けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第171話『東京第1結界⑪』|伏黒vsレジィ、我慢比べ対決!【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 年末年始特有の合併号ラッシュが落ち着き、二週間ぶりのジャンプ、本当に楽しみでした。

 

 特に前回は伏黒が作中三度目となる領域展開「嵌合暗翳庭」を披露したところで終わっていたので、続きが気になって気になって夜しか眠れませんでした。

 

 というわけでやっていきましょう、呪術廻戦感想回です。

 

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1.レジィの奥義「彌虚葛籠」がとにかく分かりづらい

 

 領域展開「嵌合暗翳庭」を繰り出した伏黒に対し、レジィは領域展開の必中効果から自分の身を守るために奥義「彌虚葛籠」を発動。

 どうやらこれは作中で何度も登場しているシン・陰流「簡易領域」の原型であり、領域を中和して必中効果を打ち消す性能を持った技のようです。

 「簡易領域」の性能に関しては以前渋谷事変にて特級特定疾病呪霊「疱瘡神」と対峙した際に憂憂が使用していましたね。相手の領域に干渉し、その必中効果を受けなくするものです。

 

 さて、今回はこの「彌虚葛籠(簡易領域)」「領域展延」の違いがとにかく難解な回でした。同じ「領域」という言葉が使われているのに別の能力というのが、「反転術式」「術式反転」の難解さに似たものを感じます。

 作中の文言をそのまま引用します。ぜひ声に出して読んでください。

 

渋谷で漏瑚や花御が見せた「展延」は必中必殺の術式を搭載できるだけの領域に、あえて術式を付与しないことで容量を空け、五条の術式を流し込ませ無下限を中和した。

「彌虚葛籠」や「簡易領域」は術式そのものを中和することはできない。

これらは術式の付与された結界を中和することで付与された術式の必中効果を無効化している。

 

 

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 恐らくほぼ全員が初見でこの顔になったと思います。少なくとも僕は5回読み返してもこの顔でした。

 特に難解なのが「必中必殺の術式を搭載できるだけの領域にあえて術式を付与しないことで〜」のくだりです。領域の「容量」って何?????といった感じ。

 

 しかもここでの「簡易領域」の説明が地味に10巻での羂索の説明と矛盾してしまっているので余計に混乱しています。

 一応羂索の説明は置いておいて、今回提示された情報だけで整理して考えましょう。

 

 彌虚葛籠・簡易領域:術式の付与された結界を中和。「術式の必中効果」を無効化

 領域展延:相手の術式を自分の領域に流し込ませることで「術式そのもの」を中和

 

 それぞれ対象にしているものが「術式の必中効果」なのか「術式そのもの」なのかで異なっています。

 「術式の必中効果」というのは要するに「どこにいようと術式が絶対に当たる」ということで、真人の領域展開「自閉円頓裹」が分かりやすいかと思います。あれは領域の中に引き込まれた瞬間に真人の術式「無為転変」が必中し、勝負が決まるというものです。それを無効化する、というのは「領域に引き込まれても真人に直接触れられなければ問題ない」と考えていいでしょう。

 

 また、その名前が「"簡易"領域」であることを考えるとより分かりやすいですね。

 渋谷事変で伏黒は特級呪霊・陀艮の領域と「領域の綱引き」を行なっていました。この間領域の必中効果は中和されており、この点を踏まえると「簡易領域」もまた「領域展開」と同じ性質を持った"結界術"と考えることができます。

 

 反対に「領域展延」は、術式そのものを中和するものです。

 この説明に「容量」という単語が使われていたのでそれに倣うと、恐らく「領域」というのは大きな「ハコ」であり、その中に必中・必殺効果を詰め込むことで一つの「領域展開」を完成させている、と言えます。

 

 「領域」「水槽」「必中・必殺効果」「水」と置き換えて考えると非常に分かりやすいかなと思います。

 

 つまり「領域展延」は「水の入った水槽」から敢えて「水(=術式)」を抜くことで「自分と相手の間に"相手の術式の受け皿"」を作り出している、ということです。

 分かりづらいですが、相手→→(受け皿)→自分といった感じで、自分に触れるために相手はまず「受け皿」である「水槽(=領域)」を自分の「水(=術式)」で満たす必要があるわけです。

 

 これ本当に難解ですよ……僕のこの解釈も合っている保障はありませんし、何より「簡易領域」に関しては10巻で「"領域"はあらゆる術式を中和する」と明言されてしまっている関係上小さな矛盾が生じているので、その点も踏まえるともう本当にギブアップです。きっと単行本で修正されていると思うので、それまでは見なかったことにしますね……

 

 レジィの「彌虚葛籠」は「簡易領域」と同じ性質のものなので、領域の必中効果を無効にするものですね。

 

2.「未完成」だからこその立ち回り

 

 ただ、伏黒の領域は未完成。

 体育館の空間を転用することで無理矢理閉ざすことに成功はしたものの、そこに必中効果は付与されていません。

 そう考えると「領域展開」って①結界術によって外界から閉ざされた空間を作る、②そこに必中効果を付与する、の2つを行う必要がある超高等技術ですね。

 

 レジィは真っ先に「術式の必中」を警戒して「彌虚葛籠」を発動しましたが、伏黒の領域に必中効果は付与されておらず、伏黒の攻撃を受けてしまいます。

 

 そこからは反転攻勢、一気に伏黒のターンです。

 影で自分自身の分身を作り出し、ボッコボコに殴っていきます。

 ここの容赦の無さ、マジで清々しくて最高です。本当に一切の情けがないのが表情と行動に表れていますね。

 

3.十種影法術の弱点

 

 ただ、そんなレジィも反撃。

 手持ちのレシートから3台の車を出現させたレジィは、伏黒の武具ストックが少ないことに着目し、「影にものを格納するのは何かしら制限があるのではないか」という仮説を立てます。

 

 レジィの立てた仮説は「キャパが少なくて自分一人分の空きを常に確保しておく必要がある」「影に格納した物の"重さ"を自身で引き受けなきゃいけない」の二つでしたが、後者が見事に当たっており、3台分の車を飲み込んだ伏黒は計2.4tの重さをその身で引き受けることになります。

 もちろん肉体そのものは呪力で強化しているとは思いますが、体重60キロ前後の人間がいきなり体重2.4tになったら身動き取れなくなりますよそりゃ。

 

 この原理に関してはシンプルに「質量保存の法則」で説明がつきそうですね。

 影に格納した物は消えてなくなるわけではなく「影の中」に移動しただけなので、そこに「重量」がある、というのは納得できる論理です。

 

4.久しぶりの我慢対決

 

 そんな伏黒が講じた手は、「相手にも大質量をぶつけてどちらが先に潰れるかの我慢比べをふっかける」でした。

 

 狂ってるんか??????

 

 普通いきなり自分の重量が何十倍にも跳ね上がり、このまま領域を解かなければ自分が自重で潰されることがわかっているような状況下だったら真っ先にするのは「領域を解く」なんですよ。だって死ぬので。

 なのに伏黒はそんなこと考えもせず、レジィの頭上から満象を叩きつけ、「どっちが先に潰れるかチキンレース」を開幕しました。

 

 

 イカれてる奴しかおらんのか????

 

 「我慢比べ」と聞くと呪術廻戦読者はかつての八十八橋での釘崎の戦い方を思い出しますね。あの時も釘崎は致死性の術式を食らっており、そんな中で相手も同じような状況に引き摺り込む、というイカれメンタルっぷりを披露していました。

 そんな釘崎のぶっ壊れ方を彷彿とさせる伏黒のこの戦法、五条が以前口にした「"死んで勝つ"と"死んでも勝つ"は全然違うよ」を全然踏まえてない……「死んでも勝つ」って絶対そういうことじゃない……

 

 

 おそらく状況的には次回あたりでレジィ戦に決着がつきそうですね。

 その後は死滅回游がどんな展開に転んでいくのか、今からめちゃくちゃ楽しみです。

 

 

 それではまた。

 

 

 よしなに。