けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【感想】第148話_激ヤバクソ一家、禪院家の邪悪さ【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 

 待ちに待った三週間ぶりの呪術廻戦、日付が変わった瞬間5回は読みました。

 

 その展開があまりにもヤバすぎて笑えるくらいとんでもなかったので、三週間の空白を埋めてあまりある読後感でした。いやほんと、先週の感動的展開からの変化が凄まじすぎてジェットコースターに乗ってる気分でしたよ。

 

 というわけでやっていきましょう、呪術廻戦感想回です。

 

1.小物界の大物ルーキー、直哉くんが本当に最高すぎる

 

 開幕早々登場したのは、1人で虎杖と伏黒の殺害とかいうビッグマウスぶっこいた挙句お兄ちゃん・脹相にボコられてゲロ吐いた上に年下の特級術師・乙骨に治してもらった自意識のデカさアンドロメダ銀河こと直哉くん。

 

 真希と対峙した直哉くんの吐いた台詞は、

 

「答えろやカス」

「取り柄のお顔もグズグズ、もう誰も君のこと眼中にないで」

「昔みたいにまたイジメたろか?」

「どうすんの?乙骨君と恵君の金魚のフン?」

 

 

 あなたのその自信はどこから????

 

 

 ほんの数週間前まで尖りすぎた登場→作中最強キャラに喧嘩売るビッグマウス→ボコられてゲロ吐くとかいう醜態を晒していたとは思えないこのイキリっぷり。

 もう本当にありがとうございますという感じのキャラクターに仕上がっていてドストライクすぎます。

 

 何がすごいって、こんだけ男尊女卑的でヤバい思想・発言しまくってるのに読者から嫌われるどころか愛着を持たれるところですよ。

 糸目、関西弁、ピアス、金髪、クズと属性のオンパレードだった直哉くんに更に「格下へのイキリマウント」まで加えてくるの、本当に最高です。

 一番推してるのは乙骨くんなんですけど、最近の直哉株の上昇率が凄まじい。

 お願いだから改心とかせずそのままのイキリ仕草を貫いてほしい。

 

2.禪院家が全体的にクソすぎる

 

 今週はとにかくこれでした。

 直哉くんがクソなのは前々からわかっていたことでしたが、実の親族であるはずの真希や真依の殺害を平気で企ててしまうそのドス黒さと、その罪をでっち上げてしまう策略。おまけにその目的が「一族の実益」という政治家もドン引きする利権主義。

 

 これが平安から培われた実学教育、禪院魂かぁと感嘆しました。

 

 特にびっくりしたのが、従姉妹を殺す計画に躊躇がない甚壱と、それを企てたのが彼女たちの実の父、扇だという点でした。

 

 直哉くんが禪院家の中で特異的にクソなのかと思っていたら、親戚筋の男が軒並みクソ野郎という顛末。

 

 すげ〜〜〜〜〜〜〜汚物の宝石箱や〜〜〜(彦摩呂)

 

 この令和の時代にあって、あそこまで一貫した封建的家父長一家を描けるのは凄まじしいですね。これは純粋な褒め言葉です。

 

3.真希のママのセリフが残酷すぎる

 

 でも個人的に一番しんどかったのは、女中こと真希のママの台詞でした。

 

「一度くらい、産んで良かったと思わせてよ」

 

 これ実の娘に対して向ける言葉として最上級に残酷じゃないですか。

 

 逆説的に「アンタを産まなきゃ良かった」という意味が含まれている以外に、この台詞に母親のエゴが垣間見えるからです。

 

 禪院家が家父長的でクソだというのはこれまでも散々話してきましたが、その最たる例が術式至上主義です。

 術式、特に相伝の術式を持たずに生まれた者が迫害されるというのは真希や真依、甚爾の件からも明らかですが、それは恐らく当人だけでなく「彼らを産んだ親」にも向けられるのでしょう。

 

 何せ禪院家の宗家ですから、求められるのは相伝の術式を継いだ後継を産むことです。それを果たせない者は言わば「一族の足手まとい」となるわけで、そういう意味から真希の母が一族で冷遇されるというのは頷ける流れです。

 

 元々女性ということもあり、一族で良い扱いを受けてこなかったと思われる彼女が、それでも禪院家の中で認められる唯一にして最後の方法。

 

 それが「相伝の術式を持った子を産むこと」だったのかなと。

 要は出生という、子供を巻き込む形で自己実現を果たそうとしたのが彼女の人物像で、それは1人の人間が取る行動の中では最もエゴに満ちたものだったということです。

 

 産まれた子供がどういう運命・人生を歩むかということに対して親は100%責任を取ることができません。その中で彼女は「子を産む」という自己実現の方法を選んだ。

 

 つまり自分のエゴで子供を産んだ挙句にその娘に対して「産まなきゃ良かった」と婉曲的に伝えているわけです。

 

 

 僕はこの描写、ただただ純粋にクズな直哉くんや一族の実益しか考えていない甚壱よりキツいし残酷だと思いました。まぁ深読みしすぎではあるんですけど。

 

 

 そんな母親を無視して忌庫へと進む真希、覚悟が決まりすぎてる。

 

4.真希のパパがカスすぎる

 

 忌庫へと足を踏み入れた真希を待ち構えていたのは、実の父・扇。

 

 しかも血を流して倒れている真依の姿まであって、ちょっと勘弁してくれと。

 

 実の娘に刃を向けるその姿、親父のあるべき姿の対極すぎる。

 理想の父親像を仮に「イクメン」と呼称するなら、彼の姿は「逆イクメン」でしょうか。

 

 でも居合いの姿勢で刀を構える姿は様になっているのが腹立ちますね。

 

 刃を折って勝負をつけようとした真希に対し、扇は術式(?)で刃を再生させて斬り伏せる

 個人的にはこの力が構築術式なのかなぁと思っているんですが、だとすると真希は父親の術式を知らなかったことになります。まぁ落伍者である娘にわざわざ術式を教えていないと言われれば納得できますが。

 

 しかも一振りではなく、斬り上げて眼を潰し、踏み込みの斬り下ろしで胴体を袈裟斬りにするという周到さ。

 

 

 もう一回聞くんですけど実の娘ですよね??????

 

 

 涙を流しながら「オマエ達が出来損ないだから俺は当主になれなかった」と宣うの、凄まじく自分本位ですよね。

 しかもファンブックで先代当主の直毘人が当主になった理由が「強いから」と言われているので、扇の怒りは完全にお門違いなんですよ。彼が勝手にそう思っているだけ。

 

 

 死滅回游前にここまで重たい流れが続くの、いよいよ死滅回游本番の重さがヤバくなりそうな気配がしているんですが、恐らく芥見先生の中では渋谷事変後の勢力争いとかに関してもきっちりケリをつけようとしているんだと思います。

 

 

 

 さて、流石に次週は真希の覚醒回だと信じたいですね。

 

 刀傷をどうやって回復させるのかはとりあえず置いておいて、次週を楽しみに待ちましょう。

 

 

 それではまた。

 

 

 よしなに。