ども、けろです。
先日のアニメ最終話の放送直後、0巻映画化決定の特報が流れ、僕たち全読者は沸きに沸いたわけですが、今回はそんな0巻にまつわる考察記事となります。
- 1.仮説の提示
- 2.過去編にて明かされた呪霊操術の可能性
- 3.偽夏油の目的達成において不可欠な呪霊操術
- 4.百鬼夜行にて東京と京都に呪霊を分散させた夏油傑
- 5.乙骨戦にて「うずまき」を使用して死亡した
1.仮説の提示
まず本考察における仮説を提示し、本項を始めていきたいと思います。
仮説:0巻の夏油傑主導の百鬼夜行は偽夏油により仕組まれていたものである。
0巻における百鬼夜行とは、夏油傑が東京と京都にそれぞれ1000体ずつの呪霊を放った未曾有の呪術テロの呼称であり、作中の時間軸で1年前の出来事になります。
本考察は、百鬼夜行そのものを、偽夏油が裏で手を引いていた可能性があるという仮説になります。一見するとトンデモ考察ですが、一応論拠はありますので楽しんでいってください。
2.過去編にて明かされた呪霊操術の可能性
まず何故本仮説に至ったのかについて、単行本9巻にて伏黒甚爾により語られたことをとっかかりにして始めていきます。
「式神使いなら殺したが、呪霊操術となるとな。
オマエの死後、取り込んでた呪霊がどうなるか分からん。ここで面倒事は避けたい」
夏油を斬り伏せた伏黒甚爾は、以上のように述べています。
ここで重要になってくるのは、「禪院家出身の甚爾でさえ、呪霊操術の詳細については知らない」という点です。
禪院家はおよそ1000年以上前から続く歴史ある名家です。そこには様々な呪具が集められていたり、術式に関する情報が集まっています。
現に甚爾は五条の無下限呪術について、「茈」以外は把握していましたし、ある程度強力な術式であればその情報は漏出するのだと考えられます。
呪霊操術は術式の中でも相当に強力で、取り込む呪霊の数に上限がないことや、等級も問わないことからも、規格外に位置する術式であることが伺えます。
その術式に関して、甚爾は「術師が死んだ後どうなるのか知らない」と述べていました。
これはつまり、「歴史的に見ても呪霊操術を持つ術師の存在は稀であり、それ故に術式に関する情報がない」ということではないでしょうか。
仮に呪霊操術に関して「術師の死後、取り込んでいた呪霊が一斉に溢れ出す」のだとすると、迂闊に術師を殺すことはできません。
これが本考察においては非常に重要になってきますので、覚えておいてください。
3.偽夏油の目的達成において不可欠な呪霊操術
次に偽夏油に関してです。
彼の目的は未だ全容が判明していませんが、少なくともその目的達成において二つの術式が重要になってくることが明らかになっています。
一つは「無為転変」。これは特級呪霊・真人が所有する術式で、触れた対象の魂の形を知覚し、それを元に肉体を造り替えることを可能にします。
彼はこれにより非術師の脳を組み替えることで術師化させることに成功し、それが現在進行形で行われている死滅回游の元凶にもなっています。
二つ目が「呪霊操術」です。呪霊を取り込み、使役することを主とする術式ですが、偽夏油曰くその真骨頂は準一級以上の呪霊を取り込み、極ノ番・うずまきを使用した際に起こる「術式の抽出」にあります。
彼はこれにより取り込んだ真人の術式・無為転変を抽出し、我が物とすることに成功しています。
つまり、そもそも呪霊操術を手にしなければ偽夏油は死滅回游を引き起こすことができない、ということになります。
1000年前から暗躍していた彼が、偶然百鬼夜行を引き起こし、その渦中で死んだ夏油傑を利用するような、そんな行き当たりばったりな行動を取るでしょうか。
偽夏油が渋谷事変を引き起こした最大の理由は五条悟の封印ですが、それと同時に彼は無為転変を手に入れることに成功し、次のステージに進んでいます。
彼は夏油傑が死ぬずっと以前から、彼の持つ術式に目をつけていたのではないでしょうか。
4.百鬼夜行にて東京と京都に呪霊を分散させた夏油傑
その根拠の一つに、彼が百鬼夜行を実行に移した際、東京と京都に呪霊を分散させたことが挙げられます。
このことに対して偽夏油は渋谷事変時に「去年の百鬼夜行、新宿と京都に戦力を分散させなければ、勝っていたのは乙骨ではなく彼だったろう」と評しています。
新宿には五条悟という最高戦力がいたにも関わらず彼がそう述べているということは、偽夏油はその時点で夏油傑が持つ呪霊操術に目をつけ、狙っていたことになります。
そして何故、自身が持つ呪霊を全て把握している聡明な夏油傑が、そのことに気づいていなかったのでしょうか。仮に気づいていたとしたら、彼は戦力を分散させることはしなかったはずです。
仮に偽夏油が裏で夏油傑を唆していたとすると、この状況にも説明がつく気がします。
5.乙骨戦にて「うずまき」を使用して死亡した
もう一つ別の根拠として、0巻における夏油傑の最期について触れていきましょう。
彼は乙骨との戦闘時、所持していた特級呪霊・化身玉藻前と、その他全ての呪霊を「うずまき」により一つにまとめ、乙骨にぶつけています。
結果として彼は特級過呪怨霊・折本里香の全力に敗れたわけですが、この時点で彼の所持する呪霊のストックはゼロになっています。
つまり彼が五条により殺された際、「取り込んでいた呪霊が術師の死と同時に溢れ出す」というリスクが完全に排除されていたことになります。
そして彼の死体は偽夏油により奪われ、彼の器となりました。
呪霊操術を欲していた偽夏油、「うずまき」の使用により所持呪霊数がゼロになった夏油傑、そして彼の死亡。
仮に偽夏油が百鬼夜行そのものの実行に裏で関わっていたとすると、彼の目的は自ずと達成されますし、一連の流れに全て説明がつきます。
あくまで一つの可能性に関する考察です(現に偽夏油も呪霊操術について「最初はあまり唆られなかった」と消極的な言い方をしていますから、あくまで彼の最優先は五条悟を封印するための「夏油傑の肉体」であった可能性は捨て切れません)。
ですが偽夏油の周到さを考えると、この考察もあながちトンデモではないかもしれませんね。
もうじき本編でも語られるであろう偽夏油の真の目的。
今後もそちらに注視していきましょう。
それではまた。
よしなに。