けろの漫画雑談所

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【考察】虎杖悠仁の両面宿儺受肉は羂索により仕組まれていた_第2回【呪術廻戦】

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 ども、けろです。

 呪術廻戦最新158話、読まれましたか。幕間のエピソードとは思えないほどの情報量で19ページ以上のボリュームがありました。

 さて、そんな最新話で明らかになった情報の中で、これまでの情報と繋ぎ合わせた結果一つの可能性が見えてきました。

 

 というわけでやっていきましょう、呪術廻戦考察回です。

 

 また今回の記事は動画と同時公開です。よければこちらも。

 

 

0.仮説の提示

 

 さて、まずは考察にあたり仮説を提示し、検証していくことにします。

 

 仮説:虎杖悠仁の両面宿儺受肉は羂索によって仕組まれていた。

 

 これが本考察で検証していく仮説となります。

 また、記事タイトルに「第2回」とあるように、以前にも虎杖悠仁に関する同様の考察記事をアップしています。

 考察の本筋に大きな変更点はありませんが、最新話の内容を踏まえてアップデートしていますので、以前とどこが違うのか、よければ比べてみてください。

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

 

1.情報の整理

1-1.これまでの描写

 

 考察を進めていくにあたり、これまでの呪術廻戦の物語の中で描かれてきた描写を振り返り、検証の根拠を拾っていきましょう。

 

 まずは渋谷事変終盤、虎杖達の前に姿を現した偽夏油・羂索は、呪霊での攻撃で虎杖をボロボロにしたのち、とある台詞を残します。

 

「我ながら流石と言うべきか。宿儺の器、タフだね」

 

 この「我ながら」という言葉は自画自賛のニュアンスが含まれており、「自分で言うのも無粋だが」という意味になります。また後半の「宿儺の器」というのは文字通り、「両面宿儺の受肉に際して耐性を持った人間」という意味です。五条悟はそれを指して「1000年生まれてこなかった逸材」と称していますし、通常の人間であれば肉体が耐えられず死ぬ、つまり受肉が上手くいかないということを示唆しています。

 

 ぶっちゃけてしまえばこのセリフだけでほぼ確定なんじゃないかと思えますが、根拠集めを進めます。

 

 次に渋谷事変後の東京で呪霊を祓い続ける虎杖と脹相の前に特級術師・乙骨憂太大魔神が降臨したシーン。

 ここでは虎杖vs乙骨の展開となり、上層部の味方のフリをした乙骨が、"縛り"を解くために虎杖の心臓を破壊して一度殺します。冷静に考えなくても「一度殺す」ってとんでもないパワーワードですね。

 

 その後虎杖は反転術式により治癒されるわけですが、それまでの間彼は幼少期の過去を回想します。

 まだ幼い虎杖を抱く父・仁と、彼に「あの女はやめておけ」と意味深に諭す祖父・倭助。

 そんな親子の会話に「お義父さん」と割って入ったのは、「額に縫い目のある女性」でした。

 

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*1

 

 この「額の縫い目」というのは、謎の術師・羂索の持つ「脳を入れ替えることで肉体を転々とする術式」の"縛り"によるもので、この女性の中に入っているのが羂索本人であることを意味しています。

 

 祖父の言う「香織」がこの女性と同一人物なのかは分かりませんが、少なくとも「香織」と仁の間には子供ができなかったことを考えると、この「額に縫い目のある女性」が虎杖悠仁を産んだと考えてまず問題ないでしょう。

 

 彼女がなぜ羂索の「器」として選ばれたのかは以前考察記事を書いているのでここでは触れませんが、これらの情報から「羂索は自らお腹を痛めて虎杖悠仁を産んだ」という可能性が極めて高いということです。

 

kero-entame-channel.hatenablog.com

 

1-2.第158話で発覚した事実

 

 加えて最新158話では、死滅回游と泳者を繋ぐ窓口係である式神・コガネが、まだ結界に侵入していない虎杖についている(=既に虎杖は泳者としてカウントされている)ということが明らかになりました。

 

 現時点で判明している、「死滅回游に最初から組み込まれている人物」というのは、「羂索と契約して呪物化した過去の術師」「羂索により脳の構造を弄られ、術式が覚醒した現代の人間」の二種類のみで、そこに虎杖は含まれないはずです。

 

 そのことについて虎杖は「宿儺も羂索と契約して呪物に成った術師の一人だったのでは」と推測を立てます。

 ただ、そこには一点問題が生じます。それは伏黒も指摘している通り「宿儺の指を取り込んだのは虎杖自身の意志」であり、さらに言えば「指を取り込んだのはアクシデントだった」ということです。つまりそこに第三者の介入というのは存在しないはず、ということですね。

 

 

 にも関わらず虎杖は死滅回游の泳者にカウントされている。

 

 

 これは一体どういうことなのか。

 

2.羂索との「繋がり」

 

 前述の二種類の人間は、死滅回游参加前のタイミングで羂索と接触しています。過去の術師であれば契約時、現代の人間であればマーキング時に、それぞれ「羂索と直接接触している」ということになります。少し抽象度を高めて言えば、「羂索と何かしらの繋がりを持っている」ということです。

 

 この「繋がり」というのを、少し呪術廻戦世界の法則に寄せて考えてみましょう。

 当たり前の話ですが、何もないところに「繋がり」は生まれません。これは絆とか信頼といった精神面の話ではなく、物理的な話です。

 

 例えば「式神使い」と「式神」の間には、「媒体」となる物体が「繋がり」として存在しています(札や影など多様です)。

 他には釘崎野薔薇の「芻霊呪法」は、「釘崎」と「対象」という離れたもの同士を「対象の身体の一部と釘崎の呪力」で結ぶことで遠距離からの攻撃を可能にするものです。

 術式以外では「メカ丸と真人の間に交わされた"縛り"」も「繋がり」と言い換えることができますね。特定の条件を交わすことで結ばれる「契約」です。

 

 このように、呪術廻戦の世界における「術式」「契約」の一部には、対象との物理的距離とは無関係に「強く結ばれた繋がり」を構築するものがあります。

 

 

 では死滅回游の泳者はどうでしょう。

 「過去の術師」であれば、羂索との契約に際して何かしらの"縛り"を結んでいると考えられます。呪物化、あるいは受肉する際の条件として復活後の死滅回游参加を取り付けるという"縛り"ですね。

 対して「現代の術師」に関しては現時点で考察の要素となる情報が少ないため可能性レベルの話になりますが、例えばマーキングの際に何かしらの"縛り"を結んだとか、あるいは羂索の呪力によって脳を弄られるということが直接羂索のコントロール下に置くことを意味しているとか、でしょうか。

 

 このどちらにも言えるのが、「羂索の呪力と繋がりを持っているという要素が死滅回游に組み込まれる要因となった」という可能性がある、ということです。

 

 さて、では虎杖悠仁はどうでしょうか。

 彼に関しては物心ついてから羂索と思しき人物と接触した描写は(今のところ)ありません。

 

 では考えられるのは二つしかありません。

 

 一つはその出生そのものに羂索が関与しているということ。

 もう一つは、宿儺の受肉自体に羂索が関わっているということ。

 

 一点目については前述の通りです。夏油傑の肉体を乗っ取る以前の羂索は虎杖の母として生きていることから、自らがお腹を痛めて虎杖悠仁を産んだ可能性が高いです。出産そのものに繋がりがあるというよりも、「羂索自身が手を加えて(≒呪力を込めて)虎杖を産んだ」と考えれば羂索と虎杖の間に「繋がり」があると考えることができます。

 

 二点目は、宿儺が羂索と契約しているかどうかは別にして、その受肉を羂索が手引きしていたと考えれば納得ができそうですね。

 

3.「拾った」という矛盾の解消

 

 さて、これらの情報を整理していくと、解消される矛盾点が浮かび上がってきます。

 

 それは単行本第1巻第1話、高専からやってきた伏黒に宿儺の指の在処をどこで手に入れたのか聞かれた際に虎杖が「拾った」と応えた点です。

 

 伏黒が事前に入手していた情報では宿儺の指は「百葉箱の中に置いてある」という状態で、それを「拾った」と表現するのは少し適切ではありません。「抜き取った・くすねた・取った」という方がより正確です。

 これはつまり、虎杖が宿儺の指を手に入れたのは百葉箱ではない別のどこかである、という可能性があることになります。

 

 仮に前述の通り羂索が裏で関わっていたとすると、虎杖が手に入れた指は、羂索が百葉箱から抜き取ったのかもしれません。

 

 もちろん虎杖は高校生にも関わらずパチンコの代打ちをしちゃう悪い側面も持ち合わせているため「盗んだ」というのをボカして「拾った」と言い換えている可能性もあります。

 

 その場合にも、「そもそも百葉箱の中に宿儺の指を置いたのは羂索(あるいはその部下)」と考えることができます。

 

 

 虎杖と羂索の間に何かしらの「繋がり」が匂わされている現在、こう考えれば全てが綺麗に解消されます。

 

 

 さぁ、これらの謎は死滅回游編で明らかになるのでしょうか。

 今からめちゃくちゃ楽しみです。

 

 

 

 というわけで今回はこの辺で考察を終えたいと思います。

 これに関しては本編で情報が更新され次第取り上げていこうと思います。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

*1:引用:芥見下々『呪術廻戦』集英社