けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】「特級」の条件について考える【呪術廻戦】

Hatena

 ども、けろです。

 タイトルの通り早速やっていきましょう。

 

 

0.はじめに

 

 単行本も(2021/02/14現在)14巻になり、作中で登場したキャラクターの数もかなり増えてきた中、「そういえば「特級」として分類されるのに何かしらの条件ってあるのか?」とふとした疑問が浮かんできたので、それについて取り扱います。

 結論から言うと、やはり分類する上で何かしらの要件・条件・特殊なルールがあるのではと思っています。

 というのも、単行本11巻のおまけページ内で、芥見先生が以下のように語っているんですね。

 

呪霊の等級わけは結構アバウトなんですが、2級と準1級の間には明確な基準があります。それは"呪術(術式)を使うかどうか"です。

 

 この等級分け、恐らく大半がなんとなくで決まっているのだと思いますが、作者の中で一定のルールというものは存在しているらしく、それが上記の引用です。(芥見下々『呪術廻戦』11巻、pp130)

 というのが他にも適用されるのであれば、そこにも何かしらの規則性があるのではと思った次第です。

 特に"特級"などと大仰な等級が冠されるのであれば、きっとそうだろうという、予測半分期待半分ですね。

 

 ちなみにここでは"受肉した特級呪物"はあくまで"呪物"として扱います。というのも、"受肉後"の彼らに対して明確に等級がついている描写がないので、受肉前の等級を参考にして"呪物"として扱います。

 受肉しているので恐らく概念としては"呪詛師"に近いのだとは思いますし、五条も「特級相当」と述べているので、術師として扱うのであればきっと特級術師か1級術師くらいになるんだろうな、と思っています。

 

1.呪霊

 

 結論から先に述べますが、"特級呪霊は領域展開を使えることが分類の条件である"が私の仮説です。

 作中登場した呪霊のなかで"特級"を冠されていたのは下記の呪霊たちです。

 

・真人

・漏瑚

・花御

・陀艮

・化身玉藻前(0巻)

・疱瘡神(婆)

・少年院の呪霊

・八十八橋の呪霊

 

 この内、化身玉藻前は夏油に取り込まれていましたし、八十八橋の呪霊も例外になるのですが、基本的に"特級"を冠される呪霊というのは皆「領域展開」を使えます。

 真人は「自閉円頓裹」、漏瑚は「蓋棺鉄囲山」、陀艮は「蕩蘊平線」です。花御は領域の名称が明らかにならないまま死亡しましたが、姉妹校交流会に乱入した際に領域展開を使おうとしている描写があったので、使えるということは確定とみていいでしょう。

 また、疱瘡神(婆)も冥冥と憂憂を墓地のような領域に引き摺り込んでいますし、少年院の呪霊にしても術式は付与されていない不完全な形でしたが、伏黒らを閉じ込める領域を発動していました。

 2級と準1級の差が"術式の有無"であるなら、特級とそれ以外の差は"領域展開の有無"なのではないでしょうか。

 

 まぁ少年院の呪霊に関しては観測時点で「特級仮想怨霊」と呼ばれていたのでどの程度この考察が正当なのかはちょっと分かりませんが、あるいは"人々の集合認識の程度"なのかもしれません。自然、伝承上の妖怪、伝染病、心霊スポットや少年院等は、そのどれもがかなり広範に・強い共通認識としての「恐怖」の対象ですから。

 

2.呪物

 続いて呪物です。これは作中での描写が少なくかなり妄想というか想像の域を出ないのですが、呪物に関しては"破壊できないこと"が特級の条件になるのでは、と思いました。

 作中で登場した"特級呪物"は以下の通りです。

 

・両面宿儺の指

・獄門彊

・呪胎九相図

 

 このどれもが"壊せない"と称されていました。

 これらはそもそも「破壊できない」のか、それとも「特級に分類される何かしらの要因」がこれらの呪物を「破壊できない状態」になっているのかはちょっと分かりません。

 

 あくまで一つの可能性として、考えていただけたら嬉しいです。

 

3.術師

 

 正直これが一番悩みました。何せ特級術師というのは後述の通り作中で四人しか出てきてない上、その内二人の術式の詳細が未だに判明していないので……

 ただ、術式が明らかになっている二人と、残る二人の描写を見ていくと、"無限に関する何かしらを体現していること"がもしかすると特級術師になるための条件なのかもしれないな、という仮説に至りました。

 詳しく見ていきましょう。

 まず四人の特級術師と、判明している術式をおさらいしましょう。

 

・五条悟、無下限呪術

・夏油傑、呪霊操術

・九十九由基、術式不明

・乙骨憂太、術式不明

 

 これらの人物に共通しているのは、そのどれもが無限という概念を体現している(かもしれない)"ということです。要は「ぶっ壊れ性能」ということですね。

 五条悟、文字通り当代最強と言われる術師ですが、彼の術式は「収束する無限級数」の文字通り"無限に干渉する"ものです。加えて緻密な呪力操作を可能にし、術式や呪力の流れを正確に読み取る"六眼"持ち。六眼は特異体質のようなものでしょう。

 おまけに五条は反転術式を習得しており、自身の肉体の治癒や術式反転を可能にしています。領域展開も可能ですから、彼は「術師ができるであろう全てのこと」ができるわけです。ぶっ壊れ。チート。反則。

 夏油傑の呪霊操術は、作中で四千体以上の呪霊を取り込んでいたことが明らかになっており、中には特級呪霊もいましたから、彼が取り込める呪霊の数・等級に恐らくキャパシティは存在しないのでしょう。となると彼は(偽夏油が言っていたように)無限の手数、もとい「うずまき」による分離・抽出により無限の術式を持てるといことになります。基本的に術式というのは一人につき一つしかないものですから、対術師にしても対呪霊にしても反則すぎるアドバンテージです。

 

 では乙骨と九十九はどうでしょう。

 この二人に関しては描写が少ないのですが、一人ずつ検証していきます。

 乙骨は"底なしの呪力、無制限の術式模倣"を0巻で披露していました。呪力というのは対呪霊、対術師戦において基本中の基本となるエネルギーですから、これが底なしというのはちょっとチートすぎますね。肉体強化にしても術式発動にしても、長期戦に対する心配が一切ないわけですから。また術式模倣も相当な離れ業です。特に生得術式・相伝術式ほど模倣するのは相当な難度でしょうし。

 

 ここでヒントになるのは、彼は折本里香の解呪後に一度特級から降格し、その後自力で特級に返り咲いているということです。

 彼の底なしの呪力や無制限の術式模倣が"最愛の人の魂を抑留する代償"として得られていたからこそ、その解呪後にそれらの力が失われるのは納得がいきます。が、もう一度特級術師になれたというのは、恐らく彼は今もこれらに類する力を持っているのではないか、と思いました。

 恐らく本編でもうすぐ乙骨の術式が(読者の望んだ形ではないとはいえ)披露されるでしょうから、それではっきりするかもしれません。

 "無限の呪力・無制限の術式模倣による"無限の可能性というのは、特級クラスといえるのかなぁと。

 

 九十九由基に関してはまーーーーーじで分からないですね。術式も戦闘シーンもほぼ皆無なので……

 ただ、九十九という名前からは付喪神を連想しますし、それが彼女の術式に関係しているとするなら一つの糸口になるかもしれません。例えばモノを呪霊化する術式とかだったら、それこそ夏油とは対比になって面白いですよね。呪霊をモノとして使役する夏油と、モノを呪霊化して操る九十九。戦いの可能性として無限大のポテンシャルですから。

 (余談ですが作中で登場した九十九、どの描写に関しても見た目が変わってないんですよね。小学生の東堂と会った時も、高校生の夏油と会った時も、渋谷事変に乱入してきた時も。単なる漫画的演出なのか、それとも時間等に干渉する術式等を持っているのか分かりませんが……)

 

 

4.呪具

 

 これに関してはおまけみたいなもんですね。というの作中で登場した特級呪具というのがめちゃくちゃ少ないので。

 確か「游雲」「天逆鉾」の二つでしょうか。万里ノ鎖ももしかしたら特級呪具なのかもしれませんが、等級は明らかになっていないのでちょっと置いておきます。

 個人的な考察というか妄想としては、特級呪霊と同じく"術式効果(≒特殊効果)を持っていること"が条件なのかな、と思います。

 游雲に関して"特級呪具の中で唯一術式効果が付与されていない"という記述があるので、逆に言えば">"游雲以外の特級呪具は術式効果が付与されている"と解釈することができます。

 

 

 

 と、思うことを勝手にだらだらと綴りました。

 これらに関して作中で開示されることを願いましょう。もしくは完結後に設定集とかで明らかになれば嬉しいですね。

 

 

 それでは。

 

 よしなに。