けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第308話_デクの圧倒的成長【僕のヒーローアカデミア】

Hatena

 ども、けろです。

 前回、因縁の再会を果たしたデクとマスキュラー。林間合宿ではデクの辛勝に終わったこの対決が今週号でどうなるのか、ワクワクしながら待っていました。何せ先週は休載だったので。

 

 というわけで少し時間が経ってしまいましたがやっていきましょう、ヒロアカ感想回です。

 

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1.再会の愉悦に浸るマスキュラー、冷静なデク

 

 元々戦闘狂な側面があったマスキュラーですが、デクとの一戦を経て凡夫との戦いに愉悦を感じなくなっていたようです。

 だから闖入者の正体がデクであるとわかった瞬間、やけに饒舌になって喋り始めたんですね。

 

 あれこれと策を弄したり思案に耽るタイプの敵キャラも知的で魅力あるのでめちゃくちゃ好きなんですが、こういう単純かつ分かりやすい動機で動くキャラもいいですよね。本能に従順って感じがして。

 

 それが「違うんだ、勘違いすんなよ?復讐だとかの立派な話じゃねぇんだ」という台詞に現れてる。彼はどこまでいっても破壊者で、良い意味で最前線で暴れることを優先するタイプの戦闘狂なんだなぁと。"個性"もお誂え向きに「筋力増強」ですし、シンプルなキャラクターにシンプルな"個性"というのがやっぱり魅力的です。

 

 

 それに対するデクはどうかというと、こちらは至って冷静。負傷した真堂を傑物学園の中瓶に託し、距離を取る。

 まぁ以前のデクとマスキュラーの一戦を考えればこの対応は妥当だなと。デクは確かに勝利を収めましたが、それは幸運の結果そうなっただけであって、デクが「実力」で勝利したかといえばそれは少し違う気がするからです。

 自分をボロボロに追い込んだ相手に対し、冷静に対処するというのは戦闘においてめちゃくちゃ大事。分析家のデクなら尚更。

 

2.意外とフランクな6代目

 

 6代目の"個性"である「煙幕」を使ってマスキュラーを撹乱するデクに対し、脳内で語りかけてくる6代目。

 意外とフランクに"個性"の使い方を指導してくれたり、ちょっと厳しめな言い方をしつつも親切心があったりと、結構良い感じの距離感のキャラクターです。

 

 個人的には一人称が「俺」だったのが少し意外でしたが、彼の説明はすごく的確で、かつてグラントリノがデクに個性の使い方のヒントを授けてくれた時を思い出しました。

 

 デクは生来無個性だったということもあって、どうも"個性"というものを特別視、あるいは過度に尊重している側面があります。それが顕著だったのが「フルカウル」を覚える前の戦い方ですね。

 

 「君は"個性"を尊重しすぎている。道具だと考えよう!これらの道具で攻略の筋を組み立てるんだ」という6代目の言葉はまさに的確だなぁと。

 例えば「黒鞭」はそれ単体では効果を発揮しにくいですが、対人戦での拘束や、移動の補助には持ってこいだし、「浮遊」も使い方によっては回避行動や移動といった補助に生きてきます。

 

 ワン・フォー・オール先代者の"個性"はそれ自体に高い戦闘能力があるというわけではなくて、ワン・フォー・オールによる近距離戦のサポートとして使うものなので、分析肌のデクには結構合っているんじゃ?と感じました。

 

3.破壊の理由を問うデク

 

 マスキュラーと対面し、何故破壊をするのかと問うデク。

 「他に道はなかったのか」と問いかけるその言葉には、デクなりの温情めいたものがあるのかなぁと。温情というと情けのように捉えられるかもですが、死柄木を"救ける"と考えているデクにとって、「敵はなぜ敵として行動するようになったのか」という根幹の動機・背景を知ることは重要な過程なのだろうなと。

 

 犯罪者が犯罪に走るきっかけを知ったからといって、必ずしも彼らが犯してきた罪が軽くなるわけではないですし、そこを履き違えてはいけませんが、それでもデクは「知ろうとした」。

 

 むしろ、きちんと戦うために知りたかった、といった方が良いかもしれませんね。

 

 相手が犯罪者であったとしても思慮深く向き合う姿、デクっぽさ全開でとても好きです。

 

4.因縁の対決、圧巻の決着

 

 前回から幕を開けたvsマスキュラー二戦目は、今週であっけなく決着しました。

 マスキュラーの「筋力増強」の隙を見破り、その隙に全力を叩き込んだデク。林間合宿からめちゃくちゃ成長している……

 

 このデクが腕を使えている理由とか、現時点でデクがワン・フォー・オールを何%まで引き出せるのかとか、気になる点は色々ありますが、再戦を長引かせずにスパッと終わらせたのは良いなと思いました。

 

 過去に辛勝を収めた相手を圧倒する展開、主人公の強さを披露する上ではこの上ない舞台装置ですし、ボロボロになった過去があるからこそのカタルシスも生まれる。最高。

 

 

 さて、死柄木の行方を知りたがっているデクですが、今後どう動くんでしょうか。

 個人的には雄英高校のみんなと合流してほしいなぁと思いつつ、それはもう少し先になるんだろうなぁという思いもあるので複雑な心境です。

 

 というかこれが終章だという現実をいまだに受け入れられません。

 

 

 ヒロアカの物語が終わりに向かいつつあると思うと寂しさが込み上げてきますが、グッと堪えて今後の展開を楽しみに待ちましょう。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。