘ですから、分の悪い遠距離からの術式攻撃をこれによって無効化しています。ハイセンスゴリラ。

3-2-4.特級呪具・游雲

 渋谷事変にてオガミ婆の降霊術により転生し、特級呪霊・陀艮との戦闘の際使用。

 術式効果は付与されておらず、その代わりに純粋な力の塊。故に使用者の膂力によりそのポテンシャルは如何様にも変化するようで、甚爾が使った際は作中で最も高い火力を発揮していました。

 

 

 加えて甚爾はこれらの呪具を体内に格納できる呪霊を飼っており、そこから無数の呪具を出し入れして戦うという戦闘スタイルを確立させているので、戦闘面のスキルはかなり高い上、初手でその手の内が分からないというやりにくさもあります。

 そこら辺の術師ならステゴロで、呪霊であってもこれらの呪具を合わせればかなり有利に戦えるので、間違いなく作中最強クラスの戦闘力です。

 

4.生涯

 彼は禪院家に生まれたものの、術式はおろか呪力の一切を宿していなかったために不遇の幼少期を過ごしました。

 ファンブックによると「ちっちゃな頃から呪霊の群れの中にぽーいっとか」されていたようで、口元の傷はその際についたそうです。

 結果的にグレてしまい、家を飛び出た後に伏黒姓の女性(名前不明)と結婚。恵が生まれます。これが作中の時間軸でおよそ18〜20年ほど前。

 ただ、その妻が亡くなった後はヒモとして女性の元を転々とする生活を続けており、「術師殺し」の異名を冠するまでに至ります。

 個人的には妻が亡くなった後も「伏黒甚爾」を名乗り続けているのが(禪院家へのヘイトもあるでしょうが)亡き妻への愛情を感じさせますね。

 

 作中時間軸で12年前の懐玉編(通称五条過去編)にて星漿体暗殺に関与。特級術師五条悟・夏油傑の2名に瀕死の重傷を負わせた他、星漿体天内理子を殺害。

 しかし死の間際に反転術式に目覚め、覚醒した五条と再度対峙。彼の虚式「茈」によって死亡しました。

 

 その後現代の渋谷事変にて、降霊術師のオガミ婆の手によって現世に再臨しました。

 この時点ではオガミ婆は「肉体の情報のみ」を降ろしていたはずでしたが、特別製の甚爾の肉体は彼の魂までもを降ろしてしまいました。本来ならオガミ婆の降霊術は宿主の呪力が切れれば効果が終わるはずなんですが、そもそも甚爾の肉体に呪力はゼロな上、彼がオガミ婆を殺してしまったことで降霊術は解除の機会を失います。

 

 恵・直毘人・七海・真希らが特級呪霊・陀艮に苦戦を強いられている中、恵が領域に開けた穴から乱入。真希の游雲を奪って陀艮戦に参戦し、圧倒的な力で翻弄、陀艮を即殺しました。

 

 その後は恵と対峙した際に自我が戻り、恵の苗字が伏黒であることに安堵し、頭に游雲を刺して自決しました。

 降霊後の彼はファンブックによると「甚爾の情報を持った何かであり、生き返りではない」と言われているので彼の生涯の流れに含めるかは迷いましたが、便宜上含ませてもらいました。

 

5.作中での戦績

 vs五条(初戦)、○。

 vs夏油、○。

 vs黒井(星漿体天内の付き人)、○(戦闘描写なし)。

 vs五条(二戦目)、●

 vsオガミ婆(?)、○

 vs陀艮、○

 

 こうしてみるとまじで強い……ほぼ負けてない。というか五条は特異点なので、実質無敗ということになります。

 

 

 いかがでしたでしょうか。初回ということもあって文量の加減等ができずについつい書きすぎてしまった気もしますが、キャラクター解説ですしこれくらい書いてもいい気がします。

 不定期更新なのでまた思いついた時にでもやっていこうと思います。

 

 彼の詳細なプロフィールや作者によるQ&Aはファンブックに掲載されていますので、気になる方は是非!過去編での活躍も必見ですよ。

 

 それではまた。

 よしなに。

 

*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』第8巻、集英社、p109

【考察】偽夏油・羂索と天元様の対比_第4回【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 今日は久しぶりの天元回です。

 

 個人的には天元様関係は謎と闇が多くて大好きなんですよね。

 作中でどこまでその真相について触れられるのかは分かりませんが、僕としてはいつかそれが明かされるのを楽しみに待ってます。というか多分BLEACH好きな方とかはまじでこれを心待ちにしている気がします。

 

 というわけで早速やっていきましょう。考察と銘打ってますが、どちらかというと作中設定の整理と、それに伴う対比関係の記述になります。

 

 以下目次です。

 

0.はじめに〜これまでの考察記事の整理〜

 

 このブログでは過去に何度か天元様について取り上げてます。

 僕は特にその正体についてかなり懐疑的で、「呪物化した人間では」とか「既に死んでいる」とかかなり好き放題書いてきました。ヘタな鉄砲数打ちゃなんとやらの精神……というわけでもないですが、個人的にいい線いってそうなのもあるので当たってほしいなと思っていたりもします。 

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

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1.天元様の術式〜「不死」をもたらす力〜

 

 まず作中で未だに謎の多い存在、天元様に関してです。

 作中でのその設定が語られたのは単行本8巻でした。

 ・「不死」の術式を持っていること

 ・不老ではなく、一定の老化を終えると術式が肉体を作り替え、より高次の存在へと変化すること

 ・高専主要結界、補助監督の結界術の底上げを行っていること

 これらが現在判明している天元関係の主な設定です。

 

 重要なのは、天元の術式は不死であって不老ではない」という点です。生きた人間にせよ何かしら裏があるにせよ、とりあえずこの設定は事実として捉えていいと思います。

 

 これが術式の主効果なのか、あるいは別の術式・"縛り"等によってもたらされた副次効果なのかは分かりませんが、少なくとも天元は「老化する存在」ということですね。

 

2.偽夏油・羂索の術式〜「不老」となる謎の力〜

 

 では次に、未だ謎多き男、偽夏油・羂索です。

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*1

 

 彼もその正体については未だに多くが謎のままですが、作中の描写からおよそ1000年以上前から生きている人物であることが判明しています。宿儺や裏梅と同時代ですね。

 

 そして彼の術式は、「脳を入れ替えることで肉体を転々とする」ものです。彼はその術式によって加茂憲倫の肉体を乗っ取ったり、(恐らくですが)虎杖悠仁の父親の肉体に宿ったりしていました。

 これだけを見ると肉体ジャンプ系アンパンマンのようなイメージですが、彼の術式をきちんと紐解くとそれが実質「不老ではあるが、不死ではない」ということが分かります。

 

 というのも彼は肉体を転々とすることで1000年以上生きており、彼自身の脳が老衰等で死ぬことはないようです。つまり、器とした肉体が病気や事故、寿命等で死を迎える前に手頃な肉体に乗り移れさえすれば、彼は老いることなく永い時間を生きることができるわけです。ただやはり、転移前にその肉体を脳ごとすり潰してしまえば殺すことはできそうですから、そういう意味で不死ではありませんね。

 

3.対比から見る今後の展開予想

 

 不死ではあるが不老ではない天元と、不老ではあるが不死ではない羂索、対比としてとても面白いですね。

 加えて天元が高専地下の薨星宮から出ることのできない、置物や樹木に近い存在であるのに対し、偽夏油は自らの意思で世の中を渡り歩き、世界の変革を目論んでいます。

 世界の形をあるがままに留めようとする、静止した天元と、世界の在り方を疑い、その変革のために1000年間も動き続けた羂索。

 偶然の一致かもしれませんが、こうして比べてみると見事な対比関係になっています。

 

 今後、天元がどの程度物語の本筋に関わってくるのかは定かではありませんが、少なくとも九十九が「いい加減天元と向き合わないとね」と言っていることからも、天元に関する描写・エピソードは今後何かしらの形で登場すると思われます。

 

 であるなら、そこに羂索が関わってこないはずがありません。

 天元も羂索も、どちらも1000年以上前の人物ですから、この2人が対峙する瞬間というのが訪れるのではないか、と個人的には予想しています。

 

 もし仮に偽夏油・羂索が何かしらの手法で天元を取り込むことに成功したら、かなり面白いですね。不死の術式を取り込んだ不老の存在に昇華するわけですから(もっとも肉体を乗り換えた後も天元の術式が宿っていないと意味がありませんが、天元の術式は星漿体を取り込んで肉体の情報を書き換えた後も継続していますから、可能性としては充分にあり得そうです)。

 

 

 個人的には宿儺の目的とか乙骨の術式とかに並ぶレベルで気になっている天元と偽夏油・羂索ですが、今後も目が離せなさそう。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社、第11巻、p44