どうも、けろです。
呪術廻戦が実はもう展開的に折り返しに入っていることに衝撃を受け、かつ現時点(2021/03/02)でまだ14巻ということに更にびっくり仰天(死語)しています。
さて、そんなわけで今回はタイトルにある通り作中で未だに登場していない呪術高専3年、秤についてちょっと考えていこうと思います。
といっても情報が極めて少ないので、考察というよりほぼ妄想に近い内容です。悪しからず。
以下目次です。
1.秤って誰だっけ
そもそも秤という人物について、開示されている情報があまりに少なく、特にアニメ勢の方とかは馴染みがないと思います。
作中でその姿が描かれ、かつ名前が登場したのはこの一コマだけでした。やや不良系というか、少しアウトローっぽい横顔に、五条のモノローグ。
「彼らは僕に並ぶ術師になる」と、最強の術師である五条悟に言わしめる時点で相当な実力者であることは伺えます。特に同列に挙げられている乙骨は、最新140話でその規格外の強さが明らかになりました。
乙骨は五条と同じく特級術師なのでそれも納得ですが、作中で特級術師は五条、夏油、九十九、乙骨の4人しか存在していません。
であるなら秤の等級は1級相当ですが、同じ1級だと東堂や七海がいます。彼らが弱いということは全くありませんが、五条と並ぶかと言われると難しいですね。
そう考えると、秤の強さは恐らくその術式と戦い方に由来する可能性が高いわけです。
2.『漫道コバヤシ』内の発言
さて、秤の術式を考察するにあたって、判断材料がもう一つあります(もう一つしかありません、の方が正確かもしれませんね苦笑)。
それがFODで配信されている『漫道コバヤシ』内に芥見先生が登場し、その中で語った「秤の術式はコンプラ的にアウトかもしれない」旨の発言です。
ここでいう「コンプラ」とは、ポリティカルコレクトネス、所謂ポリコレと呼ばれるようなものではなく、どちらかというと社会通念・現代倫理・法体系と照らし合わせた際にそれらを遵守すること、と考える方が良さそうですね。
これに関して、呪術廻戦、もとい芥見先生には前科があります。
単行本第8巻、第65話のあとのおまけページにて、虎杖がパチンコに行っていた描写に関して担当編集含む編集部に「ダメよ」と注意され、単行本で修正する話が出たことを明かしています。
個人的にはフィクションは何をやっても許される、が信条ですが、それは一旦置いておいて、これをベースに考えてみましょう。
つまり、現代を舞台にし、高校生の年齢の子供が興じてはいけない行為は、漫画内であっても描かれてはいけない、ということです。是非は置いておきますが、週刊少年ジャンプにおける「コンプラ」はこれを基準に考えるといいでしょう。
2-1.ギャンブル系
とすると、これが真っ先に可能性として浮かびました。便宜上賭博呪法、とでも呼べばいいでしょうか。
特にパチンコやスロット、宝くじや競馬とかは元手が少額でも大きなリターンを得ることができるギャンブルです。
「術式領域内の人間が呪力によって顕現したサイコロ等の出目によってランダムに力の増減が決まる」、とかだと面白そうですね。少年がギャンブルを能力にするのは確かにコンプラ違反になりそうですし。
ちなみに完全に余談ですが、これに少しだけ似た能力がBLEACHの死神代行消失篇に登場しています。獅子河原萌笑というヤンキーで、能力名は「ジャックポット・ナックル」。能力の詳細は確率操作によるクリティカルヒットの誘発です。乱発すればその威力は落ちますが、かなり強力な能力でした。
2-2.命を累積する系
では次に、「秤」という名前から考えてみます。
秤という字からは「(モノの重さを測る)測定器具」と、「(法的な概念の象徴である)天秤」の二つが想起されます。
前者の測定器具だとすると、「秤に乗せた重さの分だけ力を増す」とかでしょうか。ここで何を乗せるかですが、例えば生物の命、もっと言えば人間や呪霊を屠った数、が浮かびました。要は「殺せば殺すほど強くなる」という能力ですね。
今まで積み上げてきた命が力に還元される、と言えば聞こえはいいですが、やっていることは虐殺行為なので、これもコンプラから考えるとNGになりそうです。
ちなみにこれも余談ですが、似た能力がBLEACHの千年血戦篇にて登場します。能力名は『大量虐殺(ジ・オーヴァーキル)』で、文字通り殺した命の分だけ持ち主であるドリスコール・ベルチの力が向上する概念系能力です。
2-3.代償と代価系
では次に、「天秤」の方から考えてみましょう。法的な概念から考えれば、犯した罪の重さに応じて相応の罰が与えられるという、刑法における基本理念ですね。
つまり天秤の片方に罪を乗せた場合、もう片方に乗るのはそれと同等の罰になる、という考えです。
これを術式に転じた場合、「自身をリスクに晒した分だけ強大なリターンを得られる」となるのではと思いました。作中でこれに類する概念として"縛り"がありますが、あれは"手の内を明かす"等の比較的ライトなものに留まっており、それによってどの程度術式効果が底上げされるのかは明らかになっていません。
この"縛り"の概念をもっと直接的に術式として発動した場合、シンプルながらかなり強そうですね。HUNTER×HUNTERので登場した「ナニカ」と同じく、得ようとするリターンの分だけ失うものも大きくなるわけですから。
3.その他ヤバそうな術式
秤、という名前から今の自分が類推できたのは上記の3つになりますが、そこから少し離れて、単純に少年誌でやったら怒られそうな能力をシンプルに考えてみましょう。
今の日本社会で炎上の程度がかなり大きくなりそうなものとして浮かんだのは
・放射能
・地震
・細菌/ウイルス
・公害
等でしょうか。どれも歴史的に実際の被害者が多くいらっしゃるため、漫画とはいえこれを描くのは相当の勇気がいると思われます(芥見先生自身、特級特定疾病呪霊・疱瘡神(婆)を登場させるのは迷ったと述べていますし)。
範囲内で人工地震を発生させる、呪力化した放射線で対象を破壊する、細菌やウイルス等で対象を病死させる、公害に代表される化学物質を用いて戦う、どれも戦闘に転じれば強力ですし、かなり魅力的に見えます。
ただ、週刊少年ジャンプが商業誌である以上、これらをコンテンツとして描くことに対する批判は避けられないでしょう。
それこそ鬼滅の刃の遊郭篇が妙な炎上をしたように、フィクションといえど批判的な人は一定数いるでしょうから。
4.余談〜他の漫画はどうなんだよ〜
というか冷静に考えて、バトル漫画が遵守しなきゃいけないコンプラってなんだ?という話があります。現に呪術廻戦の世界の東京は壊滅状態ですし、多くの人命が失われています。
少年ジャンプ作品では他にも、他人をぶん殴る忍者漫画や、略奪行為を正当化する海賊漫画もありますし。
例えばワンピースに登場するサンジはタバコを吸っていますが、作中設定では未成年です。
再三になりますが、僕はこれらのフィクション作品は面白ければ何をやってもオールオッケーのスタンスです。
ただ、社会がこうした作品に眼差しを向ける際、重要になってくるのは「読者との心理的距離感」だと思われます。いわゆる「実生活でどの程度真似できるか」というやつですね。
ルフィの勇姿に感動したからといって海賊行為に興じたり監獄から犯罪者を脱獄させたりはしませんよね。逆に、ラブコメのラッキースケベとか、青春漫画のタバコ描写とか援交描写とかは、妙にリアルな感覚があります。
この「リアルさ」というのはどうにも恣意的になりやすく、線引きが曖昧になりがちなのでどうしても炎上の「数」や「声の大きさ」に左右されるため、作品を好んで読んでいる読者からしたら鬱陶しく不快に感じることが多いと思います。
話が盛大に逸れてしまいましたが、我々にできること・やらなければいけないことというのは今も昔も同じで、「フィクションと現実の違いをきちんと理解する」「それを次世代にもきちんと引き継いでいく」ことしかありません。
秤の術式考察に関しては以上となります。
個人的にはいい線いっているというか、この中のどれかが出てきてくれたら結構強そうだし嬉しいなぁと思っています。厨二病は妄想が大好きなので。
それではまた。
よしなに。