ども、けろです。
先週号に引き続き、静かに読者を震わせた今週号の感想回、早速やっていきましょう。
1.記者会見で再起するエンデヴァー
まず開幕で注目を集めたのがエンデヴァー・ホークス・ベストジーニスト3名による記者会見。ベストジーニストの首丈どうなってんだというツッコミはなしでお願いします。
荼毘について「真実です。お詫びの申し上げようもございません」と釈明するエンデヴァー。現実の政治家が「記憶にございません」「秘書のやったことです」と言い逃れしたりしている中、自らの責任をしっかり認め、それを真摯に謝罪できるのはまじでかっこいい大人。
ただやっぱり世間はそれを受け止めてはくれないんだなぁと。そりゃそうですよね。今まで(若干粗暴だったけど)ヒーローとして市民の生活を守ってくれていた男が、過去に子育てを誤り、今回の惨状の一端である荼毘が生まれる原因を作っていたというのは、彼のこれまでの功績を考えてもチャラにはできません。
それこそエヴァのシンジ君に対して周囲が抱いていた「命の恩人だけど世界を滅茶苦茶にした仇」という感情と似ている気がします。
感謝はしている、ただ赦すことはできないというのが市民の複雑な反応なのだと思います。ただ、「終わりじゃん」と冷たい反応をしていた人の中にはきっと非当事者もいるんだろうなと思います。有名人のスキャンダルを面白半分で叩きたい偽善者もまた、これに乗じて元気になっているんだろうなと。
個人的にはホークスが分倍河原(=トゥワイス)の殺害について謝罪していたのが少し意外でした。あの状況ではもはや降伏や和解は望めませんし、正当防衛なのではと思ったからです。功利主義的にも彼の行為は被害を最小限に止めることに貢献しましたし。
ただそれでも、「ヒーローが敵を殺した」という事実だけは市民の間で消えることはないんだなと。特にホークスは若い層からの人気がある注目株でしたから。
続く女性記者からの糾弾、「私の母は重傷を負いました」というのは重たいですね。記者会見の場に参席しているのは報道関係者ですが、同時に戦争の被害者でもあります。
でも個人的には、女性記者に対するエンデヴァーの返しは本当に好きです。
「なぜそんな澄ました顔でいられるんですか!?やったのは敵!!しかし!己の過ちがそうさせたのだと、わかっている顔には見えませんが!!」
「……憔悴した顔で泣いていれば、取り返しがつきますか?」
エンデヴァーが過去にやったことは、彼がどんな顔をしていようとどんな感情を抱こうとどう釈明しようともう拭いようのない事実として現存している。表情や態度といった表面的なところに贖罪の意思を求めようとするメディアに対する彼の姿勢が垣間見えてちょっとスカッとしました。
その女性記者も、感情的に「社会の不安を取り除け!敵を全部片付けろ!!」とまくし立てていく中で、自分たちがヒーローに求めているものと、ヒーロー達が何を成そうとしているのかが合致していることに気づいたようです。
そして「みんなで俺を見ていてくれ」と顔に炎を宿すエンデヴァー。
これは「轟炎司」個人としてではなく、「ヒーローエンデヴァー」としての宣誓であり、一度は折れてしまった彼の「再燃」の表現だと思いました。めちゃくちゃアツい。炎だけに。
2.第1話との対比、「終わり」が始まる
と思っていたら舞台が雄英高校A組の寮に移り、みんながデクからの手紙を読んでいました。
手紙の全文は読めませんが、判読できる範囲と、文脈からの推測を合わせるとこのようになります。
「今までありがとう。
僕の秘密をA組のみんなには伝えなくてはいけないと思い、この手紙を書き残しておきました。
僕の力はオールマイトから授かった特別なもので、死柄木とオール・フォー・ワンは僕を狙って動いています。だから僕はもう(みんなと一緒にはいられない?)」
今までは周りに支えられ、クラスメイトと切磋琢磨していたデクが独り雄英高校を離れてしまったという事実がめちゃくちゃしんどい。
お茶子の「ばかやろう」が「ほんとそれな〜〜〜〜〜〜〜」の思いです。
そして最終ページ、見開きで街を見下ろすデクに合わせるように「No.306 終章開幕」の文字。
個人的には2年生編とかうっすら期待してたんですよ?これまでと全く同じ学年行事は無理だとしても、オール・フォー・ワン達との対決に向けて雄英高校のみんなで授業を受けて自らを鍛えていく姿をもしかしたら見られるんじゃないかと。
まさかデクがヒーローアカデミアを去る日が来るとは思ってもみませんでした。
しかもデクの「でっけー敵」という台詞、これは第1話でデクが登校途中に街中に発生した敵に対して発した「でっけー敵!!」というのとまるきり同じなんですよね。
おまけにこの台詞と構図が見事な対比になっている。
第1話では街を歩くデクが、巨大化した敵を見上げながら目を輝かせていました。彼なりにヒーロー社会に対する憧れや尊敬の念があったんだなぁと。
一方最新306話では瓦解するビル群を別のビルの屋上から見下ろすように言っている。しかも目に生気がない。この1年でデクはヒーロー社会の闇や現実を嫌というほと知らされ、多くの人の死と対面してきた。
1年という年月が彼を変えてしまったんだなぁと痛感してしんどくなりました。
というか最終章ってまじ?????
もう堀越先生の中では終わりが見えてるってこと???
確かに最近怒涛の展開でしたし、戦争編なんていう一大決戦をやった後だからこそ尚更だとは思いますが、この流れで最終章突入は衝撃が大きすぎました。
あとはもう死柄木やオール・フォー・ワンとの最終対決に向けて突っ走っていくだけなんでしょうか……A組のみんなはデクと再会できるんだろうか……
気になりすぎて心臓が痛くなってきます。
来週以降の展開に期待しましょう。
それではまた。
よしなに。