けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第36話_強いジジイと主人公の暴走、王道の濃度が高すぎる【怪獣8号】

Hatena

 ども、けろです。

 怪獣8号の売り上げが紙媒体だけで250万部を超えたと聞いてマジでびっくりしてます。

 外出自粛が叫ばれたり、省スペース化が進む昨今、良い意味で電子書籍の需要が高まっています。過去に打ち切られてしまった漫画や絶版になってしまった漫画をいつでも手軽に読めるようになるというのは本当に嬉しいですし、古本ではなく新品で買えるのは印税の観点で作者を応援できるので個人的にはとてもいい潮流だと思っています。

 

 ただやはりというか、オタク気質な僕はどうしても紙の漫画が棚に並んでいくあの感覚がめちゃくちゃ好きなんですよ。ここら辺がコレクター気質だなぁと感じるわけですが、やっぱりめちゃくちゃ好きになった作品は今でも紙で集めたいと思うんですよね。

 だからこそ、この電子書籍が台頭しているご時世に紙の媒体だけで250万部を売り上げたというのは(連載媒体がアプリということも踏まえて)とんでもないと思います。

 

 それほど『怪獣8号』という作品には魅力が詰まっており、読者を熱くさせるということなのだなぁと。

 

 というわけでやっていきましょう、怪獣8号感想回です。

 

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1.悪鬼の顕現、「大怪獣」の真価

 

 前回はカフカが長官・功の全霊の攻撃をその身に受けたところで終わりました。

 爆風の中から現れたのは、長官の拳を真正面から受け止める、怪獣と化したカフカ。

 

 

 あぁやっぱり怪獣化してしまったか。咄嗟のことだったし仕方ないよなぁ

 

 一瞬そう思ったんですが、何やら様子がおかしい。目の色はいつもと違うし、心なしか頭部の角の大きさもいつもと違って見える。

 

 突然叫び声を上げた人型の怪獣に、カフカの意識はありませんでした。

 より正確には、カフカの意識自体はあるのに、身体のコントロールが効かないといった様子。

 

 

 いやこれ暴走やないかい。

 少年漫画の超王道展開の主人公の暴走やないかい。

 ありがとうございます。こんなんなんぼあってもいいですからね。

 

 

 いやほんとに、マジで最高の展開ですよこれ。

 主人公が怪獣に変身できるあたりから、流石にノーリスクで変身できるわけじゃないよなぁとか考えていたわけですが、強敵との対決で命の危機に瀕した際に眠れる力が暴走するのは少年漫画の最大火力なんですよ。

 

 『BLEACH』の黒崎一護然り、『NARUTO』のうずまきナルト然り、体内に化け物を宿した主人公の宿命的展開です。最高of最高。もう一回言っていいですか?最高and最高!

 

 しかもその戦い方は身体の再生を前提とした自己破壊攻撃や弱点であり身体の中心である核を飛ばすという、ある種最も怪獣らしい戦い方

 『東京喰種』の主人公・金木研も再生前提の特攻を仕掛けるキャラクターでしたし、「身体を驚異的な速度で再生できる」</spanという前提があるのであればこれほど合理的かつ厄介な戦い方はありません。

 

 

 これまでの「怪獣8号」の戦い方は、その肉体を操っていたのがカフカでしたから、それは「人間の域」を出ませんでした(口から衝撃波飛ばしたりワンパンマンばりのパンチしてたのは気にしないでください)。ある意味「カフカが思いつく(人間らしい)戦い方」を最大火力でぶっ放すスタイルだったわけで、今回の「怪獣らしい戦い方」はその真逆なわけです。

 

 こういう描き分け、たまりませんね。いずれカフカもこういう戦い方を身につけるのかなぁとか妄想してしまいます。

 

 

 そしてこの描写の中で気になったのは、彼に寄生した小型の虫型怪獣が口にした「カイジュウ…コロス」という台詞。

 コイツ自身が怪獣なのに、仲間である怪獣に対して「殺す」と殺意を向けているのはどういうことなのでしょうか。「彼」の出自、その目的がうっすら見えてきたような気がします。

 

2.応戦するジジイ、その目的は

 

 そんな暴走状態のカフカ相手に正面から応戦する長官。いやアンタやっぱり人間辞めてるよ

 カフカの拳を受けながら自分自身も正面から殴り合うのその姿、長官としての矜持を感じさせます。

 

 同時に、彼が「カフカに負荷をかけて試している」ということが明らかになりました。

 思えばこの男、初撃でカフカを殺さずにその血液検体を採取したりしていましたし、本心で彼のことを殺す気はないのかもしれません。

 あるいは、「カフカが本当に人間なのか」試しているんでしょうか。

 

 だとするとカフカはさっさと肉体の主導権を取り戻さないと、本当に殺されてしまうんですよ。おいカフカさっさと目を覚ましてくれ。

 

3.勝機はどこに

 

 戦いが激化する中、更に強度を増すカフカこと怪獣8号。

 カフカ自身は顔に血管が浮かび口から血を流しているので相当苦しそうですが、果たして今後どういう展開になるのか。

 

 定石通りならギリギリのタイミングでカフカが意識を取り戻して長官が拳を止める展開ですが、そこまで王道通りの展開になるのか、はたまた一捻りあるのか。

 

 

 次週は箸休め回なので再来週ですね。

 

 

 それではまた次の回で。

 

 

 よしなに。