ども、けろです。
日曜日にジャンプの感想回記事を投稿するの、冷静に考えて遅すぎるだろお前という声が聞こえてきそうな今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
これ以上茶番を重ねると多方面から石を投げられそうな気配がするので早速内容に移りましょう。
ヒロアカ感想回です、やっていきましょう。
1.クラスメイトが語る、デクとの1年間の思い出
第320話、メンタルが根こそぎ持っていかれるエピソードになりました。
これまでもヒロアカでは読者の精神を抉り続ける展開が多くあったと思います。サー・ナイトアイの死やミリオの個性消失、戦争でのミッドナイトをはじめとする多くのヒーローの殉職や辞職。荼毘の正体と轟家のお家事情や、前回まで描かれたデクとオールマイトの決別など、もうそれはそれは作者である堀越先生の手のひらの上でコロッコロ転がされてはメンタルを打ち砕かれる思いを読者は散々味わってきたわけです。
今週号はそれらとはまた違った方面でメンタルを抉られました。
誰か主要なキャラクターが死ぬわけでも、これまで築かれてきた関係性が破綻するわけでもない、「A組の面々がそれぞれ口にする、クラスメイトであるデクへの思いの丈」という、友情方面に全振りしたメンタルの砕き方です。あーら斬新。
先週号でA組全員集合という終わり方をしたので、ここからどうやってA組のメンバー全員にスポットを当てるのかと思ったら、堀越先生の動かし方の巧さに脱帽でした。
野鳥をけしかけて「校長先生が戻っておいでって!だから逃げないで!」とどこまでも優しい口田くん。
「黒鞭垂らしっぱにしてんのコエーよ警戒するわ!」と、軽口を叩きながらもデクの逃亡に割って入る、かつて黒鞭の使い方をレクチャーした瀬呂くん。
文化祭でノートのまとめ方を教えてくれたことを思い出して感謝する耳郎さん。
体育祭で(その頃はまだ完全に打ち解けてなかったはずの)自分のために怒ってくれたデクを一人にしたくない尾白くん(僕の推しキャラの一人です)。
エリちゃんとの思い出を口にする砂藤くんや、拘束装置を創り出してデクを諭そうとする八百万さん、「友だちだから」という純粋な理由で止めようとしてくれる上鳴くんに、合宿でのデクの言葉を意趣返しする障子くん("オールマイトのような画風"になったデクへの皮肉が最高でした)や、体育祭でのデクのアドバイスを受けて必殺技を鍛えた常闇くん。
みんなそれぞれの距離感でデクと関わってきたからこそ、こうして思い思いの言葉が出てくるんだなと。そして何より、やっぱりみんなどこかしらでデクに対して「単なるクラスメイト以上」の感情を持っていて、それがずるかったです。あまりにずるい。
そして何よりズルかったのは、これまでデクをピンチから救ってくれた4代目の個性「危機感知」がA組のみんなには全く機能しなかったという点。
これ本当に反則ですよ。「危機感知」はあくまで危険や害意といった、「個性の持ち主に対して不利益になる外的要因」に対して作用する個性なので、そうじゃない感情、つまり「心配」「助けたい」という自己犠牲・利他精神に対しては無意味なんですよ。
これまでの敵との戦いの中で散々「危機感知」が描かれてきたのは、この話の重みを強くする目的があったのかとすら思うほどの演出、本当にニクいし最高でした。
2.対立するデクの想い
でも、だからこそデクはそんなA組のみんなから離れたがっている。
涙を流しながらも独りになろうとするその姿は、ひとえに「AFOの魔の手からみんなを守りたい」という想いがあるから。
この対立構図が本当にしんどいですね。
クラスのみんなはデクの力になりたい、でもデクはみんなを(戦況の中心から遠ざけることで)守りたい。
どっちもお互いを思いやっての行動・言動だからどっちが良いとか悪いの判断を下せないというのが何よりも読者である僕の心をぶん殴ってきました。
そして何より、今週号の最後のコマで登場したのがお茶子ちゃんでも焦凍でも爆豪でもなく、梅雨ちゃんだったのが良いですね。
USJの時からデクと一緒に行動を共にしていて、A組メンバーの中でも最初期からデクと関わり、「蛙吹さん」と遠慮がちに呼ぶデクに対して「梅雨ちゃんと呼んで」とフランクに話しかけてくれた、優しい心の持ち主。
「あなたがコミックのヒーローのようになるのなら(≒オールマイトのようになるなら)A組、一人で架空(そちら)へは行かせない」
かつて爆豪救出の際にデク達の勝手な行動に涙を流した梅雨ちゃんだからこその台詞なんだなぁと。
以前は行かせてしまった。だから今度は一緒に涙を流せるようになろう。
そういう決意に満ちた表情、本当にかっこいい。
アオリ文から考えるに次号でVS A組は決着するのでしょうか。
というか決着してくれないと僕のメンタルが保ちそうにないので、お茶子ちゃんあたりが早めにデクのこと引っ叩いて連れ戻してほしい。
というわけでまた次回。
よしなに。