ども、けろです。
今回は原点に立ち返った考察をしていこうかと思います。
というのも以前に虎杖の父親について考察したことはありましたし、その後に虎杖の母についての考察記事も書きましたが、主人公虎杖悠仁本人に関する記事というのは書いてこなかったからです。
というわけで早速やっていきましょう。
1.仮説の提示
まずは恒例、本項の前提となる仮説の提示から行っていきます。
仮説:虎杖悠仁は「宿儺の器」として設計され、宿儺の指を受肉するよう誘導された存在である。
特に重要なのは、「様々な実験の結果宿儺の器としての耐性があった」ではなく、「生まれる以前から彼は宿儺の器として意図して設計され、そうなるべくして生まれてきた存在である」という点です。かっこいい言い方をすれば「運命を仕組まれた子供」です。
2.虎杖悠仁の発言と状況の矛盾
まずは単行本第1巻における虎杖と伏黒の発言から、彼が宿儺の指を受肉したのが偶然の成り行きではなく、仕組まれたことだった可能性を検証していきます。
伏黒「(宿儺の指の写真を見せて)これだ、持ってるだろ」
虎杖「あーはいはい拾ったわ」
なんの変哲もないやりとりですが、ここで虎杖は宿儺の指に関して「拾った」と述べています。
ですが宿儺の指は木箱に入った状態で百葉箱に保管されていたもので、それを入手したのであれば「拾った」ではなく「盗った(取った)・抜き取った」が正しい表現になるはずです。
確かに虎杖は子供の頃からパチンコの代打ちをやっているような子ですし、悪いことをした自覚があった上でそれを誤魔化すために言った可能性も大いにあります。正直に言ったら怒られるだろうからちょっとボカして「拾った」に言い換えたわけですね。
ただ、この「拾った」発言が事実だとすると、宿儺の指は伏黒が発見する以前に第三者によって抜き取られ、虎杖悠仁の眼前に置かれていたことになります。例えば学校のどこかに落ちていた、とかですね。
「虎杖が宿儺の指を受肉した」背景に、第三者の意思や介入があったと考えるとこの点に関してはかなりスッキリします。
3.渋谷事変における偽夏油の発言
ただ、上記の発言だけでは根拠に欠けます。
そこで参考になるのが渋谷事変にて偽夏油が言い放った「我ながら宿儺の器、タフだね」という発言がキーになります。
この発言だけで値千金というかほぼ確定的な気がしますが、分解して考えていきましょう。
まず「我ながら」の部分、ここに関しては文字通りの意味で「自分が作っておいて言うのも野暮だけれど」ということです。
次に「宿儺の器」の部分ですが、これも文字通り「猛毒である呪いの王・両面宿儺に耐性を持った存在」ということになります。
ここで着目したいのが、彼が「実験体・試作品」等の言い方をせず、ほぼ断定する形で「宿儺の器」と言い切った点です。
つまり偽夏油の発言を紐解くと、
1.虎杖悠仁を作ったのは偽夏油である。
2.その目的は「宿儺の器」を作ることであり、虎杖悠仁はその完成品である。
ということになります。
宿儺の器は1000年間現れてこなかった逸材ですので、彼が暗躍していた1000年の間にひたすら実験を繰り返していた可能性があります(個人的には九相図もその実験の一環であったと思っています)。
4.虎杖の母の肉体を乗っ取っていた事実
次に先週のジャンプで明らかになった衝撃の事実、虎杖悠仁の母が偽夏油の以前の器だった点です。
ここで前述の「我ながら」という台詞の意味が若干変わってきます。
つまり「我ながら」は自らが実験に関わったというような意味ではなく、「自ら腹を痛めて産んだ」ということになります。
額にも傷跡がありましたし、祖父の発言を鑑みても彼女が偽夏油の以前の器だったことは確定です。
ここまでに挙げた情報を整理すると以下のようになります。
1.虎杖悠仁を産んだのは偽夏油である。
2.その目的は「宿儺の器」として耐性を持つ子を作ることであった。
3.虎杖悠仁が宿儺の指を受肉したのは偶然ではなく、第三者によって仕組まれていた。
よく少年漫画の主人公というのは生まれながらにして運命を背負っていることがありますから、これが虎杖に当てはまっていたとしても不思議ではありませんね。
唯一謎なのは「何故虎杖の母は偽夏油の器として選ばれたのか」ですが、これも以前記事として考察しています。
あとは偽夏油の口から答え合わせが語られるだけな気がしますので、楽しみにしながら死滅回游編を読んでいこうと思います。
それではまた。
よしなに。