けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第177話『仙台結界④』|追い込まれた乙骨は遂に「リカ」を顕現させる…!【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 本日公開になった単行本19巻の表紙、めちゃくちゃ雰囲気あって好きです。

 

 

 

 

 前を向く日車の三白眼と、彼が手にする枯れた一輪の向日葵

 

 向日葵の花言葉は「あなただけを見つめる」であり、彼の苗字である「日車」は向日葵の別名です。

 まぁつまりそういうことなわけですが、この向日葵が枯れているというのもなんだか示唆深いですね。

 

 と、19巻表紙の話はそこそこに、本誌の感想記事をゆるっとやっていきます。

 ちなみにYoutubeの方は既に公開済みですので、よければそちらもご覧ください。

 

www.youtube.com

 

 それではやっていきましょう、呪術廻戦感想回です。

 

 

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1.石流の抱く「渇き」

 

 仙台結界にて術師・非術師の多くを手にかけていた石流龍ですが、彼の戦う理由は「漠然とした渇き」でした。

 「満ちてねぇから不満」というのは、まぁその通りというか小泉進次郎みのある台詞ですが、これは割と本質的というか、個人的には結構好きな思想だったりします。

 

 骨のある相手とも戦え、女にも恵まれたと言う石流がそれでも羂索と契約して現代に蘇ることを選択したのは、ひとえに「充足感の欠如」だったと言えます。要するに「俺は人生でやるだけのことをやった」という満足感に換言することもできますが、この「なんだかよくわからないがモヤモヤとした感覚」をベースに戦っている石流は、他の泳者と比べると非常に等身大というか、かなり直線的で分かりやすいキャラクターだと言えます。

 

 乙骨のことを「デザート」と喩えていたのは、彼は一度目の人生で既に「メインディッシュ」と呼べるだけの(≒骨のある)相手と戦うことはできたけれど、「これで終わってもいいんだ」と感じるほどの相手でには恵まれなかったということです。

 とはいえ彼は多くの人間を殺害しており、その点に関して共感も賛同も全然できないんですが、僕が彼の思想に一定の理解があるのは、それが万人に共通するかもしれない執着心の中で一番距離が近いからじゃないかなと思っています。

 社会的・経済的に恵まれているはずなのに幸福感を感じられない人がいるのと同じように、石流は自分の人生に対して「渇き」を覚えていて、それが彼を戦いに駆り立てたのでしょう。

 

 ともすれば宿儺と戦うことを熱望している鹿紫雲一にやや近い思想だなとも感じました。

 

2.混迷極める仙台結界、三つ巴の戦い

 

 そんな仙台結界を取り巻く戦いは、乙骨vs石流vs烏鷺の乱戦に突入。

 乙骨と石流の戦いに空から割って入った烏鷺は、石流の攻撃を術式を用いて跳ね返すといった芸当を見せ、ポテンシャルの高さを見せつけました。

 彼女が乙骨に対して放った「宇守羅彈」という技も、空間そのものを歪ませて相手にダメージを与えるという点で防御を不可避にする性質がありかなり厄介そうです(ガードしたはずの乙骨がダメージを受けていたのもこれが原理だと思われます)。

 

 少なくとも石流と烏鷺では、烏鷺が石流の攻撃を反射できるため相性的には烏鷺が有利といえそうです。逆にゴキブリの特級呪霊・黒沐死に対しては石流は巨大な一撃で吹き飛ばすことができるので相性がいいですし、こうした些細な描写からも乙骨が現れる以前の仙台結界が「四つ巴の三竦み」と評されていたことが伝わってきます。

 となるとますます宿老・ドルゥヴが不憫というか、ほぼ無傷で彼を斬り伏せた乙骨のヤバさがマジで際立ってきますね。あ、誕生日おめでとうございます。

 

 この三つ巴の戦いはどう展開してくのか、楽しみすぎます。

 

3.遂に顕現する「リカ」

 

 石流と烏鷺の強さや危険性から、彼らをこれ以上スタジアムから引き離すのは難しいと判断した乙骨は、「おいで、リカ」という独白と共に左手薬指に婚約指輪を装着。遂に謎に包まれていた「リカ」が顕現する、というところで今週号は終わりました。

 

 さて、この乙骨の「全部だ」という台詞、乙骨はまだ真の実力を隠しているということが感じられて最高でしたね。あれだけの大立ち回りを披露してまだ底が見えないんかい、というのがさすが特級という感じです。

 そう考えると渋谷事変後に虎杖と戦った時は実力のほとんどを隠していたことになりますし、マジでこの男が味方でよかったと心の底から思います。

 

 「リカ」の正体に関しては後日余裕があれば別記事を投稿したいと思いますが、現時点での個人的な予想としてはこの「リカ」は乙骨が持つ膨大な呪力の「受け皿」なのではないかと思っています。

 0巻で乙骨が圧倒的な力を制御できていたのは特級過呪怨霊・折本里香が彼の持つ無尽蔵な呪力を肩代わりして背負っていたからで、時と場合に応じて乙骨に呪力を与えていたのかなと。

 だから現在の「リカ」はかつての折本里香が担っていた「乙骨の呪力の受け皿」としての役割を担うために生み出されたと考えると、現在の乙骨が特級に返り咲いていることにも説明がつくのかなと。

 

 これに関しては次週以降で明かされると思いますので、そこら辺にも注目していきたいと思います。

 

 

 それでは。

 

 よしなに。