けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】真希の覚醒の条件は「真依の死」である【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 第148話でそのドス黒さと醜悪さ、前時代的価値観を全面に押し出した禪院家にスポットが当たりましたが、禪院家の腐敗具合が描かれれば描かれるほど真希と真依の境遇のキツさが露わになりますね……(個人的にそれらは一面的な側面でしかないと思っていますが)

 

 その中で実の父に斬り伏せられ、崩れ落ちてしまった真希と、彼女の現着時に既に血を流していて倒れていた真依。

 

 今回はそんな真希と真依に関する考察になります。

 

 というわけでやっていきましょう。

 

1.これまでの前提、設定の整理

 

 まず真希について現状明かされている設定、並びに作者によって仄めかされている今後の伏線について整理しましょう。

 

1-1.天与呪縛

 

 真希を語る上でまず欠かすことができないのが、彼女の肉体に刻まれた"縛り"である「天与呪縛」です。

 これは肉体に先天的に刻まれた"縛り"のことで、他者と交わす"縛り"と異なり、自身の肉体に対して「代償」と「リターン」が生じるものです。

 メカ丸こと与幸吉は「肉体の欠損・感覚の喪失・脆弱さ」が「代償」として肉体から引き算され、「リターン」として「広大な術式範囲・呪力出力」を手に入れました。

 パパ黒こと伏黒甚爾は「呪力・術式」を失う代わりに「常人離れした膂力と研ぎ澄まされた五感」を獲得しました。

 

 真希は「本来与えられるはずだった術式と呪力」を失う代わりに、「常人離れしたフィジカル」を与えられました。

 

 ここで大事になってくるのは、天与呪縛によって肉体から引き算されるのは「その肉体に本来与えられるはずだったもの」です。

 

1-2.真希の今後

 

 公式ファンブックにて明かされた情報で、真希の今後の可能性について作者が示唆していました。

 

Q.甚爾は「真希の完成形」と言われていましたが、真希も甚爾クラスのフィジカルを獲得できる可能性(方法)はありますか?

A.あります。真希の今後の課題は自分がどうしたらそこに近づけるのかというところなので、真希は、一般人並みの呪力を強いフィジカルでいかに補うかっていう考え方でした。ですが甚爾を目の当たりにして、いかに何を捨てるかっていう考え方にシフトしていきます。 

 

 ここでは真希の主体的な行動が示唆されているわけですが、とりあえず簡易的に「今の真希から何かを引くことで甚爾クラスになれる」と考えていただければと思います。

 

2.仮説の提示

 

 前置きが長くなりましたが本考察における仮説を提示し、検証していこうと思います。

 

 仮説①:真希と真依は「元々一人の人間」として生まれるはずだった

 仮説②:「真依の死」が真希にかけられた天与呪縛を破棄する鍵である

 

 少しトンデモな気もしますが、前提条件や描写を読み解いていくと一つの可能性としてあり得そうな気もしてきたので。一つの考えとして読んでくだされば嬉しいです。

 

3.第148話の扉絵で描かれた「MMツイン双子」の意味

 

 第148話の扉絵で描かれたのは、母胎内の双子の絵でした。中身は真希の話だったのでこれは恐らく真希と真依の胎児の頃の絵だと思うんですが、大事なのは臍の緒の繋がり方と胎盤の繋がり方、羊膜の描かれ方です。

 

 これは画像の中で「一絨毛膜一羊膜」というやつで、通称MMツインと呼ばれるものです。

 一卵性双生児の中でも1%しかいないという極めて珍しいタイプの双子で、しかも真希真依は逆子でした。

 

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 まぁ逆子云々に関しては置いておきますが、ここで大事なのは「真希と真依は同じ羊膜を共有し、その中でも同じ胎盤を共有して育った」ということです。

 

 これをメタ的に考えると、「二人は他の双子と比べ、非常に強い結びつきを持っている」ということになります。それを裏付けるように編集のアオリ文は「ふたりの間にある、確かな絆。その結びつきは、分かち難いものでありーー。」でした。

 

 

 双子なら繋がりが強くて当たり前だろ、というのはそうなのですが、真希と真依は現状判明している作中唯一の双子であり、かつそれがMMツインであった、というのは何か意味があるのかな、と思ったわけです。

 

 そして一卵性双生児の最たる特徴が、「元々一つの受精卵が、何らかの理由で二つに分かれた」というものです。

 

4.真希にとっての"縛り"と、双子の不完全さ

 

 ここで再び真希の"縛り"を振り返ってみましょう。

 真希の天与呪縛は、「術式と呪力を持たない」ことを代償にして「常人離れした膂力」を与えられる、というものでした。

 

 僕を含む読者の多くが、これらの"縛り"を「真希の個人的なもの」として捉えていたんですが、真希と真依がMMツインの一卵性双生児であること、一卵性双生児は元々一つの受精卵であったことを踏まえると、「元々一つだった肉体が、"双子になるというリターン"を得る代わりに"それぞれの肉体が不完全になる"という代償を支払った」と考えることができるわけです。

 

 つまり「禪院真希の天与呪縛は、真希個人のものではなく、真希と真依にセットで課された"縛り"である可能性」があるわけです。

 

 何故なら妹の真依は「術式は持っているが身体能力・呪力量は並みであり」、姉の真希は「術式・呪力を持たないが身体能力は常人以上」という対比になっています。

 

 本来双子であれば同じ遺伝情報を持って生まれてくるはずですから、そこに明確な体力差や身体能力さが生じるというのは少し不思議です。

 

 

 加えて、真依と真希という双子はそれぞれ単独では明らかに不釣り合い・アンバランスな能力となっています。

 真希の超人的な身体能力は呪具がなければ呪霊と戦えませんし、真依の構築術式も、術式自体はかなり強いはずなのにそれを使いこなすために必要な呪力が宿っていない。

 

 真希には天与呪縛という設定が与えられていますが、なぜか天与呪縛でない真依まで「落伍者」となっているのは何故なのか。

 これまでこの姉妹に対して「二人で一人」という表現を用いるときは、あくまで比喩表現としての「絆」を表すのみでしたが、今回の視点に関して言えば文字通りの意味で「二人で一人」なのではないでしょうか。

 

5.天与呪縛の後天的な破棄について

 

 そもそも天与呪縛を(他の"縛り"と同様に)後から破棄することは可能なのかについてですが、これは(作中の描写を見る限り)可能です。

 

 それがメカ丸こと与幸吉と特級呪霊・真人との間で行われた契約で、メカ丸は自身の体の欠損を真人の無為転変によって治癒しています。

 その際に何が起こったかというと、「これまでメカ丸を縛っていた呪力が一気に解放」されました。

 

 つまり天与呪縛の破棄に際して発生する事象として、「奪われていたものが与えられる」ということが分かります。元々"縛り"自体がリスクとリターンを足し引きゼロにする契約ですから、その片方がなくなればもう片方がなくなるのも頷けます。

 (要するにメカ丸は、肉体の治癒によってこれまで自身を縛っていた分の呪力を獲得するに至ったが、それを使い果たした後の彼は一般術師並みの術式範囲・呪力出力になる、ということです)

 

6.「真依の死」が真希にもたらすもの

 

 では今回仮説として取り上げた「真依の死」という最悪の展開が、真希に対して何をもたらすのか。

 

 僕は上記で「真希の天与呪縛は個人のものではなく、真希と真依にセットで課されたもの」と述べました。

 二人の肉体に課された「代償」が「肉体的弱さ」であり、対する「リターン」が「双子として生まれること」だとすると、彼女達は「双方が生きている限り天与呪縛が継続する」と言い換えることができるのではないでしょうか。

 

 逆説的に言えば、「真希と真依のどちらかが死に、片方を独りにする」ことで天与呪縛が破棄される可能性があるわけですね。

 

 真希の今後に関してはあくまで「甚爾レベル」に成長することですから、新しい呪具とか術式の覚醒とかは考えにくいです。

 そう考えると、この天与呪縛が破棄された際に真希の肉体に生じるのは呪力や術式関連ではなく、「肉体に直接作用するもの」でしょうか。

 真依が死ぬことによって二人分の膂力が一人に還ると考えれば、この場で真希が飛躍的に成長することも、わざわざ真依の負傷を描いたことも頷けます。

 

7.「信頼できない語り手」としての真依

 

 最後に軽く追記を。

  ミステリー作品における常套手段として、「信頼できない語り手」というものがあります。

 これは「地の文を語る語り部の情報が正しくない」ことを用いて読者を騙すトリックの一つですが、真希の設定に関してもこれが適用される可能性があります。

 

 というのも、真希の天与呪縛に関して最初に語ったのは、京都姉妹校交流会編での真依のナレーションでした。

 

本来術式を持って生まれるはずだったアンタは、術式と引き換えに人間離れした身体能力を与えられた。

 

 これは確かに作中での戦闘シーンを見ていると正しいのですが、僕たち読者はこの説明を受けて「あぁ、真希は天与呪縛を課されたキャラクターなんだ」と納得していました。

 この真依の語りが仮に間違っているとするなら、つまり「真希に関する真依の理解が真依本人/周囲の人間の思い込み」なのだとするなら、芥見先生すげぇ…ってなりますね。

 

 

 真希の覚醒が今後起こるのはほぼ間違いないとして、その答え合わせは来週か再来週あたりになるでしょう。

 考察としての賞味期限が短いですが笑、一つの考えとして楽しんでもらえればと思います。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。