けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】パパ黒と直毘人との間に交わされた誓約とは【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 そろそろ前置きで書くネタも尽きてきたので、早速本題の方をやっていきましょう。

 といってもまだ情報が少ないので考察の精度としては低めです。

 

 

0.はじめに

 

 まず先週のジャンプ11号に掲載された第138話にて、本来であれば27代目当主には直哉が就くはずが、直毘人の遺言により伏黒恵が急遽禪院家に迎え入れられ、当主となることが明らかになりました。

 ぶっちゃけ直哉からすればこれは無視すればいいだけの気もしますが、その場に扇や甚壱がいる以上それも無碍にできないのでしょう。遺言を聞いた証人がいることになりますから、これを無視して直哉が勝手に当主になろうとすれば禪院家内外からの心証が悪くなりかねません。

 これが直哉が「宿儺の器と伏黒恵、二人まとめて殺したる」と宣言し、東京に向かう理由になっています(冷静に考えて呪いの王と魔虚羅のどちらにも勝てる未来が見えないですね……)

 

1.時間軸の整理

 

 さて、考察するにあたりまず前提となる時間軸を整理しましょう。

 ここでいう時間軸とは、「パパ黒と直毘人との誓約はいつ結ばれたものなのか」ということです。

 

 注目すべきは遺言状を読み上げたフルダテの台詞、「伏黒甚爾との制約上を履行し、伏黒恵を禪院家に迎え」の部分です。甚爾の苗字が「禪院」ではなく「伏黒」になっています。

 甚爾の苗字が「伏黒」であると明かされたのは単行本第66話にて、「婿に入ったんでな。今は伏黒だ」と述べています。この過去編は本編から12年前であることが分かっています。かつ、その時点で登場した伏黒が当時小学一年生、つまり6歳ですから、彼が婿入りして禪院の籍から抜けたのは18年以上前ということになります。

 加えて13巻第113話にて、甚爾と直毘人の過去回想が挿入され、その時点で彼は「俺のガキだが、ありゃ完全に持ってる側だ。5、6歳、術式の有無がハッキリしたら、オマエらにやらんこともない」と言っています。

 会話しているシーンが屋敷等の畏まった場ではなく、街中の一角であることから、直毘人を呼び出して会話しているという感じでしょうか。

 

 家を出てから本家と絶縁状態であったとすると、彼が誓約を結んだのはこの時点だと考えられます。

 仮に恵の年齢を0〜3歳程度と仮定すると、15〜18年ほど前でしょうか。

 

2.誓約に際していくつかの制約が存在している

 

 誓約の内容に関しては、「相伝の術式を継いだ俺のガキを当主にしろ(見返りは金銭)」等が考えられそうですが、ここで2つほど「制約」が発生しそうだなと思いました。

 

2-1.直毘人は誓約を無視できない可能性

 

 まずは一点目、これは明確な"縛り"である可能性です。

 というのも、別に直毘人からすればこの誓約は破棄しても構わないはずです。現に彼は直哉を当主にする予定でしたし、以前取り上げたこのブログからも、当主の継承順位としては相伝の術式を継いでいることが条件である可能性が高いからです。

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

 

 唯一考えられるのは、第138話で召集された直哉、扇、甚壱の3人全員が相伝の術式を継いでいない可能性ですね。となると順位からして姪孫の恵に継承順位が回ってくる可能性もあり得ます。

 

 ただ、ここではあくまで直哉たちが相伝の術式を継いでいることを前提に考察を進めます。

 相伝の術式は確かに本家筋に取り込みたい術師ですが、わざわざ当主にする必要はありません。

 であるなら、これが「外部要因によって破棄することができない"縛り"」である可能性が浮上してきます。以前にも述べましたが、"縛り"は基本的に等価交換が原則です。何かを差し出すときには同様の何かをリターンとして獲得するというのがセオリーですし、これを意図的に破った場合は"縛り"を破棄したことになりペナルティが発生します。

 甚爾は「息子を次期当主にする」ことを条件に直毘人から「10(恐らく1千万か1億でしょうか)」の大金を得ていたとすると、彼が金銭を受け取った瞬間に"縛り"が発生します。

 

 懸念点としては、1.呪力ゼロの人間と"縛り"を結ぶことはできるのか2."縛り"は死後も継続するのか、です。

 1に関してはちょっとなんとも言えません。ただ、甚爾の"呪力ゼロ"という状態は、あくまで「肉体に宿るはずだった術式・呪力を手放し、身体能力を極限まで高める」という天与呪縛によるものでしたので、彼の存在そのものを(天与呪縛を含めた上で)もってして「術師」と捉えることはできるかもしれません。

 2に関して、一応ですがメカ丸の前例があります。彼は渋谷事変以前に真人によって殺されていますが、その後「五条悟封印」を条件に起動する呪骸を用意していました。

 これを"縛り"であるとするなら、一度結んでしまえば例え契約者が死んでも"縛り"の効果は継続する可能性が高いです。

 

2-2.誓約履行にあたり、五条悟の庇い立てが邪魔

 

 二点目ですが、これは"縛り"ではなく単に五条悟の権力がめっちゃ強いって話です。彼には乙骨や虎杖の秘匿死刑を延期にさせたり伏黒恵を引き取ったり、特級呪具・游雲を真希に貸し出しています。

 彼自身の権力によって伏黒恵が保護されている間は、流石の御三家当主の直毘人の遺言といえど恵を当主に据えることはできなかったのでしょう。何せ五条悟は「禪院家に入れば幸せになれるのか?」と恵に聞かれた際に「100%ない、それは断言できる」旨を述べていました。

 五条にとって恵は「御三家という、利権と血統にまみれた窮屈な世界から遠ざけて育てたい存在」であったことがなんとなく伺えます。

 

 その五条が死ぬか意思能力を喪失したのであれば、もう恵を守る後ろ盾はありませんから、直毘人は大手を振るって彼を次期当主に据えることができるわけです。

 

 

 つまり結論としては、「五条悟の意思能力の喪失(あるいは死亡)」と「伏黒甚爾との誓約」は直接関係があるもの(≒甚爾が生前五条に頼んでおいたようなもの)ではなく、相互が連動しているものと捉える方がスムーズでしょう。

 

 

 少し雑になってしまいましたが、この誓約の内容に関しても続報が入り次第考察・感想等の形でブログにしたいと思います。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。