けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第152話_全てを奪ったその手で、真希は何を思うのか【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 1ヶ月という比較的長期間の休載が決定している呪術廻戦。個人的には作者さんには思う存分休んでいただきたいので1ヶ月だろうと半年だろうと余裕で待てますし、なんなら今週で負った心の傷を癒せるので1ヶ月のインターバルはむしろありがたいんじゃないかと思ってしまいます。

 

 というわけでやっていきましょう、呪術廻戦感想回です。

 

 ブログ読むのがだるいという方、6分少々でサラッとおさらいできる&軽い考察を交えた動画を作ったのでそちらを見ていってください(番宣)

 

www.youtube.com

 

1.母と娘、そこにあったはずの想い

 

 台所に立つ母に向き合う真希。

 パニックになっているのか、一族を鏖殺した真希に対して恐怖を浮かべている母親。

 

 それに対して真希は至極冷静に、「あの時なんで、「戻れ」って言ったの?」と問いかける。返ってきたのはわずかな沈黙と、「何の話?」という質問。

 

 

 「質問を質問で返すなァーーーーッ!!!」

 

 という叫びは別として、ここのシーンをどう解釈するかはかなり人によって分かれるだろうなと思いました。そしておそらく、芥見先生はこれを意図してやっているな、とも。

 

 真希の言う「あの時」というのは、第148話で忌庫に向かった真希に対して母親が「戻りなさい。忘れたの?忌庫への立ち入りは私達に許されていないの」「戻りなさい!!」と言った場面を指しています。

 

 僕はこのシーン、真希が母親に向けた最後の温情だったのかなと思っています。

 真依の遺言に従って一族の人間を皆殺しにしたとはいえ、母親は真希に対して直接危害を加えた人物じゃありません。だからこそ真希も、母親に手をかけることはしたくなかったんじゃないかなと。

 

 だから、真希に戻るよう促したときの母親の心中を聞きたかった

 あのまま行けば扇に殺されてしまうから戻ってほしかったのか、それとも一族という大きな枠組みに逆らう娘に対して同じ一族の視点から叱ったのか。

 

 これが仮に前者であったなら。つまり母親が真希のことを真に思った結果戻るよう言ったのであれば、真希は母親に手をかけたりはしなかったんじゃないかなと。

 

 でも母親は自分の発言を覚えていなかった。咄嗟に出た「戻りなさい!」は娘を慮っての発言ではなくて、一族としての体裁や、(「産んで良かったと思わせてよ」という発言もあるように)母親としての立ち位置を鑑みての発言だった。

 

 だから真希は「……」という沈黙で母親に応じ、母の喉を切り裂いたのかなと。

 

 親子が最後の最後まで道を違えたままだったというのがなんともしんどいです。

 

 

 そして個人的に更にしんどかったのは、母が事切れる直前に脳内に浮かべた家族のシーンに浮かんでいたのが「去る日の母と真希・真依」だったことです。

 彼女の中で娘達が「かわいい我が子」として映っていたのは「過去の娘達」であり、「今の娘達」ではないというのが、「今の真希と真依はもはやかわいい我が子ではないのだ」という暗示が込められているような気がして、それが分かった時とてもしんどい思いになりました。

 

2.辞世の句、語彙が乏しすぎる

 

「ざけんなや

 呪力が練れん

 ドブカスが」

 

 最後の最後に辞世の句を読むその仕草、関西人として美しいですが、それにしてもあまりに語彙が貧弱すぎる。死に際で「ドブカス」という新しい言葉を生み出した創造力には舌を巻きますが、それも結局彼の口癖であった「カス」の派生語であると考えると、直哉くんのボキャブラリーが心配になります。

 

 

 というより!!!!お前本当にここで退場するんか!?!!!???

 それでいいのか直哉くん!!!!!!????

 甚爾みたいになるんだろ!!!??

 

 

 先週であれだけ伏黒甚爾への想いを綴った直哉が、今週で早速退場というのはあまりにも早すぎますよ。

 しかも退場の仕方が、彼自身が以前口にした「三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ」という皮肉が自らの身に降りかかるという。

 

 禪院直哉という人物のこれまでの発言や行動から考えればこの形での退場はある種百点満点に近い形だと思うんですが、それにしたってもうちょっとしぶとく生きてほしかったよ……

 でも死亡が直接明示されたわけじゃないので、生存ルートにワンチャン賭けています。包丁刺した真希の母親が実は反転術式の使い手だったり、死の淵に立たされた直哉が呪力の核心を掴み反転術式に覚醒するとか、仮に死亡していたとしても呪霊に転じて再登場してくれたりと、様々な考察、もとい妄想が膨らみます。

 

3.真希の歩むその先

 

 一族を皆殺しにし、家に不在だった「炳」「躯倶留隊」の面々すら手にかけてしまった真希。

 もう完全に超えてはいけない一線を超えてしまった彼女は、一体どこへ向かうのか。

 いや行き先は死滅回游だと思うので、これは比喩的な意味です。

 

 行動と結果だけ見れば完全に呪詛師になってしまったわけで、いくら社会が大混乱に陥っているとはいえ、お咎めなしというわけにはいかないでしょう。

 

 

 作中でこれまで描かれてきた「罪」と「罰」の天秤、それが真希にも降りかかるのか、ますます今後の物語が重たくなりそうでこちらのメンタルも増強が必要そうです。

 

 

 

 続きは約1ヶ月後とのことですが、場面的にも綺麗な着地だったので不思議と「物足りない!」という想いはほとんどありませんね。

 むしろここで1ヶ月休載というのは、推しキャラである直哉を失った僕にとっては十分すぎる休養期間です……

 

 

 

 というわけで、呪術廻戦感想回はまた1ヶ月後。

 

 

 それではまた。

 

 

 よしなに。