けろの漫画雑談所

漫画の感想・考察・妄想の集積所です。主にジャンプ作品についてだらだらと語ります。

【考察】0巻百鬼夜行は偽夏油により仕組まれていた可能性【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 

 先日のアニメ最終話の放送直後、0巻映画化決定の特報が流れ、僕たち全読者は沸きに沸いたわけですが、今回はそんな0巻にまつわる考察記事となります。

 

1.仮説の提示

 

 まず本考察における仮説を提示し、本項を始めていきたいと思います。

 

 仮説:0巻の夏油傑主導の百鬼夜行は偽夏油により仕組まれていたものである。

 

 0巻における百鬼夜行とは、夏油傑が東京と京都にそれぞれ1000体ずつの呪霊を放った未曾有の呪術テロの呼称であり、作中の時間軸で1年前の出来事になります。

 

 本考察は、百鬼夜行そのものを、偽夏油が裏で手を引いていた可能性があるという仮説になります。一見するとトンデモ考察ですが、一応論拠はありますので楽しんでいってください。

 

2.過去編にて明かされた呪霊操術の可能性

 

 まず何故本仮説に至ったのかについて、単行本9巻にて伏黒甚爾により語られたことをとっかかりにして始めていきます。

 

「式神使いなら殺したが、呪霊操術となるとな。

 オマエの死後、取り込んでた呪霊がどうなるか分からん。ここで面倒事は避けたい」

 

 夏油を斬り伏せた伏黒甚爾は、以上のように述べています。

 ここで重要になってくるのは、「禪院家出身の甚爾でさえ、呪霊操術の詳細については知らない」という点です。

 禪院家はおよそ1000年以上前から続く歴史ある名家です。そこには様々な呪具が集められていたり、術式に関する情報が集まっています。

 

 現に甚爾は五条の無下限呪術について、「茈」以外は把握していましたし、ある程度強力な術式であればその情報は漏出するのだと考えられます。

 

 呪霊操術は術式の中でも相当に強力で、取り込む呪霊の数に上限がないことや、等級も問わないことからも、規格外に位置する術式であることが伺えます。

 

 その術式に関して、甚爾は「術師が死んだ後どうなるのか知らない」と述べていました。

 これはつまり、「歴史的に見ても呪霊操術を持つ術師の存在は稀であり、それ故に術式に関する情報がない」ということではないでしょうか。

 

 仮に呪霊操術に関して「術師の死後、取り込んでいた呪霊が一斉に溢れ出す」のだとすると、迂闊に術師を殺すことはできません。

 これが本考察においては非常に重要になってきますので、覚えておいてください。

 

3.偽夏油の目的達成において不可欠な呪霊操術

 

 次に偽夏油に関してです。

 彼の目的は未だ全容が判明していませんが、少なくともその目的達成において二つの術式が重要になってくることが明らかになっています。

 一つは「無為転変」。これは特級呪霊・真人が所有する術式で、触れた対象の魂の形を知覚し、それを元に肉体を造り替えることを可能にします。

 彼はこれにより非術師の脳を組み替えることで術師化させることに成功し、それが現在進行形で行われている死滅回游の元凶にもなっています。

 

 二つ目が「呪霊操術」です。呪霊を取り込み、使役することを主とする術式ですが、偽夏油曰くその真骨頂は準一級以上の呪霊を取り込み、極ノ番・うずまきを使用した際に起こる「術式の抽出」にあります。

 彼はこれにより取り込んだ真人の術式・無為転変を抽出し、我が物とすることに成功しています。

 

 

 つまり、そもそも呪霊操術を手にしなければ偽夏油は死滅回游を引き起こすことができない、ということになります。

 1000年前から暗躍していた彼が、偶然百鬼夜行を引き起こし、その渦中で死んだ夏油傑を利用するような、そんな行き当たりばったりな行動を取るでしょうか。

 

 偽夏油が渋谷事変を引き起こした最大の理由は五条悟の封印ですが、それと同時に彼は無為転変を手に入れることに成功し、次のステージに進んでいます。

 

 彼は夏油傑が死ぬずっと以前から、彼の持つ術式に目をつけていたのではないでしょうか。

 

4.百鬼夜行にて東京と京都に呪霊を分散させた夏油傑

 

 その根拠の一つに、彼が百鬼夜行を実行に移した際、東京と京都に呪霊を分散させたことが挙げられます。

 このことに対して偽夏油は渋谷事変時に「去年の百鬼夜行、新宿と京都に戦力を分散させなければ、勝っていたのは乙骨ではなく彼だったろう」と評しています。

 新宿には五条悟という最高戦力がいたにも関わらず彼がそう述べているということは、偽夏油はその時点で夏油傑が持つ呪霊操術に目をつけ、狙っていたことになります。

 

 そして何故、自身が持つ呪霊を全て把握している聡明な夏油傑が、そのことに気づいていなかったのでしょうか。仮に気づいていたとしたら、彼は戦力を分散させることはしなかったはずです。

 仮に偽夏油が裏で夏油傑を唆していたとすると、この状況にも説明がつく気がします。

 

5.乙骨戦にて「うずまき」を使用して死亡した

 

 もう一つ別の根拠として、0巻における夏油傑の最期について触れていきましょう。

 

 彼は乙骨との戦闘時、所持していた特級呪霊・化身玉藻前と、その他全ての呪霊を「うずまき」により一つにまとめ、乙骨にぶつけています。

 

 結果として彼は特級過呪怨霊・折本里香の全力に敗れたわけですが、この時点で彼の所持する呪霊のストックはゼロになっています。

 つまり彼が五条により殺された際、「取り込んでいた呪霊が術師の死と同時に溢れ出す」というリスクが完全に排除されていたことになります。

 

 

 そして彼の死体は偽夏油により奪われ、彼の器となりました。

 呪霊操術を欲していた偽夏油、「うずまき」の使用により所持呪霊数がゼロになった夏油傑、そして彼の死亡。

 

 仮に偽夏油が百鬼夜行そのものの実行に裏で関わっていたとすると、彼の目的は自ずと達成されますし、一連の流れに全て説明がつきます。

 

 

 あくまで一つの可能性に関する考察です(現に偽夏油も呪霊操術について「最初はあまり唆られなかった」と消極的な言い方をしていますから、あくまで彼の最優先は五条悟を封印するための「夏油傑の肉体」であった可能性は捨て切れません)。

 

 ですが偽夏油の周到さを考えると、この考察もあながちトンデモではないかもしれませんね。

 

 

 もうじき本編でも語られるであろう偽夏油の真の目的。

 今後もそちらに注視していきましょう。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。

【考察】天元の正体に関する再考_第5回【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 今週のジャンプ第17号にて長らく謎に包まれていた「天元」が遂にその正体を現しました。

 

 まさか実体を持つ存在であり、こちらと明確な意思疎通が可能だとは思いませんでした。これにより過去にあげた考察の一部の答え合わせができそうですが、新しい謎が浮上しました。

 

 今回はそれに関して取り上げていこうと思います。 

 

 

1.これまでの説の整理と仮説の提示

 

 僕はこれまでに4回、天元に関する考察記事を書いてきました。

 

【考察】BLEACHとの相関から見る天元様と御三家の関係性_第1回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】術式から考える、天元様の異質性_第2回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】九十九の発言・語句から再考する天元の正体_第3回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

【考察】偽夏油と天元様の対比_第4回【呪術廻戦】 - けろの漫画雑談所

 

 その中で特に僕が強調していたのは、「天元は生きた人間ではなく、呪物化した人間か、"縛り"によって抑留された人間なのでは?」「天元の術式が不死というのはブラフで、本当の術式はもっと別なのでは?」ということでした。

 

 今週号で天元が意思疎通可能な実体を持った存在であることが明かされ、前者に関しては若干薄くなってしまいました(ただあの人外的な見た目は何かしら裏がありそうです)が、後者に関しては依然考察の余地がありそうです。

 

 そこに加え、本項で検証する仮説を提示しておきます。

 

仮説:天元の術式が「不死」というのはブラフである。

 

2.最新144話における九十九の発言

 

 第144話にて出てきた九十九の発言を再度見てみましょう。

 

「天元は現に干渉しないが、六眼を封印された今なら接触が可能だと踏んだんだが、見通しが甘かった」

 

 ここで気になったのが「六眼を封印された今なら」天元に接触ができるだろうと九十九が判断している点です。

 これを逆に考えると、「六眼持ちが現役の時には接触できない」ということになります。

 

 六眼に関する設定は公式できちんと述べられているわけではありませんが、作中の描写から「対象を視認することでその術式情報を読み取ることができる」ものであることが読み解けます。

 

 宿儺を受肉した虎杖を見て「混ざってるよ」と断言していたのも、過去編で本体を入れ替えることができる呪詛師と相対した時に「便利な術式」と看破していたのも、彼の目には術式がはっきりと"視え"ているということになります。恐らく呪力の流れ等で感覚的に術式を認識しているということでしょう。

 

 その六眼が現役であれば天元が接触しないということは、「六眼で見られると困ることがある」なのではないでしょうか。

 

 作中で語られた天元の設定は「不死の術式を持っている」ということでしたが、ここにこの考察を当てはめてみると「不死の術式を持つとされる天元だが、それを六眼で視認すると異なる情報が入ってくる」という可能性が浮上します。

 

 常々怪しいと思ってきた天元でしたが、ここにきてその怪しさが増してきました。

 

3.過去編の夏油の発言を振り返る

 

 ただ、そうなると過去編で星漿体・天内理子の護衛任務に夏油と五条が任命されたのが引っかかります。

 

 これに関しては薨星宮本殿に理子を連れた夏油の台詞によってある程度解決できそうです。

 

「階段を降りたら門をくぐって、あの大樹の根本まで行くんだ」 

 

 ここで彼が「行こう」ではなく「行くんだ」と命令口調なのは、「僕はその先には行けない」可能性が大きいです。

 天元の隠す結界が天元本人にも左右していることが第144話で判明したので、この可能性は高いと思います。

 つまり、本殿までは誰でも行くことができるが、そこから先の天元が座す領域に入ることが許される(≒天元が接触を許可する)のは限られた人間だけである、ということです。

 

 であるなら六眼を持つ五条が護衛任務を任されていたとしても、それはあくまで「薨星宮本殿に連れて行くまで」であって、そこから先に関しては関係ないと考えることができますし、整合性は取れます。

 

 

 天元の正体がどのようなものかはまだ考察の余地がありますが、天元が六眼持ちの術師と接触したくなかった理由はきちんとありそうです。

 それを逆説的に考えると、「天元の術式が不死である」という前提そのものが嘘である可能性がより強まります。

 

 

 天元関係はこれから先も○回と称して続けていこうと思います。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

【感想】第144話_情報量の海で溺れる回【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 ジャンプ最新第143話、ちょっと情報量がやばすぎて5回読みましたが、それでも情報量がやばすぎてショートしてます。

 

 というわけで僕自身確認しながらの作業になりますが、やっていきましょう。

 

 

1.虎杖、高専へ戻る

 

 舞台は死滅回游編へ、と思いきや割と冷静な虎杖と伏黒たちは、今後の対策を練るために高専地下にいる天元に会いに行くことに。

 果たして天元が獄門疆の解き方を知っているのか等は確証はありませんが、今後の動きは固まったようです。

 

 ここで乙骨が「問題は天元様の"隠す"結界なんだ」と述べているように、天元の下に行くのは高専生であっても容易ではないようです。天元本人に選ばれた人間しか入れない空間、ということでしょう。

 

 

 というかここで釘崎の安否を聞くんですね、虎杖は。ただでさえ七海の死や大量殺戮で精神が折れた虎杖が、目の前で吹き飛んだ釘崎の生死をちゃんと確認するの、彼なりに強くなったなぁというか、きちんと向き合えるように気持ちの整理がついたんだなぁと。

 伏黒からの返しは「沈黙」で、それで全てを悟ったような虎杖。くるし〜〜〜。

 

 ここで「ぬっ」と出てきたお兄ちゃん、ちょっと笑っちゃったけど安堵が凄まじい。先週は一コマも登場してこなかったせいで安否が疑われていましたが、生きててよかった。まだ直哉の生死は不明だけど。

 

2.真希さん!!!!!!

 

 真希さんが生きてた!!!!!生きてたよ!!!!!よかった!!!!!

 この感情が爆発しました。

 

 あと乙骨との絡みが本編で見られて本当に嬉しい。「もう動いていいの?」「応、問題ねぇ」って短い会話でしたけど、このやりとりに二人の信頼関係が垣間見えて嬉しくなりました。

 

 長かった髪は治療のためか漏瑚に焼かれたせいかショートになってしまっていて、顔にはひどい火傷の痕。

 イメチェンにしては負の方向性が強すぎるけど、天与呪縛がいい方向に作用して生還したのは本当によかった。ぜひ直哉をぶん殴ってほしい。

 

 あとこの丸眼鏡+黒髪ショート、東京喰種の金木を思い出しました。

 

 

 その後の「悠二ー!!!!」は完全にギャグなので勘弁してほしい。君だけが唯一の癒しキャラだよ。

 ちなみにみんなが集まっているこの部屋、虎杖が匿われて映画を観ていた部屋ですね。となると彼は高専内で匿われていたことになります。灯台下暗し。

 

3.一同、天元の下へ

 

 道中にある血痕、ウッッッとなりました。

 11年前、伏黒甚爾と夏油が戦いを繰り広げた場所。九十九曰く「全ての歪みの始まりの場所」。

 

 まさか天元が「実体を持ち、意思疎通が可能な存在」だとは思いませんでした。

 見た目は相当アレですが、きちんとした人型で、その上乙骨や脹相の正体を把握しているあたり、やはり全知の存在なんでしょう。

 

 これに関しては後ほど考察記事をあげます。

 

 ここから天元との対話が始まりそうではありますが、果たして天元がまともに会話をしてくれるのか。こちらが知りたいことをのらりくらりと聞き流しそうな雰囲気もあって、どう転ぶのかなぁと。

 

 

 来週が休載っていうのがヤキモキしますね。

 

 多分次回は天元との会話シーンから始まるのでしょうか。楽しみに待ちましょう。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

 

【考察】虎杖悠仁は「宿儺の器」として"作られ・受肉させられた存在"であった【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 今回は原点に立ち返った考察をしていこうかと思います。

 

 というのも以前に虎杖の父親について考察したことはありましたし、その後に虎杖の母についての考察記事も書きましたが、主人公虎杖悠仁本人に関する記事というのは書いてこなかったからです。

 

 

 というわけで早速やっていきましょう。

 

 

1.仮説の提示

 

 まずは恒例、本項の前提となる仮説の提示から行っていきます。

 

 仮説:虎杖悠仁は「宿儺の器」として設計され、宿儺の指を受肉するよう誘導された存在である。

 

 特に重要なのは、「様々な実験の結果宿儺の器としての耐性があった」ではなく、「生まれる以前から彼は宿儺の器として意図して設計され、そうなるべくして生まれてきた存在である」という点です。かっこいい言い方をすれば「運命を仕組まれた子供」です。

 

2.虎杖悠仁の発言と状況の矛盾

 

 まずは単行本第1巻における虎杖と伏黒の発言から、彼が宿儺の指を受肉したのが偶然の成り行きではなく、仕組まれたことだった可能性を検証していきます。

 

伏黒「(宿儺の指の写真を見せて)これだ、持ってるだろ」

虎杖「あーはいはい拾ったわ」

 

 なんの変哲もないやりとりですが、ここで虎杖は宿儺の指に関して「拾った」と述べています。

 ですが宿儺の指は木箱に入った状態で百葉箱に保管されていたもので、それを入手したのであれば「拾った」ではなく「盗った(取った)・抜き取った」が正しい表現になるはずです。

 確かに虎杖は子供の頃からパチンコの代打ちをやっているような子ですし、悪いことをした自覚があった上でそれを誤魔化すために言った可能性も大いにあります。正直に言ったら怒られるだろうからちょっとボカして「拾った」に言い換えたわけですね。

 

 ただ、この「拾った」発言が事実だとすると、宿儺の指は伏黒が発見する以前に第三者によって抜き取られ、虎杖悠仁の眼前に置かれていたことになります。例えば学校のどこかに落ちていた、とかですね。

 

 「虎杖が宿儺の指を受肉した」背景に、第三者の意思や介入があったと考えるとこの点に関してはかなりスッキリします。

 

3.渋谷事変における偽夏油の発言

 

 ただ、上記の発言だけでは根拠に欠けます。

 そこで参考になるのが渋谷事変にて偽夏油が言い放った「我ながら宿儺の器、タフだね」という発言がキーになります。

 

 この発言だけで値千金というかほぼ確定的な気がしますが、分解して考えていきましょう。

 まず「我ながら」の部分、ここに関しては文字通りの意味で「自分が作っておいて言うのも野暮だけれど」ということです。

 次に「宿儺の器」の部分ですが、これも文字通り「猛毒である呪いの王・両面宿儺に耐性を持った存在」ということになります。

 

 ここで着目したいのが、彼が「実験体・試作品」等の言い方をせず、ほぼ断定する形で「宿儺の器」と言い切った点です。

 

 つまり偽夏油の発言を紐解くと、

 

1.虎杖悠仁を作ったのは偽夏油である。

2.その目的は「宿儺の器」を作ることであり、虎杖悠仁はその完成品である。

 

 ということになります。

 宿儺の器は1000年間現れてこなかった逸材ですので、彼が暗躍していた1000年の間にひたすら実験を繰り返していた可能性があります(個人的には九相図もその実験の一環であったと思っています)。

 

4.虎杖の母の肉体を乗っ取っていた事実

 

 次に先週のジャンプで明らかになった衝撃の事実、虎杖悠仁の母が偽夏油の以前の器だった点です。

 ここで前述の「我ながら」という台詞の意味が若干変わってきます。

 つまり「我ながら」は自らが実験に関わったというような意味ではなく、「自ら腹を痛めて産んだ」ということになります。

 

 額にも傷跡がありましたし、祖父の発言を鑑みても彼女が偽夏油の以前の器だったことは確定です。

 

 

 ここまでに挙げた情報を整理すると以下のようになります。

 

1.虎杖悠仁を産んだのは偽夏油である。

2.その目的は「宿儺の器」として耐性を持つ子を作ることであった。

3.虎杖悠仁が宿儺の指を受肉したのは偶然ではなく、第三者によって仕組まれていた。

 

 よく少年漫画の主人公というのは生まれながらにして運命を背負っていることがありますから、これが虎杖に当てはまっていたとしても不思議ではありませんね。

 唯一謎なのは「何故虎杖の母は偽夏油の器として選ばれたのか」ですが、これも以前記事として考察しています。

 

 

 あとは偽夏油の口から答え合わせが語られるだけな気がしますので、楽しみにしながら死滅回游編を読んでいこうと思います。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

【感想】最終話_九相図戦決着、そして劇場版へ【呪術廻戦アニメ】

 ども、けろです。

 1日空いてしまい旬を逃した感が否めませんが、早速やっていきましょう、呪術廻戦アニメ感想回です。今回はいつにも増してクソデカ感情多めでお送りしていきます。

 

 

1.九相図戦最高潮

 

 いやぁ本当に凄まじかった。ぬるぬる動く作画に変態アングル。

 特に壊相の極ノ番・翅王が展開されたシーンは度肝を抜かれました。原作の迫力もすごかったですが、アニメになって色と動きがつくとああも映えるんだなと。

 

 おまけにBGMも臨場感とスピード感があって最高でしたし、最終回にこんな激アツのバトルを持ってくるMAPPAはずるい(褒め言葉)

 

 あと釘崎の「我慢比べしよっか」の顔はどう考えてもヒロインのそれというより敵の幹部格のそれだし、躊躇なく自分の腕に釘をブッ刺せる精神力はイカれすぎてます。製作側も作ってて楽しかったんだろうなと勝手にニヤニヤしてました。

 

 

 個人的に最高に震えた展開はやっぱりダブル黒閃のシーンでしょうか。

 原作ではナレーションで釘崎と虎杖の状況説明があって、「黒閃」の文字と共に見開きでポージングを決める二人というアツさなんですが、アニメではここが綺麗に再編集されていました。

 まずナレーションはバッサリカット、黒閃の文言もなし。代わりにcoldrainの挿入歌との音ハメ、音が消える瞬間のダブル黒閃

 

 

 か”っ”こ”い”い”い”い”い”

 

 

 アニメで原作通りじゃない展開やオリジナル要素っていうのは結構(特に原作ファンからすると)博打要素が強いんですが、こういうオリジナルはまじで垂涎ものです。

 

 やっぱり黒閃はアニメで色がつくと本当に映えますね。背景で流れるcoldrainの疾走感が本当にかっちょいい。

 

 あとその後に「簪」を打ち込む釘崎の顔が本当に女王のそれ。これがヒロインって言われても100人中98人くらいは信じてくれなさそうなくらいかっこいいしキマってる。

 

2.「共犯」になった虎杖と釘崎

 

 「私たち共犯ね」というシーン、原作でも屈指の名場面なんですがやっぱり声優が演じると本当に良い。さっきから同じような語彙が続いてますね。

 

 虎杖が「あれを一度っていうのはズルか、3人だ」って言うの、彼は任務といえど自分が奪ってきた「命」に対する責任を感じているんですよね。

 これが対呪霊と根本から異なるのは、彼らは負の感情が累積して生まれた存在であり、そこに人間と同じような形の「命」は存在していないんですよ。

 だから相手が改造人間であっても呪物の受肉体であっても、そのベースが「人間」である以上そこに「命」はあるし、それを殺すことはたとえどんな形であったとしても虎杖にとっては「殺人」なんですよね。

 

 釘崎が「あのレベルのを長期間拘束する手段はない」と言うのも、確かに事実ではあります。ただ、それをあの場で言う必要というのは特にないというか、あの場でわざわざそれを言うのは、彼女なりに命を奪うことに対する罪の意識があって、それを自分の中で正当化したいんだなと。悪い言い方をすれば「自分に対する言い訳を持ちたい」のかなと思いました。彼女はまだ15歳ですし。

 

 「共犯ね」と言うのは、ただ自分達が行った行為とその結果に対する事実の提示であると同時に、これから先術師として歩んでいく上で乗り越えなければいけない「人の命を奪うこと」に対する彼らなりの向き合い方なんだなと感じました。それを声に出すことで、自分自身も確認している、そう捉えました。

 

3.互いを思い合う虎杖と伏黒

 

 ここもめちゃくちゃ好きなシーンです。

 伏黒は「虎杖が宿儺の指を食った行動が、巡り巡って人を殺している」ということに対して自責の念に駆られています。指を食べたその原因の一端が伏黒にあるからです。

 だからこそ、「宿儺受肉がトリガーとなり全国で呪殺が始まった」ことを虎杖には知ってほしくない。だからこその「言うなよ」。くるし〜〜〜〜〜〜。

 

 ただ、虎杖はそれを宿儺本人から聞かされて知っている。

 その上で虎杖は「伏黒があの日自分を助けるよう五条に進言したことが、今死人が出ていることに繋がっている」ということに気づいている。それはまさしく少年院で伏黒が言った「自分が助けた人が将来人を殺したらどうする」という台詞と同じ状況なんですよね。

 だからこそ虎杖は宿儺に対して「それを伏黒に言うな」と気遣っている。

 

 お互い、「自分のせいで相手が苦しんでいる」と思っていて、お互いが相手を思いやる発言をしている(そしてその発言をお互いは知らない)というこの状況、あまりに尊い。やっぱり彼らの間にあるのは「友情」のような簡潔にまとめられるものではなく、もっと歪でどろりとした、それでいてどこか澄んだ色をした関係性なんだなと。決して腐的な意味合いではないですよ。清らかではなく、黒く淀んでいながらも、どこか澄んでいるような、そんな関係性なんだなと。

 

4.「本物の夏油傑」が喋った!!!!

 

 いやぁ良いアニメだった。製作会社がMAPPAで本当に良かった。コミックスの売り上げも爆増したしopもedも素晴らしすぎるアーティストに恵まれた上、変な原作改変やオリジナル展開なんかもなくて本当に本当に素晴らしかったなぁ。しかもアニメ2期を匂わせるような終わり方までしてくれちゃって、おいおいMAPPAさん最後までファンサービス旺盛かよ、としみじみした思いでテレビを消そうとした瞬間。

 

 

「来たる12月24日、我々は百鬼夜行を行う」

 

 

 えっ!!!!!!???????!!????????

 何?????僕らは何を見せられているの???!!!

 

 0巻???0巻が映画化??!!!何を言っているの!!!?

 

 

 ウワアアアァァァァーーーー0巻が映画化だァァーーーー!!!!

 やったぁぁぁぁぁぁ乙骨の「純愛だよ」が銀幕で見られるぞッッ!!!!!

 

 

 リアルに変な声と雄叫びをあげました。深夜2時なのに。ご近所さん本当にごめんなさい。

 僕は乙骨の女(26歳・男性)なんですが、MAPPAが本当に最高の形でファンの期待に応えてくれました。

 

www.youtube.com

 

 この夏油傑、正しく「本物の夏油傑」なんですよ……原作勢ならこの意味するところがわかるはずです……うぅ……

 

 しかも2022年とかじゃなく、「今冬公開」ですからね??

 原作のセリフが予告編に使われているあたり、もうアフレコは終了してそうですし、まじでMAPPAにしてやられました。最高の形の予告。

 

 

 しかも恐ろしいことに、今年の12月24日って金曜日なんですよ。金曜日といえば多くの映画の公開日。そして作中で百鬼夜行が行われるのは12月24日……

 このせいでファンの間では「映画公開日は12月24日でしょ」と根拠不明の考察がされていてめちゃくちゃ笑いました。そういう気が早いところ大好き。

 

 

 アニメ最終回の感動と興奮、映画化決定の熱狂のせいでこの日は4時まで寝れず、次の日の仕事にリアルに支障をきたしました。ガチ寝不足。

 

 

 なんにせよ今年の冬までは生きる希望ができました。

 しかも夏にはヒロアカの映画も公開が決まっていますし、今年はますますジャンプから目が離せませんよ本当に。

 

 

 というわけでクソデカ感情の放出でした。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

【感想】Eveの廻廻奇譚(Live Film Ver)がカッコ良すぎた話【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 

 昨晩20時ごろにYoutubeで公開されたEveさんの廻廻奇譚が死ぬほどカッコよかったので、そのクソデカ感情を感情のまま綴っていきます。

 見どころとか注目ポイントとかそこら辺を書くだけの記事です。

 

youtu.be

 

 

1.そもそもEveって誰?

 

 まぁこの記事をご覧になっている方はご存知だと思いますが、Eveさんについて簡単に説明します。

 

 元々はニコニコ動画で歌い手として活動されていた方で、今はYoutubeを中心に活動されている歌手です。顔や生年等を明かしていないのでミステリアスで、それがまたかっちょいい。

 

 おすすめの楽曲はいくつかありますが、個人的にはやっぱり「ドラマツルギー」ですね。ありきたりですが。

 

www.youtube.com

 

 僕としては中高生の頃ニコニコ動画でよく見ていた人が今こうして歌手として活動しているのを見ると感慨深くなると同時に自分たちが「オタク」と呼ばれていた頃のコンテンツたちがこうしてカルチャーの中心に躍り出ていることに対してたまらなく嬉しくなります。

 

2.呪術廻戦調のフォント文字が躍る

 

 このMV、Live Film verとある通り実写で、そこに編集で歌詞が挿入されています。

 歌詞のフォントや出し方がめっっちゃくちゃかっこいい……

 呪術廻戦は作品のタイトルデザインもそうですけど、オリジナルの書体で描かれていて、それがまたいい意味で「呪術っぽい」んですよ。甲骨文字にも少し似ていて、「日本語として判読できるが、それでいて旧字を崩したような怪しさ」がある絶妙な書体で、それが音楽に合わせて画面を彩るのがオサレすぎる。

 

 この特殊な書体のおかげもあって、ただの歌詞としての機能だけではなく、画面を彩る「装飾」としての機能も果たしていてとても好きです。

 

3.顔が見えそうで見えないミステリアスさ

 

 なんといってもこれです。これはインターネット発の歌手の方でよく見られることなんですが、Eveさんも顔出ししてないです。

 他に同様の手法を取っているのはyamaさんとかずっと真夜中でいいのに。とかですかね。どれも魅力的です。

 で、Live Film verなのでご本人が登場しているわけなんですが、これがまた絶妙に顔が見えそうで見えないんですよ。

 全体のシルエットは見えているし、顔の輪郭も見えてるんだけど、肝心のご尊顔が見え……ないという。

 

 このもどかしさにも似たもぞもぞ感が謎の人物感を醸し出していて、とてもいいMVでした。全部見えないよりも、見えそうで見えないチラリズムが視聴者の好奇心をくすぐるというか、ダークな雰囲気を助長させていて最高でした。

 

 

 まぁ何が言いたいかというと、クッッッッッッソかっこいいMVだったんで未視聴の方は今すぐ見てください。お願いします。何卒。

 

 

 という感想回でした。

 

 それではまた。

 

 よしなに。

【考察】死滅回游に参加するのは誰なのか【呪術廻戦】

 ども、けろです。

 

 今週号から始まった新章・死滅回游編。

 その中で特に気になったのが、「死滅回游を辞退するデメリットがあまりないのでは?」というものでした。特に巻き込まれただけの一般人や、脳の構造をいじられただけの元非術師からしてみれば突然殺し合いに巻き込まれることになります。後者の場合死滅回游のルールに則って術式が剥奪されるだけで済みます。

 

 今回は、割と複雑な現状の中で一体どんな人が死滅回游に参加するのか?彼らは何を理由に参加するのか?という点に関して考察兼まとめ記事を書いていこうと思います。

 

 それではやっていきましょう。

 

0.はじめに

 

 この死滅回游の大前提として、「参加者が殺し合うこと」があります。そもそも殺し合いが起きなければ偽夏油の目的である「呪力への理解を目的とした呪い合い」も達成できません。

 

 その中で現在判明している死滅回游のルールだけでは、殺し合いにまで発展するのか?という疑問が浮上しました。

 

 というのも死滅回游に参加しない(=殺し合いをしない)ことによるデメリットは現状「術式を剥奪される」のみです。

 仮に「術式の剥奪」がその当人の死に直結するのであればこれは大きなリスクですが、そうでないのであれば「後天的に与えられた術式を失くすだけ」になります。ゼロにはなりますがマイナスにはなりません。

 それこそ九十九が偽夏油に対して言い放った「人間の理性をナメすぎだ。力を与えただけで人々が殺し合いを始めるとでも?」が正論になります。

 

 であるなら、そもそもの泳者選びの段階から偽夏油は策略していたことになります。

 以下では「どういった人たちが参加することになるのか・そもそも彼らは何故殺し合いに参加するのか」について細かく場合分けして考えていこうと思います。

 

1.泳者

1-1.呪物が受肉した者達

 

 まず泳者の中で大別した際に、最も死滅回游に参加するメリットがある者達です。

 彼らは偽夏油が1000年前から契約してきた術師の成れの果てとされています。

 

 呪物が受肉した際にどうなるのかについては呪胎九相図を参考にしてもらえればわかると思いますが、呪物に肉体を乗っ取られ、器となった人間の人格は残りません。

 

 彼らが偽夏油と契約した理由は千差万別だと思われますが、一番は「死にたくない・長く生き永らえたい」だと思います。呪物化してしまえば寿命に囚われることなく長い時間を渡ることができますし、元の肉体を超越することが可能です。

 

 1000年前、呪術全盛の時代を生きてきた術師達が、(どう見ても悪意の塊である)偽夏油と契約して今世に蘇ったとすると、彼らが私欲のために他者を殺し始めることは容易に想像がつきます。

 個人的にはかなり厄介な参加者だと思っています。

 

1-2.脳の構造が非術師だった者達

 

 次にもう一種、身体に術式は刻まれているものの脳の構造が非術師だった者達です。

 偽夏油が真人の無為転変を獲得したことにより彼らの脳を術式を扱えるようにデザインし直した結果、彼らも術式に覚醒しました。吉野順平がたくさん生まれたと思ってください。

 

 ただ、吉野順平がそうであったように、脳のデザインが変更されたからといっても彼らの自我は無為転変の前後で特に変わりません。

 であるなら彼らが積極的に参加する理由がないのでは?となってしまいます。

 

1-2-1.彼らが洗脳を受けている場合

 

 まずは最もシンプルに、彼らが予め偽夏油による洗脳を受けていた場合です。

 どういった類の洗脳かは分かりませんが、相対した人間を全員殺すような催眠をかけられているとか、人格面を根本からいじられているといった可能性もあります。

 津美紀は恐らくこちら側に該当するので、彼女が洗脳を受けているのだとすると死滅回游に巻き込まれることになりますね。

 

1-2-2.彼らの自我がしっかり残っている場合

 

 次に、仮に彼らの中に自我が残っている場合です。

 この場合気になるのが、偽夏油はどういった基準で彼らを選定したのか?です。

 

 死滅回游は殺し合いを前提にしていますから、一番シンプルに考えれば「呪力・術式が欲しい者」です。

 これを考える上でヒントにしたのが第143話の終盤、伏黒の台詞の背景に映った死滅回游の参加者らしき人たちの中に「弁護士バッジをつけた人物」がいたことでした。

 弁護士はそもそも被害者を守るという側面から正義の天秤を支える職業で、人殺しから最も遠い人種の一つです。

 そんな人がわざわざ自ら危険を冒して殺し合いに参加する理由を「呪力・術式を欲していたから」とすると割とスッキリします。

 というのも呪術による呪殺は、現行の司法制度で裁くことができない完全犯罪だからです。

 

 弁護士のような正義を支える人達が、様々な事情で裁くことのできない犯罪者を裁くために呪術に手を出す、というのは割と納得がいきます。歪んだ正義というわけです。

 

2.非泳者

 

 次に非泳者、つまり偽夏油が関与していない者達になります。

 

2-1.高専側術師

 

 シンプルに死滅回游を止めたい者達です。伏黒や虎杖らですね。

 彼らは「死滅回游における混沌とした殺し合い」を止めることを目的としていますから、彼らの参戦に特に疑問はありません。

 唯一気になるのは、19日以内に人を殺さなかった場合術式が剥奪されるので、伏黒のような肉体に術式が刻まれた者が術式を失わないためには定期的に殺人を行わなければいけないという点です。これに関しては後日別の考察記事をあげます。

 

2-2.一般人

 

 次に一般人、つまり何も知らずにこの死滅回游の結界内に足を踏み入れてしまい、ゲームに巻き込まれてしまった人達です。

 彼らは自主的にゲームに参加する必要がありません。というか真っ先に逃げたい・殺されたくないと考えているはずです。

 

 ですが、これがデスゲームであることを考えると彼らが戦う理由を持ち合わせていないことは大した問題ではありません(これは前述の人たちにも当てはまります)。

 というのもデスゲームの恐ろしい点は、「自分は誰も傷つけたくはないが、悪意を持った第三者に殺される可能性が常に付き纏う」ということです。

 他者に対する疑心暗鬼という状況自体がもう既にデスゲームの舞台に上がってしまっているわけですね。そりゃ1000年前の呪詛師や術師がヒャッハーしていたりする状況で不殺を貫くのは相当難しいです。先制攻撃をしてでも自分の身を守ろうとしますから。

 

2-3.呪霊

 

 現時点では死滅回游の得点の対象にはなっていませんが一応取り上げます。

 恐らく死滅回游は人間vs人間がストーリーの主軸になるでしょうから、呪霊はあくまでもギミックとして作用するだけだとは思いますが、登場する可能性はゼロではないと思います。ただ主要な特級呪霊はすでに渋谷事変で全滅していますから、出るとしても本当に些細なスパイス程度だと思っています。

 

 

 

 いかがでしたでしょうか。

 こうして列挙してみるだけでかなり多くの人達が巻き込まれる可能性が出てきました。

 これらの人たちが今後どのように関わっていくのか、期待しながら待ちましょう。

 

 

 それではまた。

 

 よしなに。