ども、けろです。
先週・今週のジャンプあたりから始まった新章は、どうやらかなり複雑な争いになりそうな気配がしています。
ただでさえ先週の乙骨参戦で読者はしんどいのに、それに加えて新勢力・禪院家が新たに参戦してくることが明らかになり、勢力図の整理だけで相当重たそう。
個人的にはこういうゴタゴタ大好きなんですよ。人間vs呪霊はシンプルな対立から生まれる確執や恨みが見どころですが、人間vs人間はこういう権力争いや利己主義からくるドロドロとした感情の機微やさまざまな人間模様が垣間見えるのがたまりません。
さて、それとは少しズレますが、個人的に気になったことを考察・検証していこうと思います。
この手の名家あるあるの、当主の継承権とその法則についてです。
まず本考察の結論から先に述べておきます。
結論:御三家における当主は、"相伝の術式を継いでいる者のみの中"での男子優先嫡子継承制で決まる。
1.家系図の整理
まず当主継承の流れに関して整理して考えるために、現時点で判明している禪院家の家系図を見てみましょう。僕個人が考察も踏まえて作成したものですので、実際の設定とは異なる可能性もあります(特に甚壱と甚爾の関係性)がご了承ください。
甚壱と甚爾を兄弟とした理由ですが、今週号のジャンプ11号での直哉の発言「甚壱君はなぁ……顔がアカンわ。甚爾君と逆やったらよかったのにな」という台詞を元にそのように考えました。
「甚爾君と逆やったらよかった」というのは、単に容姿の美醜という意味と、術式の有無という二つの意味があるように思います。甚爾が「顔のいい、相伝の術式を継いでいない人物」として描かれている以上、対比である甚壱は「顔はいまいちだが相伝の術式を継いでいる」ということになります。これを「逆」とする場合、「顔が良くて相伝の術式を継いでれば最高だったね」という皮肉になります。ちなみにこの二つを満たしてるキャラがいるんですよ。伏黒恵っていうんですけど。
まぁこのキャラが対比として描かれている点、名前に「壱」「爾(=二)」という数字が入っている点から、長兄が甚壱で次兄が甚爾だと判断しました。現時点でその父親は判明していませんが。
ただ、容姿の年齢から考えると彼らが直毘人や扇の兄弟と考えるとちょっと辻褄が合わなさそうなので、一番現実的なのは直毘人らの兄弟の息子、つまり直哉から見て従兄弟にあたるのでは、と思います(直毘人からすると甥にあたります)。で、その父親はもう死んでいる、と。そう考えるとあの場にいなかったことにも納得がいきます。
あくまで想像の域を出ないので、キャラブックで家系図が出ることを期待しています。
2.現時点での継承権の有無
さて、本命の話ですが、まず最新話の描写から現時点で誰(≒家系図内でのどのような立ち位置人物)が継承順位の上位にきているのか考えます。
フルダテの「扇、甚壱、直哉、3名がそろわれた時私からお伝えすることになっています」という台詞から、まずこの3人が継承順位上位に位置していることがわかります。
加えて直哉本人が「直毘人の息子」であり、本人が「次の禪院家当主は俺なんやから」と自負していること、直哉には兄がいるにも関わらず(「ポンコツ」という理由で)あの場に呼ばれていないことを考えると、単に当主直系の嫡男が1位というわけではなさそうですね。
また、彼自身が「次の当主は自分」とある種確信していること、直毘人の遺言でも「27代目当主を禪院直哉とす」とあることから、まず彼が継承順位第1位だと判断して良さそうです。
続いて扇です。彼は直毘人、つまり現当主の実弟にあたります。順当に考えれば彼が第2位でしょうか。
甚壱、上記の考察で考えれば直毘人の甥に位置する人物が恐らく第3位でしょう。
また、この場には(恐らく多数存在しているであろう)禪院家血筋の女性は登場していません。これも判断材料になるかと思います。
つまるところ最新138話時点での当主継承権は1位息子、2位弟、3位甥という順位が仮定として想定されます。
この時点だけでの情報を統合すると、禪院家、つまり御三家における当主継承の順位は「男子優先長子継承制」をベースにした制度を採っていることが推察できます。
参考までに王位継承に関する参考記事を貼っておきます。王位と当主ではやや異なる点もあると思いますが、参考程度に。
ただ、直毘人の遺言の「伏黒恵を禪院家当主とする」というのがかなりの実効力を持っている以上、これはあくまで「当主が特定の者を当主とする生前意志を明確にしていない場合」に限られる慣習なのだと思われます。何せ家系的な位置で考えると伏黒恵は現当主の姪孫にあたる可能性が高く、血統だけで見た際の優先順位は低いはずなので。
そう考えると制度として自動的に当主が決まるというわけではなく、血統による継承順位を重んじつつ、指名による世襲制が常となっている、と考えるのが良いでしょうか。
3.過去のワンシーンから見る、制度としての当主継承順位
加えてこの当主継承を、作中の様々なシーンを参考に色々と絞り込んでいきます。
以下の順で考えていきましょう。
3-1.交流会における加茂の回想
京都姉妹校交流会で、加茂憲紀は正妻ではなく側室の子であり、嫡男ではないことが分かっています。それが「側室の子ではなく嫡男と偽って迎えられた」ということから、単なる長子継承ではなく、嫡男が優先される継承制度ということになります。そもそも側室の子に継承権があるかすら分かりませんね。
3-2.交流会における真希の回想
ただ、だからといって(絶対的)男系男子継承制なのかというと、そういうわけでもなさそうです。
実家を離れることを決意した真希が「禪院家当主になる」と宣言した際に、当主の直毘人はそれを「不可能」と否定せず「ならばこちらも相応の試練を与えよう」と返していました。
このことから、別に女性だからといって当主継承権が全く存在していないわけではなく、あくまで順位が低いだけということになります。つまり、歴代当主の中に女性がいた可能性もあり、男系男子だけが当主になれるというわけでもなさそうです。それでも直哉の台詞から漂う御三家内の空気からしてその可能性は低そうですが……
3-3.最新話における直哉の台詞
では単なる男子優先長子(嫡男)継承制なのかというと、最新話の直哉の台詞からそうでもなさそうです。
直哉の台詞から、彼には兄が複数いることが分かっています。つまり彼は当主直系の男系男子ではあるけれど、本来の意味での嫡男ではない、ということになります。兄が複数いることからも、少なくとも彼は三男以降ということですね。
にも関わらず彼は自分が次期当主になるのは確定事項のように言っていた。「俺の兄さん方は皆ポンコツやし」という発言から察するに、恐らくですが彼の兄たちは相伝の術式を継いでいないのではないでしょうか。だからあの場に呼ばれていなかった。
かなり情報を散らかしたので整理します。
①前提として継承権を有するのは、当主正妻の血統である(=男子の中でも嫡子が優先される)。
②女性が当主を継げないわけではなく、あくまで優先順位が低い(=絶対的男子継承ではない)。
③男系嫡男であっても、相伝術式の有無によって優先順位が変わり、基本的に相伝術式を継いでいる者の中から選ばれる。
これらの情報をまとめていくと、前述の結論が導かれます。
御三家における当主継承制度は、男系男子優先制度をベースとしつつも、その対象となる「男子」というのは「正妻の子」「相伝の術式を継いでいること」が条件として包摂されていることになりますね。
これが結論としての「"相伝の術式を継いでいる者のみの中"での男子優先嫡男継承制」になります。
ただ繰り返しになりますが、「相伝の術式を持っていない・女」である真希が当主になることに対して現当主は否定していませんでしたから、これはあくまでも額面上の制度ということであって、実運用はそれと比べるとやや柔軟なのではないでしょうか。
少しややこしいですね。
基本的に現当主の指名で決まるけど、そうじゃない時は上記の条件で決まる蓋然性が高い、と覚えておけばいいかもしれません。
家系図の全体像がわかればこの点に関してももっと精度の高い考察ができると思うので、続報を待ちましょう。
それでは。
よしなに。