けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第34話_最強の男、アンタも大概人間やめてると思うんだ【怪獣8号】

Hatena

 ども、けろです。

 

 そろそろ第3巻が出るので『怪獣8号』の既刊を読み返してたんですが、やっぱりアホほど面白いです。少年漫画の王道をどこまでも真っ直ぐに突っ走りつつ、その上で飽きさせない演出の数々。圧倒的熱量で読者を強制的に頷かせるその勢いは何回読み返しても舌を巻きます。

 

 というわけでやっていきましょう、怪獣8号感想回です。

 

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1.覚悟を新たにする第3部隊の面々

 

 ミナから他部隊への移籍を提案され、すんなり受け入れるレノ。

 「俺はもっと強くならなきゃいけない」と言うその瞳はどこまでも真っ直ぐで、覚悟の強さが伺えます。

 

 ここでいう「もっと強く」というのは、以前の訓練のシーンでも述べられていた「カフカが変身しなくても済むように」という意味が込められているのでしょう。

 同時に、彼は心の底からカフカが戻ってくると信じている。

 歳の差はあれど純粋にカフカを信じ、思うその気持ちは穢れのない友情そのもので、彼の裏表のなさを感じさせます。

 

 ハルイチや葵といった新人隊員の面々がそれぞれ別部隊に移籍されるということは、これから先各部隊での訓練シーンとか任務シーンとかが見られるのでしょうか。それはそれで楽しみが増えますね。特に現時点で描かれているのが主に第3部隊だけなので、他の部隊の毛色も見てみたいです。

 

2.キコルと父の対面

 

 場面変わって長官室。

 キコルの父が防衛隊長官だというのは以前から分かっていたので、このタイミングでの対面であればキコル本人か第3部隊隊長のミナかなと思っていたところそれが当たりました。

 

 キコルからカフカの恩赦を頼まれた父であり長官でもあるパパ宮(今命名しました)は、毅然とした態度で「愚か者め」と一蹴。

 

 カフカのX線画像を見せ、「左胸にあるもの、心臓に良く似せてあるが核だ」と冷酷に告げるパパ宮。

 

 ただ、個人的にはこの次の「お前の母親を殺した『怪獣』なのだ」という台詞が少しだけ引っかかりました。

 というのもこの台詞、以前似た形でキコルの過去回想にも出ているんですよ。

 

 第7話の過去回想で、パパ宮は幼いキコルに対して「この国の未来のため完璧であり続けろ。死んだ母親のためにもな」と叱責しています。

 

 そして今回の台詞。

 これは個人的な感想ですが、パパ宮はどこか自分に言い聞かせているように見えました。

 「温情や周囲の騒音に耳を傾けることなく、ただひたすらに己の使命を全うするために動け」という、自身に対する叱責と信念の明確化。

 キコルに対して「お前の母親」と言うのも、努めて冷静であろうとする彼の人間性が滲み出ています。なぜ「自分の妻」と呼ばずに「お前の母親」という、他人行儀感のある呼び方をするのか。

 

 それはもしかすると「(市民の命と社会の平和を担う防衛隊の)長官である」という、公人としての責務を果たそうと振る舞っているようでした。

 彼がここまで冷酷な人間になったのも、妻が怪獣に殺された過去に起因してそうで、そう考えると『怪獣』であるカフカを許せないと思う気持ちにも共感できてしまうんですよね……

 

3.カフカ、最強の男との対峙

 

 そんなパパ宮が拘束中のカフカの前に現れました。

 カフカの高速を解除させて早々に銃弾の雨をお見舞いするパパ宮、スポーツマンシップって知ってる????

 

 不意の一撃を咄嗟に怪獣化して防ぐカフカに対し、パパ宮は高速移動して彼の脇腹を抉りました。

 

「一つ教えておいてやろう。生身で弾丸を受け止める生物をこの世界では人間とは呼ばないのだ」

 

 

 いやそれはそう。

 

 

 そうなんだけど。

 

 

 その怪獣相手に全く気取らせずに間合いに踏み込んで素手(恐らくスーツ着用とはいえ)で脇腹を抉るおっさんも人外じゃない???????

 

 

 おっさんvsおっさんの激アツバトルが次週始まりそうで楽しみです。

 パパ宮も初撃で殺さずに血液検体を採取しているあたり、もしかしたら会話の余地はありそう。

 彼を圧倒して力の差を見せつけ、自分の価値を見せつける展開か、パパ宮の攻撃を全てノーガードで受けて敵意がないことを示すことに徹するのか。

 

 どういう展開になるにせよ、カフカが再び防衛隊員として返り咲くためにはパパ宮を説得しなきゃいけないので、彼がどう動くのか非常に気になります。

 

 

 

 というわけでまた。

 

 

 よしなに。